この記事はニフティグループ Advent Calendar 2019の9日目の記事です。
8日目は@motaHackさんのMongoDBのレプリケーション概要と、高負荷になった時にやったことをまとめるでした!
当時、対応に苦戦していた姿を思い出しました……!
はじめに
現在スクラムマスターとして2つのチームに関わっています。
アジャイルレトロスペクティブズ 強いチームを育てる「ふりかえり」の手引き
の本より、いろいろなアクティビティに取り組んでみたなかで、
振り返りに使いやすいな~と思ったアクティビティを5パターン、7種類選んだので、紹介していきます。
おすすめアクティビティ
あくまで自分のチームでの使い方なので、いろいろなやり方がある中での一例として読んでください。
ファイブフィンガー
せーので5本指を挙げ、テーマについて(スプリントそのものや、成果物、チームの目標など)の自分の満足度や納得度などを表現する。(5:非常に満足~1:満足していない)
指で度合いを示したあと、なぜその指の本数なのかという理由を一言程度で聞く。
ケースによっては「わからない」を示すためのゼロ(グー)を用いることもある。
所要時間
5分以内
おすすめの使い方
あまりシーンを選ばずどこでも使える。
短時間で意見を収集したいときや、あまり語らない人から意見を引き出す方法として効果的。
レトロスペクティブの導入部にファイブフィンガーを用いたこともあるが、最後の締めとして使ったほうが場が締まる感じがする。(好みの問題かも…)
スプリントレビューで「このスプリントの満足度」を表現するために参加者全員にファイブフィンガーを出してもらう、というような使い方もおすすめ。
タイムライン × 喜怒哀 × 学習マトリックス
- タイムライン(20分程度)
- スプリント(1~2週間程度)のできごとを日ごとに書き出す。
- 喜怒哀(10分程度)
- チームメンバーそれぞれの、その日の感情を「喜・怒・哀」の顔の絵で表現する。
- 学習マトリックス(30分程度)
- GOOD(良かったこと) / BAD(変えたいこと) / アイデア / 感謝 の4つのマスをくぎり、スプリントのできごとをそこに当てはめていき、次スプリントのTODOにつなげる。
所要時間
トータルで60分
おすすめの使い方
どんなレトロスペクティブにも使えるが、目立った問題がなかったように見えるスプリントでの使い勝手が良い。
感情を「喜怒哀」で表現しようとしても「普通」と言われることもあるが、「怒」や「哀」のレベルが思っているほど強い感情ではない ということを説明して、なるべく普通をつくらないようにする。
嬉しい、怒り、哀しいには理由があるが、普通であることの理由は話しにくく、振り返りにつながりにくい。
平穏無事な一日で嬉しかった、など何らかの感情につなげたほうがディスカッションが盛り上がりやすい。
フィッシュボーン図
取り上げたい問題(要因が複数あるような複雑な問題)を「魚の頭」に書き、まっすぐに背骨を書く。
その背骨から、魚の骨のように大きな枝わかれを描いて、大きな枝分かれそれぞれに大まかなカテゴリを割り振る。
要因がいくつもあるような複雑な問題を整理し、取り組むべき根本問題を特定する。
所要時間
60分~(問題の大きさによって120分程度になることもある)
おすすめの使い方
「問題は明確だが対処方法がわからない」問題がおきたときにこのアクティビティを選ぶことが多い。
(バグが多発したり、成果物が出せなかったスプリントなど)
要因が複数ありそうな問題を整理し、解決に取り組むにはどこから着手すると効果的かを決めるために使う。
満足ヒストグラム
チームに対する満足度を、5を最高として「1~5」の幅で紙に書いて投票する。
尺度が個人によって異なるかもしれないので、「1~5」の幅はあらかじめ言語化したほうがよい。
ex)
5:自分のもつ力以上の素晴らしい仕事ができる、人生で最高のチーム。圧倒的な満足。
4:チームで働く意義が感じられる、素晴らしいチーム。おおむね満足している。
3:チームで働く意義は感じられるが、ふつうのチーム。満足もあれば、不満もある。
2:チームで働く意義が感じられないチーム。満足している部分もあるが、不満のほうが多い。
1:このチームだと、自分の力が全く発揮できていない。大いに不満がある。
所要時間
30-60分
おすすめの使い方
投票されたものを開封し、チームメンバーの満足度がどのように分散しているか見る。
-
チームメンバーの満足度がほぼ同じ場合は、もう一段上に行くためには何をすべきかを考える。
(全員が5だったら、拍手ぐらいしかすることがない…?) -
チームメンバーの満足度に開きがある場合は、タスクが属人化していないか、負担が分散できていないのではないかなど開きがある原因を考える。
なお、本に従って匿名でやってみたが、4人程度のチームだと匿名性の意味があまりなかった……。
555(Triple Nickels) ※やりやすいようにアレンジしています
- チームやサービスが抱える課題について、まず1人5分間、思いつく限りのアイデアをポストイットに書き出していく。
- 5分経過したら、書いたポストイットの紙を隣の人に渡す。
- 渡された人は、渡されたアイデアに関連したアイデアを書き加える。
- アイデアを深堀りする場合は「もとのアイデアの下」にポストイットを貼り、
アイデアを別方向に展開するときは「もとのアイデアの横」にポストイットを貼る。 - これをメンバー全員が1週するまで続ける。
- 出たアイデアの中から、どのアイデアにとりくんでみたいかをドット投票などで決める。
所要時間
60分
おすすめの使い方
短時間でアイデアをたくさん出したい時や、意見がなかなか出ないメンバーが多いときにもおすすめ。
もとの555は関連するアイデアを書き連ねる形だが、もとのアイデアに対し、横展開または深化させるといった観点を持ち込んだほうがアイデアが出しやすかったのでアレンジした。
まとめ
スプリントの雰囲気やできごとに応じてアクティビティを選ぶのがベストだと思いますが、課題に合うアクティビティのほかに、チームに合うアクティビティの方向性を探っていくことも大切だと思います。
平穏無事なスプリントであれば、あえて一度もやってみたことがないアクティビティを試してみるなど、多角的に振り返ってみることがチームの成長につながるのではないでしょうか。
なにより、初めてのアクティビティって、(もたつくことはあれ)新鮮で楽しいことが多いです。
振り返りはなにかとBADに目が行きがちなことも多いので、スクラムマスターとしては、できるだけ前向きに振り返ることでモチベーション高く次スプリントに臨めるような場作りを心がけたいと思っています。
明日は、@sonoha さんの Windows10HomeでDockerを使う です。
すぐに開発に活かせそうな記事で楽しみです!