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【令和6年秋最新版】応用情報&高度情報午前問題に初登場した用語とその解説

Last updated at Posted at 2024-10-15

はじめに

令和6年秋季の応用情報技術者試験、高度情報技術者試験で初登場した単語の解説です。

交差検証(Cross Validation)

登場した問題:point_down:

問2 AIにおける教師あり学習での交差検証に関する記述はどれか。

・ア 過学習を防ぐために、回帰モデルに複雑さを表すペナルティ項
を加え、訓練データへ過剰に適合しないようにモデルを調整する。
・イ 学習の精度を高めるために、複数の異なるアルゴリズムのモデルで学習し、学習の結果は組み合わせて評価する。
・ウ 学習モデルの汎化性能を高めるために、単一のモデルで関連する複数の課題を学習することによって、課題間に共通する要因を獲得する。
・エ 学習モデルの汎化性能を評価するために、データを複数のグループに分割し、一部を学習に残りを評価に使い、順にグループを入れ替えて学習と評価を繰り返す。

(出典:令和6年度秋季 応用情報技術者試験 午前問題 問2)

交差検証とは、教師あり学習を行う際に汎化性能を評価するためにデータを複数のグループに分割し、一部を学習に残りを評価に使い、順にグループを入れ替えて学習と評価を繰り返すことです。
ということで、問題の正解は「エ」です。

汎化性能とは、学習を終えたモデルが学習に使った入力データのみだけでなく未知の入力に対しても高い精度で判定を行えるかという性能のことです。
学習データとテストデータが全く同じだと、未知の入力に対しての性能である汎化性能を検証することができない為、学習を終えたモデルの検証には学習データとは別の検証データを用いるのが通常です。

学習データと検証データのセットを順番に入れ替えて学習と検証を繰り返す交差検証を行うことで、データの一部に過度に依存することを防ぐメリットがあります。

「ア」は、正則化の説明です。
「イ」は、アンサンブル学習の説明です。
「ウ」は、マルチタスク学習の説明です。

他の選択肢も今後の試験には登場する可能性が高いと思います。4つ一緒に覚えておきましょう。

量子超越性(Quantum Supremacy)

登場した問題:point_down:

問9 量子超越性(Quantum Supremacy)の説明として、適切なものはどれか

・ア 重ね合わせという現象を用いた量子暗号が、現在の暗号化方式よりもはるかに安全であること
・イ 従来のコンピュータが古典物理学に依拠する段階に留まっているのに比べて、量子コンピュータが量子力学に依拠して作られていること
・ウ 従来のコンピュータでは実用的な時間で処理することができない計算を、量子コンピュータでは高速に実行できること
・エ 同一の性能を実現した従来のコンピュータに比べて、量子コンピュータの物理的な大きさを圧倒的に小さくできること

(出典:令和6年度秋季 応用情報技術者試験 午前問題 問9)

量子超越性とは、従来のコンピュータでは実用的な時間で処理することができない計算を、量子コンピュータでは高速に実行できることです。正解は「ウ」です。

「ア」量子暗号についての説明です。
「イ」量子コンピュータ古典コンピュータの違いついての説明です。
「エ」は、量子超越性がコンピュータの大きさには関係ないことが分かっていれば除外できます。

ダーウィンの海

登場した問題:point_down:

問70 企業における研究、開発、事業化、そして産業化へとステージが移行する過程の中で、事業化から産業化に移行するときの、競合製品との競争過程にある障壁を何と呼ぶか。

・ア キャズム
・イ 死の谷
・ウ ダーウィンの海
・エ 魔の川

(出典:令和6年度秋季 応用情報技術者試験 午前問題 問70)

企業が新たな技術を産業化する際には、

  1. 研究
  2. 開発
  3. 事業化
  4. 産業化

四つのステップがあり、それぞれのステップの間には無駄にカッコいい名前の3つの障壁があります。

  1. 研究に次々投資しても本格的な開発を行うところまでいかず、投資したコストが泡のように消えてしまう 「魔の川」
  2. 開発に成功しても、事業化されないと研究よりさらに多くのコストを投入しているため失敗が企業にとって命取りになる 「死の谷」
  3. 事業化に成功して継続的な産業となるには、既存製品や競合製品との生存競争に淘汰されずに市場で生き残っていくことが求められる 「ダーウィンの海」

「キャズム」 とは、新製品が市場に浸透するまでの間にある大きな障害のことです。これは、必ずしも研究・開発を経て事業化された新製品でなくても当てはまる用語なので、この問題の回答としては不適切です。

参考文献

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