LoginSignup
4
0

More than 1 year has passed since last update.

5Gのサービスの仕様を読んでみよう MONASTERY 5G列車無線

Last updated at Posted at 2021-11-22

はじめに

本ドキュメントは通信業界アドベントカレンダー 2021 の2日目の記事として執筆したものです。
その他の記事はQiitaのアドベントカレンダーページからどうぞ!

こんにちは、かねがえと申します。電話サーバ―のアプリケーションの仕様書や標準を書いたり、開発を見積もったりしています。
電話のコンフォートゾーンからからはみ出るために、電話の周辺の3GPPに関する技術を勉強しています。

今回は3GPP Rel 16の「MONASTERY:Mobile Communication System for Railways」意訳すると列車向け無線システムについて調べてみました。
概要の後に、3GPPにおけるWID(Work Item Description)=各サービス(≒機能)に関する仕様検討のキックオフ的なもの。の読み方もおまけでつけておきます。

1. 概要

Mobile Communication System for Railways

##1.1. やりたいことと実現するシステム
欧州+韓国が5GやLTEで

  • ①列車の制御、
  • ②データ(車載の監視カメラ、VoDコンテンツ:飛行機の中で見る座席で見る映画のようなもの)
    無線通信したい(というか置き換え)要望に応えるもの。

通信事業者網内はMCPTTという、PUblic safety向け(警察無線みたいなもの)をLTEで実現するシステムを拡張する。具体的なれ社の自動運転方法とかは3GPPの仕様書には書いていない。残念。

image.png

##1.2. プロトコル
3GPPの仕様書にはいい感じの絵がなかったので、GSMAを探したらありました。
リアルタイムの通信は電話と一緒(SIP)、データはHTTP。

image.png

GSMA Mission Critical

##1.3. 仕様書相関図
Stage1は文章量はありませんでした、アーキテクチャや信号はMC(Mission Critical)の拡張。
image.png

#2 調べ方(調べ方も含め)
##2.1. WID(概要)を見る。
WID:Work Item Description 目的とか関連する仕様書が書いてあります。Google で「MONASTERY」で検索すると下記が出てきます。
WIDリンク
image.png

SP-170451を開くと、目的とか関連する仕様書がわかるので、仕様書を見ます。

背景:2G baseのシステムが2030年には廃止されそうなので、欧州のUICと韓国のTTAが新しいのを求めているらしい。
関連する仕様書:22.289, 22.280等

image.png

##2.2. 仕様書(TR/TS)を確認する。
WIDで調べたTR/TSを読みます。目次と参考文献を見て、重要そうな参考文献は同時に見ないと意味が分からなかったりします。3GPPの文書は1つ見ただけでは完結しないのが難しいところ。
 ググれば出てきます。3GPP TS 22.289
image.png

本当は見るバージョンも意識しないといけないのですが、とりあえず最新のを見ておきます。(17.0.0)。

目次を見ると、4章あたりに機能が書いてありそうです。
image.png

Reference(参考文献)を見ると、3GPPではないのが1つ混ざってます。[8]が欧州側で作った要求条件っぽいので、いったん離れてこちらをざっと見ます。

image.png

2.3. 参考文献を見る
UIC EIRENE: “Functional Requirements Specification Version 8.0.0”

UICって欧州以外も、Africa, Asia-Pacificも入っている大きな組織のようです。
image.png

ボリュームが多かったのでScopeだけ見ると、無線で、地上と電車間を音声とデータでつなぐ。乗務員、駅、depot staff、管理者・組織をつなぐ。Systemのようです。

image.png

##2.4. TS 22.289 列車無線の要件サマリー
Service requirements for Mobile Communication System for Railways
"3.1 Definitions"
CCTV:列車と駅の監視カメラ情報?
CCTV offload:駅にとまった際に、監視カメラ情報を電車から駅のストレージに送る。
"4.1 Bulk Transfer of CCTV archives from Train to Ground "
走行中に録画したデータを駅の停車中に送る
"4.2 Bulk transfer of multimedia from ground to train "
走行中にお客さんが見る動画(飛行機のVoD的なもの)を駅で一括ダウンロード
"4.3 Massive Inter-carriage data transfer "
客者間の通信 監視カメラのデータ、お客さんが見るマルチメディア、社内WiFi
"4.4 Coexistence of automated train control with other train applications"
train controlのデータを、passanger dataより優先度上げる。

##面白かった図表
駅間で録画して車内のストレージにためて、駅に停車中に転送する場合のデータ量の計算が書かれている。
ヘルシンキスタートなのがいい。
image.png

通信の種類ごとの要件(遅延や移動スピード)が書いてある
image.png

4
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
4
0