オープンソースの動画プレーヤーmpv
macOSで動作が軽い動画プレーヤーが欲しい、mp4だけでなくmkvやaviやwmvやflvや、果てはrmまで、あらゆるファイル形式の動画を簡単に再生できるMacのソフトない?と思ったときに、mpvというオープンソースの動画プレーヤーがあります。
ただ、mpvは基本はコマンドラインアプリなので、これをいわゆるGUIのmacOSアプリとして、特にAppleシリコンネイティブアプリとして使えるようにするにはいくつかの手順が必要。ここではその方法を自分なりにまとめてみたので紹介します。
こだわりがなければIINAがおすすめ
mpvの利用にはかなりのステップが必要なので、特にこだわりがなく簡単に利用したい場合には、mpvをベースにして動画プレーヤーとしての機能を充実させたIINAを使うのがおすすめです。
Intel版mpvならHomebrew caskで導入できる
また、Appleシリコンネイティブでなく、Intel版で良いのなら、mpvも簡単にインストールできます。
Homebrewが入っていない環境の場合は、まずはHomebrewを導入して、
導入できたら、以下のコマンドを入力
brew install --cask mpv
これだけで、アプリケーションフォルダにmpvがインストールされます。Intel版ですがAppleシリコンのMacでも動作はします。
なぜIINAではなくmpvが良いの?
軽い!
それだけです。mpvは動画再生に特化しており、動作が軽快です。キーボードの矢印キーで早送り早戻しが可能ですが、そのスピードがとにかく早い。mpvをベースにしているIINAも早いのですが、純正のmpvはさらに早い。
そう、早さが欲しいので、やはり面倒な手順を踏んででもAppleシリコンネイティブで動いて欲しいのです。
mpvをmacOSで利用する
ようやく本題。mpvをmacOSで、Appleシリコンネイティブで利用する手順です。
Homebrew導入
Homebrewが入っていない環境の場合は、まずはHomebrewを導入
Xcodeのインストール
mpvの作成(コンパイル)のためには、Xcodeが必要です。AppleのDeveloperサイトからダウンロードし、インストールするのが便利です。
Developerサイトへユーザー登録していない、ユーザー登録したくないという場合は、XcodeはAppStoreからダウンロードすることもできます。
Xcodeはインストールが終わったら一度起動してください。利用規約への同意が終わったら終了して構いません。
Homebrewのmpv.rbをコピー
以下のページのコードをコピーし、テキストファイルを作成し貼り付けます。保存するファイル名はなんでもいいですが、ここでは元と同じく「mpv.rb」として保存します。
mpv.rbを編集
このコードを見つけて
zsh_completion.install "etc/_mpv.zsh" => "_mpv"
その下にコードを追加
zsh_completion.install "etc/_mpv.zsh" => "_mpv"
# ここから追加
system "python3", "TOOLS/osxbundle.py", "build/mpv", "--skip-deps"
prefix.install "build/mpv.app"
# ここまで追加
end
※こちらを参考にしています
追加ができたらmpv.rbを保存します。
mpvの作成
「ターミナル」にコマンドを入力
brew install --HEAD
「ターミナル」画面に、保存した [mpv.rb] ファイルをドラッグ
brew install --HEAD /Users/username/Desktop/mpv.rb
[Enter] キーで実行します。
作成されたmpvはどこにある?
作成が終了すると、このような表示があるはずです。
🍺 /opt/homebrew/Cellar/mpv/HEAD-98a27b3: 42 files, 16.1MB, built in 20 seconds
パスの部分をコピーして、Finderのメニューから [移動] - [フォルダへ移動...]
パスを貼り付けて [Enter] キー。
必要に応じて、アプリケーションフォルダにコピーしたり、Dockに追加すると良いでしょう。
mpvの削除
削除するときのコマンドです。最新版で作成し直したいときは、先に削除します。
brew rm -f mpv
mpvの早送り早戻し
[→][←]キーで5秒シーク
[↑][↓]キーで1分シークです。
シークの早さとキーボードで動画操作できる快適性をぜひ実感してください。
mpvのマニュアル
英語ですが公式マニュアルはこちらです。