はじめに
Illustrator2024、Photoshop2024はもう使用されましたか?
新しい技術がどんどん搭載され使いやすさが上がっているように思います。
各新機能をまとめた記事になります。
Illustrator2024からの機能
各機能はベータ版のため、正式に搭載されたらもっと精度が上がると思われます。
モックアップの作成
実際に近いイメージが欲しいけど見つからない…そんな苦労をしなくても済むようになりそうです!
★初回起動時にモックアップデータのダウンロードが必要になります。
まずモックアップをはめてみたいオブジェクトを用意して…
1. オブジェクト > モックアップ >作成
2. 「モックアップ」ボタンを押す
モックアップのパネルが出てくるので、赤枠の「モックアップ」ボタンを押します。
少し時間がかかりますが、パネル内で簡易的なイメージが作成されます。
モックアップのベース自体はAdobeストックから連携しているため、実際に使用する際はライセンス購入が必要になります。
3.「カンバス上で編集」ボタンを押す
イラレ上で編集したいときは赤枠の「カンバス上で編集」のボタンを押すとサイズや位置の調整ができるようになります。
サイズを変えたり、数を増やしたりなどの調整ができるので従来のモックアップよりも柔軟に作業ができます。
画像データからのテキスト編集
データ編集の際元データがない場合や、アウトライン前データがない時に役立ちそうです!
★初回起動時に編集データのダウンロードが必要になります。
1. 書式 > Retype(beta)
2. 編集データをインストール
パネルに候補になるフォントが表示されるので、赤枠の編集データをインストールします。
Retype(beta)パネル内に元フォントとデザインが類似している順に、10件の一致するフォントが候補として表示されます。
候補としてあげられるフォントは、Adobe Fontsとシステムフォントの両方からの検索がデフォルトで有効になっています。
候補のリストは、フォントフィルターで選択できるようになっています。
3. 使いたいフォントを選んだら、画像の方をダブルクリック
まだ日本語は無理そうでしたが、正式リリースの際に使用可能になると嬉しい機能ですね!
もし可能になったら応用範囲が一気に広がりそうです。
Photoshop2024からの機能
昨今、ChatGPTやルンバのようなお掃除ロボット、自動車の自動運転といったようにAIが浸透し身近なものになってきました。
そんな中ついにPhotoshopにもその波が到達しました!
★こちらは正式リリースになります。
生成塗りつぶしと生成拡張
Photoshop2024から実装された生成AIは、AdobeのAI技術(Firefly)を駆使し、画像内容を壊すことなく編集していくことができる機能です。
この機能で背景をまるごと別物に差し替えたり、画像内に自由にオブジェクトを挿入できるため画像編集がとっても楽になります!
★初回起動時にAdobeアプリの生成AIの許可を求められます。
生成塗りつぶしの使い方
1. 生成したい範囲を選択する
2.コンテキストタスクバー(右クリックや編集からも可)から「生成塗りつぶし」を選択
3.テキストで生成したい内容を入れる
日本語でも使えるので今までよりも使いやすくなりました!
単語でも文章でもどちらも対応しています。また空白で生成すると自然に塗りつぶせます。
今回は「イルカ」を生成してみます。
4.画像が3パターンで生成!
生成ボタンをクリックすると入力した内容に応じて画像が生成されます。
入力スペース横の矢印箇所をおすことで生成されたパターンを切り替えることが可能です。
一回に3パターンの生成ができ、他のパターンを見たい場合は再度「生成」を押せば追加生成も可能です。
5.生成画像は別レイヤーとして追加
生成された画像は新しいレイヤーとして新規追加されます。
元になる画像に直接編集されないので、データ管理が楽にできそうですね!
生成レイヤーに直接編集したい場合はラスタライズが必要になります。
生成拡張で背景を拡張する
1.トリミングツールで画像の範囲を広げる
2.選択ツールで範囲を選択
塗りつぶしの範囲を選択後、生成塗りつぶしを選択。
プロンプトの入力をせず「生成」をクリックします。
3.選択範囲を埋めた画像が完成!
似た機能で「コンテンツに応じた塗りつぶし」がありますが、建物の見えない箇所や複雑な画像にはうまく適用されませんでした。
しかし生成AIによって複雑な背景でも画像の範囲を拡張ができ、縦横比の変更などが簡単にできるようになります!
生成塗りつぶしでいらないものを消す
背景が複雑な画像から、いらないものを消すのは簡単じゃなかったことは過去になりそうです。
下記の反転している影と柱を消してみます。
「コンテンツに応じた塗りつぶし」だと、消した痕跡が残ってしまったりしてうまく消すのは難しかったですよね。
選択ツールで消したいものを囲み、ボタンを押すだけ!
正確に消したい場合はパスで囲むほうがより精度が高まりますが、「なげなわツール」などで簡単に、ざっくりと囲んでも大きな影響なく消すことができます。
囲んだらプロンプトはなしで、「生成塗りつぶし」を押します。
影だけでなく柱もさくっと削除ができます。
映り込みを消すことは従来だと手間がかかる工程の一つでしたが、ボタン一つで簡単にできるように!
ざっくり囲んで、生成塗りつぶしを選択するだけで最初からなかったようにすることができました。
選択範囲をパスで取らなくても、不要な箇所だけをAIが認識して消し、後ろに隠れていたものを生成して補完してくれるのがこの機能のすごいところだとわかります。
正式搭載により商用利用も可能に
ベータ版では禁止になっていた商用利用ですが、正式に搭載されたことより可能になりました。
また生成AIを商用利用する際にグレーゾーンだった、生成AIの学習に使用されている画像の透明性も比較的担保されているようです。
もちろん実際に使用する上で気をつけるに越したことはないのですが、以前よりも安全に使用可能になったといえるのではないかと思います。
責任及び透明性の基準を設定
生成塗りつぶし、生成拡張機能はAdobeの生成AI技術「Firefly」を利用しており、FireflyはAdobeストックで管理されている画像を学習してAIを生み出せるようになっています。
またPhotoshopで生成された画像には「コンテンツ認証情報」が自動的に付与されることから、Fireflyの技術によって作成されたものかがわかるようになっています。
下記のサイトにアクセスすると、書き出された画像の情報が確認できるようになっています。
Verify(ベリファイ)
画像をドラッグ&ドロップするとAIツールの使用の有無、使用したツール、なんのアプリで作成されたかがわかります。
コンテンツ認証情報の追加
個人の特定ができない下記の情報が作成したコンテンツに含まれるようになります。
- 出力サムネール:出力の視覚的なサムネール。Firefly webアプリで「テキストから画像生成」機能を使用して生成された出力にのみ表示されます。
- 発行者:Adobe Inc.(コンテンツ認証情報の発行を担当する組織)
- コンテンツの概要:素材の作成でAdobe生成AIが使用されたという告知
- 使用されたアプリまたはデバイス:素材の作成に使用されたAdobeソフトウェアアプリケーションまたはハードウェアデバイス
- 使用されたAIツール:使用されたAdobe生成AIツール
- アクション:素材を作成するために実行された一般的な編集および処理アクション。Adobe Firefly の機能で生成された素材については、「作成日」または「その他の編集」アクションのみが表示されます。
コンテンツ認証情報に含まれない内容
コンテンツ認証情報を有効にしていない場合などでは下記の情報は含まれません。
- 出力サムネール:出力の視覚的なサムネール(Firefly web アプリで「テキストから画像生成」機能を使用して生成されたわけではない場合)
- 構成要素:最終的な素材を作成するために使用された他の素材のサムネールプレビュー。
- 既存のコンテンツ認証情報への接続:素材またはその構成要素に関連付けられている既存のコンテンツ認証情報への接続。
生成塗りつぶしのメリット
今回使用してよいなと思った点を挙げると以下になります。
-
画像生成スピードが早い
-
日本語対応で単語を入れるだけで簡単に使える
→単語一つでも、イメージを文章にしてもどちらでも合わせた生成が可能。
具体的なイメージが思い浮かばない場合でも簡単に画像生成を行うことができます。 -
元データに直接編集しないで済む
→生成画像を新規レイヤーとして生成してくれるので非破壊編集が可能
また一般的に画像生成はとても重たく、パソコンに負荷がかかりがちです。
しかし生成塗りつぶしはクラウド処理を行うため、負荷が少なく使用できます。
まとめ
今まで素材探しに時間がかかっていたり、はめ込むのが難しいものもあったモックアップや、複雑な画像だとやりにくかった塗りつぶしが2024年版になりとってもやりやすくなりました!
また今まで日本語対応がいまいちなイメージがありましたが、生成塗りつぶしは日本語対応によって使いやすさがアップし、またアドビストックから学習していることによってより安全に生成AIが使用できるようになりました。
商用利用の上で使用判断する際は注意しつつ、うまく共存していけるように使いこなしていけたらと思います。
Retypeのほうも日本語での検索が正式リリースの際に可能になっていることを期待したいです!
参照、参考
Illustratorの新機能
【AI機能】PhotoshopのAI画像生成機能の使い方【Generative Fill/生成塗りつぶし】
【3選】Photoshopの生成AIの使い方まとめ~初心者向け~
Photoshop の新機能
Adobe Firefly で生成された素材のコンテンツ認証情報