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RaspberryPi 4 Model B の消費電流の測定(平均値、最大値)

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#1. はじめに
RasspberryPi 4 では、プロセッサの処理能力向上により、以前の RaspberryPi より消費電流が大きくなっています。
公式 AC アダプタ は、定格 5.1V 3A です。

実際どれくらいの数字なのか、消費電流を計ってみました。
動作中のピーク電流値も知りたいので、AC 対応の電流プローブで測定しています。

#2. 使用環境

  1. Raspberry Pi 4 Model B (8GB) - Element14 版、2021/10 頃の購入品
  2. Raspberry Pi OS (2021-05-07 Release 版)
  3. Raspberry Pi Camera V2.1
  4. HDMI 入力のディスプレイ、USBキーボード、USBマウス、USB3.0メモリ(16GB)、LAN(Gbハブに接続)
  5. USB AC アダプタ (ダイソー 3.4A 出力、USB 2口タイプ)
  6. USB 電源ケーブル1 (A オス - Type-C) 自作 0.5m2 (AWG 20 相当) 1m
  7. USB 電源ケーブル2 (A オス - Type-C) ダイソー USB-C 側 L 字タイプ 1m
  8. 電源(HP E3632A)
  9. オシロスコープ(Agilent MSO6104)
  10. 電流プローブ(Agilent 1147A)
  11. 電子負荷(富士通 EUL-75JL)
  12. テスタ

#3. ハードウェアの準備

RaspberryPi の CPU 熱対策のため、放熱板(14 x 14mm、高さ 8mm)を貼り付けておきます。

まず、

E3632A 電源 - (電流プローブ) - 電子負荷

と接続して、0.1A, 1A, 3A, 5A でそれぞれ

・電源の表示電流値
・オシロの電流リードアウト値
・電子負荷の表示電流値

が、概ね一致することを確認します。
(各表示値のバラつきは、±10% 以内に収まります)

1147A 電流プローブはくたびれていて、ゼロ調整で 0mA まで調整することができません。
オフセットが -100mA 程度残りますので、オシロスコープのリードアウト値に +100mA した値が実際の値になります。

1.jpg

RasPi には、CPU に負荷をかけるため、stress コマンドをインストールしておきます。

sudo apt-get install stress

#4. 負荷テストの内容

stress -c 4 --vm 4 --vm-bytes 1024M

として、CPU を 4 つ回します。
これでデスクトップ右上の CPU 負荷表示がほぼ 100% に張り付きます。

裏で、

raspivid -t 0 -w 1920 -h 1080 -fps 30 -p 0,0,320,180 -b 500000 -o ->null

として H.264 エンコーダを回します。
カメラ画面が、小さく左上に表示されます。

その状態で、標準でインストールされているゲーム "Soccer" をプレイします。

#5. 消費電流の測定
ダイソー AC アダプタと、自作 USB 電源ケーブル1 を使用します。
6.jpg

2.jpg

負荷をかけた状態で、Soccer をしばらく遊んだ後、測定値は下記のようになりました。
室温22℃に対して、プロセッサ温度は74℃になっています。
ダイソー AC アダプタは、触っていられる温度で発熱しています(体感 45℃ 前後?)

3.png

測定された消費電流値は、
4.png

最大 1.86A + 100mA = 1.96A
平均 960mA + 100mA = 1.06A

でした。

#6. 電圧降下について
ダイソー AC アダプタの出力端での測定電圧は 5.12V でした。

自作 USB 電源ケーブルで供給して、RasPi 側の GPIO の 5V 端子で計った電圧は 5.01V になっていました。
自作 USB 電源ケーブルでは 0.11V の電圧降下が起きていました。

ケーブルをダイソーの片側 L 字ケーブルに交換してみると、RasPi 側の電圧は 4.85V 前後になりました。
ダイソー USB ケーブルでは 0.27V の電圧降下が起きています。動作は問題無いようでした。
5.jpg

このケーブルは大電流対応していないので、電圧降下が大きいです。
とはいえ、L字で柔らかく、ナイロン外装で使い勝手が良いので、普段使いのお気に入りです。

#7. まとめ
Raspberry Pi 4 Model B (8GB) の通常動作範囲で、負荷 100% 動作時の +5V 電源消費電流は、平均 1A 前後、ピーク約 2A でした。

思っていたよりも、消費電流は少ないようです。
負荷率を考慮すると、連続 3A 出力の AC アダプタは妥当なところです。

ケーブルで電圧降下が起こりますので、できるだけ太い USB 電源ケーブルで接続するのが良いです。
(公式 AC アダプタは AWG18 なので 0.75m2 相当あり、今回使用した自作ケーブル 0.5m2 よりも太いです)

RaspberryPi に USB や GPIO で外部デバイスを接続する場合、その消費電流が追加されます。
利用状況に合わせて、電源への配慮が必要と思います。

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