本記事ではIT知識ほぼゼロ、未経験の状態からCCNA試験に合格するまでの記録を記しています。
あくまで個人の備忘録としての勉強記録ではありますが、ご覧になった方のお役に立てる部分があれば幸いです。
基礎情報
CCNAはネットワーク機器で圧倒的なシェアを持つ、CiscoSystems社が主催している試験で、いわゆるベンダー試験と言われるものです。
Cisco社独自機器に関する問題も多数出題されますが、ネットワーク全般に関する知識を問われる問題が多く、学習することでネットワークの基礎的な内容を学ぶことができます。
そのような点から、インフラエンジニアの登竜門と呼ばれる資格となっています。
詳細はこちらにわかりやすく紹介されていましたのでご覧ください。
今回私はインフラエンジニアへのキャリアチェンジを目指していたので、まずはネットワーク全般についての知識をつけたいと思い、CCNAを受験しました。
学習期間
約2ヶ月程です。
現在私は離職中でほぼ1日中学習することができたの、集中して試験勉強を行うことができました。
1日4~5時間は学習に充てられていたので、総学習時間はおよそ240~300時間程度かと思われます。
使用したテキスト
- 1週間でCCNAの基礎が学べる本
- ストーリーで学ぶネットワークの基本
- CCNA白本
前2冊のテキストは、CCNA対策というよりはネットワークの全体的な概要を把握するために使用しました。
CCNA白本はボリュームがかなり多いので、隅から隅まで全てを学習するというよりも、後述するPing-tの問題集を進める上で、逆引き辞典のような形で使用しました。
使用したサイト
- ウズウズカレッジ(CCNA講座)
- Ping-t
ウズカレ動画は有料(9000円)ですが、非常にわかりやすくCCNAの試験範囲の講義を受けることができます。
やはり動画ですと頭に入りやすく、記憶としても定着しやすい点がメリットかと思います。
Ping-tはIT系資格試験の問題集が非常に多く収録されており、CCNAではおよそ半分程の問題は無料で取り組むことができます。ただ試験対策として完璧に取り組むためには、やはりプレミアム会員(有料)となり、全ての分野の問題に取り組むことが望ましいです。
学習方法
全体を通した学習方法として、全体像をつかむ→個別具体的な内容を詰めていく、ということを意識して学習を進めていきました。
①全体像を掴む
まず、「1週間でCCNAの基礎が学べる本」「ストーリーで学ぶネットワークの基本」を一通り読み、 "ネットワークとは"、という点についてなんとなくで構わないので概要を理解しました。全くの未経験初心者の状態から学習をスタートしたので、これらの本を読むのにも結構時間がかかりました。
その後ウズウズカレッジのCCNA講座動画を最後まで視聴しました。こちらもまずは全体像をしっかりと理解するということを意識して視聴していました。
ウズカレ動画はペースが早く、分量も多いので、一つ一つの分野が完璧に理解できるまで学習するのではなく、半分くらい理解したら次に進むくらいのイメージで大丈夫だと思います。なお、動画のパケトレ編は余裕があったらで大丈夫かと思います。もちろんパケットトレーサーで実際に手を動かしてネットワーク構築を行なった方が理解度は深まるのは間違いないのですが、実際の試験ではネットワーク構築やコマンド入力といった問題はないため、時間に余裕のない方はカットしてしまっても十分合格レベルには到達できるかと思います。
2冊の基礎書籍読破、そしてCCNA講義動画の視聴で、ネットワークとはどういうものか、そしてCCNA試験の全体像を掴めたかと思います。
②個別具体的な内容を詰めていく
全体像を掴んだ後は、アウトプットを織り交ぜながら個別具体的な内容を詰めていきました。
私が実施した方法としては、ウズカレ動画にて対象とする単元の動画を再視聴し、その後Ping-tで対象分野の問題を解く、というものです。
ウズカレ動画でインプットを深め、Ping-tでアウトプットを行い知識を定着させていくのです。この流れを全分野に渡って実施しました。
ウズカレ動画は一度視聴しているのでなんとなく内容は記憶しているかと思うので、この時の学習フェーズでは1.5倍速で動画視聴を行いました。
動画視聴後にPing-tの問題を解くことでアウトプットをすることができ、単に動画を視聴しただけの1度目よりも格段に内容を理解して知識の定着を図ることができるはずです。
この時の注意点としては、確実に理屈を理解して回答することができた問題のみ回答し、全くわからない問題は回答せずに、ミスに分類されるようにすることです。これは、この後の繰り返しアウトプットの際に、理解していない問題をしっかりと抽出するための対応です。仮に当てずっぽうで回答して正解してしまうと、Ping-tのシステム上ヒット(正解)に分類されてどの問題を理解していないかわからなくなってしまうので、不回答としてミスに分類されるようにしましょう。
③問題を繰り返して知識を定着させる
全ての分野の動画視聴(2回目)が終了したら、後はひたすらPing-tで問題を解いていきました。
ここまでくれば、かなりの知識が定着しているはずです。
Ping-tのCCNA分野の問題は1000問以上あり膨大です。そのため、問題集に取り組む際には10問単位で回答すると、集中力も継続して良いかと思います。
また、問題を解く上で不明点は解説や白本の該当箇所を確認し、理屈がしっかりと定着するように意識しました。このように各問題で解説までしっかりと確認すると、10問ずつでも結構時間がかかってしまいます。
まずは全問ヒット(正解)にすることを目標に取り組み、それが達成できたらPing-tの模試モードに進んでいきました。
毎日模試を解いて、安定して9割前後が取れるようになったタイミングで試験の申し込みを行いました。
最終的に全問コンボとなるように学習を進めていましたが、スケジュールの都合上道半ばで終了しました。
④学習する際のポイント
- 多少わからないところがあっても先へ進める 完璧主義は捨てて、とりあえずどんどん進めることを意識すると良いと思います。
- 丸暗記ではなく理屈を理解する Ping-tはとても良質な問題ばかりでしたが、実際の試験では問題文の言い回しや雰囲気が大きく異なっていました。
- 毎日継続する CCNAの試験範囲は広く、また覚える内容も非常に多かったです。
前に進んでいる感覚を得ることは精神衛生上も良いです。CCNAは試験範囲が広いため、学習中に適度な達成感を得ることができないと中々学習を継続することが難しい試験だと感じました。そのような意味でも、多少わからない部分があってもとりあえずページや動画を進めていくことは学習を進める上で重要だと思います。
また、CCNAの試験範囲は大きく6つの分野に分かれていますが、ネットワークという分野は全て密接に関係しているので、わからなかった部分も学習を進めていくうちに、点と点が線で繋がるようにわかるようになります。
そのため、Ping-tの問題や答えを丸暗記しただけではおそらく合格することは難しいかと思われます。
なぜそのような答えになるのか、間違えとなった各選択肢はどういった点が間違ってるのか、つまりは原理原則や理屈をしっかりと理解しなければ合格することができない試験であると感じました。
そのためにも、丸暗記ではなくしっかりと原理原則や理屈を理解すること、そしてPing-tではそれぞれの選択肢の正誤についての解説を熟読することが重要だと思います。
特に私はIT知識ゼロ、実務未経験の状態から学習を始めたため、知識を定着させるのに非常に苦労しました。そのような方の場合、中々一朝一夕で知識を身につけて合格することは難しいです。
そのため、毎日地道に少しの時間でも勉強し、少しずつ身につけていくことが合格への近道だと感じました。
確かにCCNAは試験範囲が広く、難易度も簡単ではない試験ではありますが、地道にコツコツと積み重ねていけば必ず合格できる試験でもあると思います。
試験結果
Network Fundamentals:75%Network Access:75%
IP Connectivity:88%
IP Services:90%
Security Fundamentals:80%
Automation and Programmability:80%
→合格です
細かい得点までは公表されていませんでしたが、単純計算で合計81%程です。
CCNAは約75%程の正解率で合格と言われているので、多少余裕のある得点での合格という結果となりました。
試験の感想
受験しての感想は、「Ping-tとは違う」そして「思ったより難しかった」というものでした。①Ping-tとは違う
実際の試験問題は、Ping-tの問題とは言い回しや雰囲気が大きく異なっていました。
元が英語の問題を訳しているせいなのか、何を求めているのか、ポイントは何かという点が不明瞭な問題が数多くありました。
しかし、キーとなるフレーズはウズカレ動画やPing-tで学習してきたものが多いので、落ち着いてしっかりと問題文や図を読むことでちゃんと回答することはできると思います。
②思っていたよりも難しかった
上述したPing-tとの違いを感じ、自信のない問題が多かったこともあり、思っていたよりもかなり難しく感じました。
しかし、確実に合っていると感じた問題も多数あったので、合格するためにはそのような問題をしっかりと取りこぼさないことが重要だと思います。
また、いくら学習してもわからないような問題は必ずあるので、そのような問題はある意味思い切って捨てて、確実に解ける問題に時間を費やすことも大切だと思います。
最後に
上述の通り、Ping-tの問題集とは言い回しや雰囲気が大きく異なるので、単純な丸暗記ではおそらく太刀打ちできません。
しかし、これは裏を返せば合格者はしっかりと理屈を理解することができているということなので、ネットワークに関する知識を測るという意味では非常に良い試験だと感じました。
IT知識ほぼゼロの状態からの挑戦で、最初はテキストの分厚さに圧倒されて、動画を見てもわからないことだらけで不安ばかりが先行するスタートでしたが、自分を信じて地道に取り組むことで見事合格をすることができました。
確かに簡単な試験ではありませんでしたが、地道に少しずつ学習を重ねることで確実に知識は身に付き、合格へ近づいているはずです。現在学習されている方がもしご覧になっていましたら、自分を信じて諦めずに頑張ってください。
以上、IT知識ゼロ実務未経験からCCNAに合格するまでの道のりでした。お役に立てば幸いです。