NECのIXシリーズは高機能で性能もよく、ヤフオクなどで中古品を買われる方も多いかと思います。
しかし、中古で購入した場合にALMランプが点灯していて、起動時にNVRAM TEST: Fail
が表示されている機種がまれによくあります。
このようになる原因の多くが、(多分)内部のICのデータを保持するための電池が少なくなっている場合に発生するようです。
しかし、その電池はAmazonなどで入手できるとはいえ、1000円〜と地味にいい値段がします。(M4T28-BR12SH1とかSNAPHATで検索すると見つかります)
私の場合もヤフオクで500円で買ったIX2005で電池が切れていたのですが本体より高い電池を買うことに抵抗があったため、どうにかならないかと試した結果うまく行ったので、備忘録として残します。
結論
先に結論から書くと、3Vのコイン形リチウム電池を繋げばNVRAM TEST: Pass
になりました。
使われている電池について
新しいIXシリーズはまた違うらしいですが、IX2005やIX2105など古い機種にはM4T28-BR12SH1
が使われています。
これについて検索すると、データシートが手に入るのですが、内部的には片側の2本には水晶発信子でもう片側には電池が接続されて2.8Vが供給されているような図や表が書かれています。
また、下の方の表を見ると「BR1225, 3 V, 48 mAh」の記述もあり、BR1225について調べるとただのコイン型リチウム電池であることがわかります。
https://www.st.com/ja/clocks-and-timers/m4t28-br12sh.html
つまり、片側の端子にコイン型リチウム電池をつなぎさえすれば、使えそうな感じがしてきます。
電池をつなぐ
本当はM4T28-BR12SH1を分解して電池だけ交換すればいいのでしょうけれど、これを分解するのはちょっと無理そうでした。
そこで、端子部分にリード線をつなぎ、外側から電源を供給する作戦にします。
データシート通りにBR1225を使えばいいのですが、電子工作でよく使われるCR2032のほうが入手性もよく、電池BOXもAmazonでたくさんあって選べるので今回はCR2032を使うことにします。容量も多いですしね(※ 多分BR1225でも10年近く持つと思うので過剰な容量にはなると思います)
接続はM4T28-BR12SH1
のpinをペンチで折り、ソケットにリード線を差し込んでカプトンテープで絶縁し、M4T28-BR12SH1
で上から押し込む感じでうまく行きました。
備考
電池交換してすぐはALMランプが消えずNVRAM TEST: Fail
のままでした。
失敗したのかと思い、ntpの設定を試すなどしていたらそのうちALMランプが消えNVRAM TEST: Pass
するようになりました。少し時間がかかるのかもしれません。
また、ネットで電池交換のやり方などを検索すると、電源をいれっぱなしにしてやらないとデータが消えることがあるなどの記述がありました。
が、私は感電のほうが怖いので電源を抜いて作業しましたが、データは消えませんでした。(自己責任)