はじめに
本記事では、UI・UXデザイン方面でつよつよになりたい筆者が、UI・UXデザインに取り組んでいくなかで身に染みて感じたことを書いています。
今回は番外編です。UI/UXというよりは、印刷物に利用するデザインの話になります。
デザインに興味がある、ということで、ポスターやノベルティなどのデザインを請け負う機会を時折いただくことがあります。これらは印刷会社への入稿が必要なデザインになります。
今回は、入稿が必要なデザインを作成するうえで学んだことを少し紹介しようと思います。
裁ち落とし(裁ち切り・塗り足し)って何?
印刷物は一般的に、出来上がりのサイズより少し大きめの用紙に印刷して、まとまった枚数を機械で一気に断裁して目的のサイズにします。
そのため、本来の仕上がり位置とは若干ズレた位置で断裁されてしまうことが起こり得ます。
裁ち落としは、そのズレを吸収するために仕上がりサイズよりも外側に用意しておく、予備の領域のことです。一般的には、仕上がりのサイズの外側に3mm程度用意します。
基本的には断裁で切り落とされますが、背景色がある印刷物などでは、ズレが発生したときにデザインが破綻しないためにその裁ち落としの範囲まで背景色を塗っておく必要があります。
ところで、外側にズレることがあるということは、内側にズレることも起きると思いませんか?
印刷のセーフティーゾーンについて
断裁のズレによって文字やデザインが切れてしまうことを防ぐために、切れてはならない文字やデザインは仕上がり位置よりもある程度内側に配置します。
範囲については印刷会社にもよりますが、裁ち落としと同様に3mm程度のことが多いようです。
裁ち落としと仕上がり位置、セーフティーゾーンの関係は以下の画像のようなイメージです。
黒い線を仕上がり位置として、赤い範囲が裁ち落とし、青い破線の内側がセーフティーゾーンです。
背景色のあるデザインなので、赤い範囲(裁ち落とし)までデザインする必要があります。
そして、青い破線よりも内側に、切れてほしくないデザインは配置する必要があります。
このようにすることで、断裁の都合で多少ズレが発生しても、出来上がりのデザインが破綻しないようになります。
裁ち落としやセーフティーゾーンの大きさは作る印刷物にもよるため、依頼する印刷会社のガイドラインに沿って適切に対応することが大事です。
さいごに
今回の記事は印刷に関わる知識で、アプリケーションのUI/UXからは少し離れた内容にはなります。
しかし、例えば制作物が製品紹介のポスターであれば、そのポスターを見た人が製品に興味を持って買ってくれることにつながるかもしれません。
それはまさしく、ユーザーが受け取る一連のUXにおける最初の一歩の部分だと思います。
せっかくのポスターが文字切れしていたり、端が塗り残されて白くなっていたりしたら、その「最初の一歩」の機会を失ってしまうかもしれません。
アプリケーション開発においては縁遠く感じる話かもしれませんが、知っておいて損はないかも……?