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LITALICO EngineersAdvent Calendar 2020

Day 24

プロダクト開発に関わる全員に薦めたい本を100冊前後(8カテゴリ×3難易度)でまとめた(2022年10月更新)

Last updated at Posted at 2020-12-23

はじめに

LITALICOの亀田( @kamesennin ) です。エンジニアです。
技術を軸足として、プロダクト開発や組織マネジメントを中心に、ビジョンのために何でもやります。

LITALICO Engineers Advent Calendar 2020 の24日目の記事です。

読書が一番の趣味で、漫画も1冊と換算すれば、ここ数年は500-1,000冊/年で触れています。(速攻終える本もあります)

今まで10を超えるプロダクトに関わり、エンジニア組織はほぼ0から200名近くに拡大する流れを見てきた中でも、いろいろな本を読んできました。

読書とは「先人の知恵・経験を体系的に知り、その上でPDCAを回すため(歴史で証明された仮説検証を再び行わなくて済む & 仮説の精度があがる)、成果の創出に非常に効率的な投資」と考えています。漫画は内省と息抜きに最適です。

何を書いたか

「プロダクト開発」に必要な仕事をざっくり8つにカテゴライズし、其々インプットに最適だと考える本を、過去読んだ数千冊から選抜し、まとめました。

誰が読むと良いか

役割問わず、プロダクト開発に関わる人全般(エンジニアも、エンジニア以外も)

なぜ書こうと思ったか

多くのプロダクト開発はエンジニア、デザイナー、ディレクター、マーケター、エディター、カスタマーサクセス、セールス、プロダクトマネージャー、事業企画、事業部長など様々な専門家が集まって作られます。

グローバル化やインターネットの発展、最近ではオンライン学習やノーコードでの開発、OneToOneコミュニケーションすら実現するアプリケーションも出てきて、モノづくりや学習コストのハードルがどんどん下がってきた結果、いろんなモノや似たモノで溢れ、顧客が求める体験もリッチに、特定の課題を的確につく尖った価値を生み出す必要があります。

そんな中、各専門家が領域をまたいでプロダクト開発全般に関わるベースの知識を持ち、その上で自分の担当領域で何が出来るかを考え、顧客体験がどうあるべきかを議論することが求められると考えています。関わるプロダクトのドメイン知識・顧客像は当然全員が高いレベルで押さえるべきです。

例えばエンジニアも、利益の出し方、コスト感覚、世の中の流れ、顧客の心、戦略策定(選択と集中)、問題解決能力、リスクマネジメント、データ活用などなどを知らなければ、スピーディに適切な判断も出来ず、価値あるプロダクトの創出が難しくなってきているのではと感じます。

もちろん時間も限られているため、大前提は自らの軸となる専門性を高めること。その上で、今の仕事に照らしてちょっとずらした専門性を学ぶだけでも、観点が拡がることによる発想力・コミュニケーション円滑活性化による成果へのインパクト向上は非常に大きいと考えています。

といった背景から、日々の組織マネジメント上も、限られた時間の中で周辺領域の知識をどうインストールするかを考えています。その一つの手段として「本を薦める」ことが多いのですが、毎度ざっくりとしたメモから思い出しベースで伝えており、いつかまとめよう...と考えて数年が立ちました。

さらに「プロダクト開発をすすめる中で、何を学ぶべきか」を読書リストという形で網羅的に整理された情報源もそこまでないため、一定の価値があると判断し、アドベントカレンダーを機にまとめようと決めました。

何を書くのか

プロダクト開発に必要な前提知識を「カテゴリ」として分解し、各カテゴリごとにベストだと思う本を「難易度」ごとに紹介します

カテゴリ

  1. 思想・自己理解
    • どういう内容か
      • 良いモノを作るために持つべき思想、自己理解やキャリアを考える
    • なぜ必要か
      • 良いモノを作るには自らが継続的に心身ともに健康であり続ける必要があるtまえ
      • 思想の方向性、持つ志の大きさによって生まれるプロダクトの価値、社会への貢献性の高さは後になるほど大きく変わるため
  2. 経営
    • どういう内容か
      • 経営とはどういう考え方でされているのかを知る
    • なぜ必要か
      • 経営は何を重視して判断されるのかを知るべき
      • 経営の大きな判断や戦略に従って、プロダクトの方針も影響を受ける、よってその観点を知ることでプロダクト開発の優先度がより的確につけられるため
      • プロダクト開発側から経営により最適なアプローチを提案していける(していくべき)ため
  3. 戦略
    • どういう内容か
      • 適切な戦略の立て方について知る
    • なぜ必要か
      • ビジネス上何をするにしても、特にすべきことが無限に出てくるプロダクト開発においては選択と集中をして限られた資源で成果を出すことが求められるため
  4. トレンド
    • どういう内容か
      • 過去~未来のマクロトレンド、未来予測について知る
    • なぜ必要か
      • ビジネスの前提・影響を受けるマクロトレンド、世の中のルールを知らねば的確な判断は出来ないため
  5. 問題解決
    • どういう内容か
      • ビジョン・目標・戦略を実現するために総じて必要な問題解決力を中心に知る
    • なぜ必要か
      • 問題解決力 = 目標と現状のギャップを埋める力と定義し、そのベースとなる力がなければ他の専門性も宝の持ち腐れになるため
  6. 組織・マネジメント
    • どういう内容か
      • どう組織を推進するか、良い組織を作るかについて知る
    • なぜ必要か
      • 一人では偉大なものは作れない、チームで一丸となって向かうからそ大きなことを成し遂げられるため
  7. モノづくり
    • どういう内容か
      • 上記を前提に各プロダクト開発に必要な専門性を知る
    • なぜ必要か
      • 良いものを作るには高い専門性が必要な場合が多いため
      • 自分の得意・不得意・好き・嫌い領域を知るためにも一定知っておくと良い
  8. BizDev
    • どういう内容か
      • 財務、セールス、カスタマーサクセスなどプロダクトを届ける、支える部分を知る
    • なぜ必要か
      • モノは顧客に届いて継続的に使ってもらってこその価値、どう届けて売るかまでプロダクト側がイメージして作ることで、より継続性のあるモノが生み出せるため

※ 改めて、カテゴリーの選定理由を文章にすると「まず自分が健康的に働けることを第一に、会社の大事にしていることと世の中の流れを知ってあるべきを描き、組織で一丸となって、問題解決能力とモノづくりの専門性で必要な顧客体験を生み出し、それを必要な顧客に届け、継続のために利益を出す、がプロダクト開発に総じて重要」だと考えているからです。

難易度

  • Level1. その領域のことを知らなくてもさっと読めて土台の雰囲気がつかめる
  • Level2. ちょっとパワーはいるが専門知識が一定レベル得られる
  • Level3. 専門知識がないと読むのがキツい、結構時間はかかるが、かなり体系的に学べる

本の紹介

1. 思想・自己理解

人生哲学、生きるとは

Level 題名
Level1 生き方、道をひらく
Level2 志高く
Level3 論語と算盤

自己理解

Level 題名
Level1 モチベーション3.0
Level2 GLIT - やり抜く力
Level3 マインドフルネス

キャリア観

Level 題名
Level1 キャリアショック
Level2 転職の思考法
Level3 LIFE SHIFT

働き方

Level 題名
Level1 睡眠こそ最高の解決策である、反応しない練習
Level2 精神科医が見つけた3つの幸福
Level3 -

2. 経営理論

経営の考え方

Level 題名
Level1 経営者になるためのノート、人を生かす経営、STARTUP
Level2 ビジョナリー・カンパニー、好き嫌いと経営
Level3 世界標準の経営理論

事例から知る

Level 題名
Level1 日本電産 永守重信 社長からのファックス42枚、30歳で400億円の負債を抱えた僕がもう一度起業を決意した理由、渋谷ではたらく社長の告白
Level2 ザ・会社改造、V字回復の経営、稲盛和夫 最後の戦い、江副浩正
Level3 -

3. 戦略

Level 題名
Level1 エッセンシャル思考
Level2 良い戦略・悪い戦略、孫子の兵法
Level3 マイケルポーターの競争戦略、ストーリーとしての競争戦略

4. トレンド

マクロトレンド(歴史)

Level 題名
Level1 一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書
Level2 社会保障と財政の危機、政治の基本が2時間で分かる本、世界のエリートが学ぶマクロ経済入門
Level3 サピエンス全史、銃・病原菌・鉄、ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか

マクロトレンド(現在)

Level 題名
Level1 世界を変えるデザイン、世界を変える100の技術、「会社四季報」業界地図
Level2 限界費用ゼロ社会、経営リーダーのための社会システム論
Level3 21世紀の資本

マクロトレンド(未来)

Level 題名
Level1 アフターデジタル、インターネットの次にくるもの
Level2 21LESSONS、シンニホン、ネクスト・ソサエティ
Level3 デジタルネイチャー、ゲンロン0、ホモデウス

5. 問題解決

ロジカルシンキング・思考力

Level 題名
Level1 世界一やさしい問題解決の授業
Level2 イシューからはじめよ、読書について
Level3 思考・論理・分析、カント入門

問題解決

Level 題名
Level1 ストレスフリーの整理術、DIPS(ディップス)実践による学生が(を)ビジネスマンになる(する)ための本、マッキンゼー流入社一年目問題解決の教科書、コンサル一年目が学ぶこと
Level2 問題解決の全体観、仮説思考
Level3 世界のエリートはなぜ美意識を磨くのか

6. 組織・マネジメント

人材マネジメント

Level 題名
Level1 成長する仕掛け、人材マネジメント入門、1分間ドラッカー
Level2 なぜ我々はマネジメントの道を歩むのか、人を動かす
Level3 HIGH OUTPUT MANAGEMENT、マネジメント エッセンシャル版

リーダーシップ

Level 題名
Level1 リーダーになる人に知っておいてほしいこと、宇宙兄弟 「完璧なリーダー」は、もういらない
Level2 HARD THINGS、ディズニーCEOが実践する10の原則
Level3 貞観政要、君主論

制度・文化

Level 題名
Level1 戦略人事のビジョン
Level2 WHO YOU ARE、NETFLIXの人事戦略
Level3 トラストファクター

採用

Level 題名
Level1 採用面接100の法則、採用基準
Level2 -
Level3 -

プロダクト開発組織

Level 題名
Level1 Team Geek、ピクサー流創造するちから
Level2 エンジニアリング組織論への招待
Level3 ティール組織、チームトポロジー、多様性の科学

働きやすさ

Level 題名
Level1 現場で役立つ!セクハラパワハラと言わせない部下指導
Level2 -
Level3 多様性との対話

7. プロダクト開発

企画

Level 題名
Level1 アイディアの作り方
Level2 リクルートのすごい構創力、ゼロ・トゥ・ワン、リーンスタートアップ
Level3 イノベーションの作法、イノベーションのジレンマ、デザイン思考が世界を変える、ジョブ理論

マーケティング

Level 題名
Level1 ドリルを売るには穴を売れ、売れる会社のすごい仕組み
Level2 1分間コトラー
Level3 THIS IS MARKETING、顧客起点マーケティング

UI・UX

Level 題名
Level1 Non Designer's Design Book、ハマる仕掛け
Level2 伝え方が9割、予想通りに不合理
Level3 誰のためのデザイン?、ファスト&スロー

ソフトウェア開発

Level 題名
Level1 なぜコンピュータは動くのか、ハッカーと画家
Level2 テクノロジストの条件、UNIXの歴史
Level3 ドメイン駆動設計入門、LeanとDevOpsの科学、ソフトウェアアーキテクチャの基礎、実践ソフトウェアエンジニアリング

統計・データ

Level 題名
Level1 誰もが嘘をついている、完全独習 統計学入門
Level2 データマネジメントが30分で分かる本、ファクトフルネス
Level3 データベース実践基礎入門、前処理大全

テスト・QA

Level 題名
Level1 知識ゼロから学ぶソフトウェアテスト
Level2 ソフトウェア品質保証
Level3 -

8. BizDev

財務・管理・法務

Level 題名
Level1 儲かる会社の財務諸表、MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣、ファイナンス思考
Level2 財務三表、人事・労務の超基本、事業担当者のための逆引きビジネス法務ハンドブック、研究開発費・ソフトウェアの会計実務
Level3 起業のファイナンス、最強のコスト削減

儲け方

Level 題名
Level1 商売心得帖、ビジネスモデル2.0
Level2 ユダヤの商法
Level3 ザ・プロフィット

リスク・セキュリティ

Level 題名
Level1 世界倒産図鑑、もしも社長がセキュリティ対策を聞いてきたら、良いウェブサービスを支える 「利用規約」の作り方
Level2 ブラック・スワン
Level3 企業不正の研究

カスタマーサクセス・セールス

Level 題名
Level1 -
Level2 カスタマーサクセス実行戦略
Level3 The Model

良い事例から知る

Level 題名
Level1 PIXAR、UPSTARTS
Level2 -
Level3 -

その他

投資

Level 題名
Level1 これからの投資の思考法
Level2 株で富を築くバフェットの法則
Level3 -

仕事のことが学べる好きな漫画

Level 題名
Level1 東京卍リベンジャーズ、アオアシ、左利きのエレン、BLUE JIANT、インベスターZ、王様たちのヴァイキング、ブルーピリオド、スラムダンク、ブルーロック
Level2 -
Level3 -

ちなみに、本の読み方と選び方

本の読み方

  • 方針
    • 読みながら自分の言葉で整理をする
  • ゴール
    • 読了後に、数千文字でその本のサマリができている状態
    • 後日そのサマリを見れば本の学びが思い出せる状態
  • まとめる項目
    • まとめ:本を一言でいうと(Twitter数投稿分くらい)
    • 学び:本で学べることを体系的に整理(上記ゴールが実践できる状態)
    • todo:具体的に今日からすることを言語化
  • どこにまとめるか
    • 以下のようなフォーマット(本_yyyymmdd_タイトル)でevernoteにまとめている
    • 理由はあらゆる情報や思考結果をevernoteに貯める運用だからである
    • スクリーンショット 2020-12-13 17.30.48.png

本の選び方

  • とある分野について学びたいとき
    • その分野について自分が思い付く一番詳しそうな人に聞くと大体はずれない
  • 雑多に何かについて学びたい時
    • TwitterとFacebookでいろんな分野の有益な情報を流しているを頑張ってフォローして、その人のつぶやきでたまにおすすめの本や情報ソースが流れてくるのでそれを気まぐれに読むといいものが多い

最後に

構造的にまとめる中で自分のインプットが不足しているカテゴリーが見えてきたので良かったです。(結果、情報の質がまだまだであること、勉強不足であることに深く反省をしました。)

プロダクト開発も日々勉強と実践の繰り返しです。頭でっかちにならないように実践が基本のスタンスを忘れずに、一方先人の知恵を借り忘れないよう勉強も欠かさずに、バランスの取れた推進をしながら、このまとめも定期的にアップデートをしていこうと思います。

このカテゴリではこの本がおすすめ、もっとこういうカテゴリで区切っても良さそう、などありましたらぜひコメント等で教えてくださいませ。

明日はアドベントカレンダーの最終日です。ラストは我らが市橋さん ( @yuyaichihashi ) !
最終日も、また2021年のLITALICOもどうぞよろしくお願いいたします^^

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