#はじめに
この記事は高知工科大 Advent Calendar 2016の11日目の記事です。
先日 YAMAHA RTX1210を衝動買いしたので、VyOSと組み合わせてOSPFを構築するテストを行いました。
#OSPFとは?
OSPFはOpen Shortest Path Firstの略で、リンクステート方式のルーティングプロトコルです。ネットワーク層で動作します。ルーティングメトリックにコスト値を用いていて、帯域幅などに応じて最適な経路を選択できます。また経路収束が高速、エリアごとに分けることで大規模なネットワークに対応できる、などの特徴があります。
#ネットワーク構成
以下の図のような構成のネットワークで実験します。全部をエリア0(backbone)として、コスト値はデフォルトの設定のまま行います。
図下部分の192.168.36.0/24
と192.168.50.0/24
間をOSPFでルーティングするのが目的です。
#構築
各ルータに設定を行います。
ip lan1/1 address 192.168.36.1/24
ip lan1/5 address 192.168.40.1/30
ospf use on
ospf area backbone
ip lan1/1 ospf area backbone
ip lan1/5 ospf area backbone
ospf configure refresh
set interfaces ethernet eth0 address '192.168.40.2/30'
set interfaces ethernet eth1 address '192.168.40.5/30'
set interfaces loopback lo address 1.1.1.1/32
set protocols ospf area 0 network 192.168.0.0/16
set protocols ospf parameters router-id 1.1.1.1
set interfaces ethernet eth0 address '192.168.40.6/30'
set interfaces ethernet eth1 address '192.168.50.1/24'
set interfaces loopback lo address 2.2.2.2/32
set protocols ospf area 0 network 192.168.0.0/16
set protocols ospf parameters router-id 2.2.2.2
#構築結果
OSPFが正常に動作していれば、RTX1210 でshow ip route
のコマンドで以下の様にOSPFによる経路が追加されます。
> show ip route
宛先ネットワーク ゲートウェイ インタフェース 種別 付加情報
192.168.36.0/24 192.168.36.1 LAN1/1 implicit
192.168.40.0/30 192.168.40.1 LAN1/5 implicit
192.168.40.4/30 192.168.40.2 LAN1/5 OSPF cost=11
192.168.50.0/24 192.168.40.2 LAN1/5 OSPF cost=21
これでネットワーク図下部分の192.168.36.0/24
と192.168.50.0/24
で通信が可能になります。
試しに192.168.50.10
のPCを用意し、192.168.36.0/24
のネットワークからtracert 192.168.50.10
を実行します。
>tracert 192.168.50.10
192.168.50.10 へのルートをトレースしています。経由するホップ数は最大 30 です
1 <1 ms <1 ms <1 ms 192.168.36.1
2 <1 ms <1 ms <1 ms 192.168.40.2
3 1 ms 1 ms 1 ms 192.168.40.6
4 3 ms 2 ms 1 ms 192.168.50.10
トレースを完了しました。
OSPFを設定したルータ達を経由してアクセスできました!
#最後に
VyOSはOSSなので、余ってるPCや仮想環境があれば高機能なルータを構築できます。ネットワークの勉強したいと思っている方にオススメです。