1. キミ誰?
国語、英語、世界史の文系セットで大学受験して、大手メーカーで事務系総合職を10年間経験。その後フランスなどをふらふらしてた者です。
2021年1月に福岡のITエンジニア集団Fusicに36歳で未経験エンジニアとして拾っていただき、下のリンク先の記事の通り、入社3ヶ月でAWS SAAを取得しましたが、この度12月にAWS SAPに合格することができました。
「どや!」と肩で風を切って街を歩きたいところなのですが、これは自分ひとりの力ではなく、完全にFusicという組織の力です。
ま、そうは言うものの自分もそれなりに頑張ったので、どんな対策をしたのか、その中で何が効果あったのかメモしておきたいと思います。
2. 僕の対策の概要
全体
- 試験日までの対策スケジュールをGoogle Sheetで作った。
- 計画と実績がずれてきたら都度修正。
- 8月から少しずつ勉強する習慣を作って、12月初旬から追い込んだ(週末フルコミット!)
インプット系
- AWS認定ソリューションアーキテクト-プロフェッショナル~試験特性から導き出した演習問題と詳細解説を1.7周くらい。模試は2回やった。前半のAWSサービス説明はすっ飛ばした。
- AWS認定資格試験テキスト&問題集 AWS認定ソリューションアーキテクト - プロフェッショナルを72%読んだ。問題はすっ飛ばした。
- Udemyの模擬試験の1,2をやった。
- AWS公式模試を2週間前に受けた。
- 空き時間はYouTubeでBlack belt online動画を眺めた。
アウトプット系
- 新たに学んだことはNotionに書き留めた。
- イメージしたい時はGoogle Slideで絵を描いた。
- 学んだことを自分の言葉で説明できるようになるためにstand.fmに向かって話し投稿した。
3. 参考書
少し前は日本語の教材は少なかったそうですが、今は結構たくさんあって逆に迷うほどではないでしょうか?ありがたいことではあるのですが、選択肢が増えれば増えるほど取捨選択に難儀するのが世の常。使った教材に関して、僕の見解を添えてみます。
3-1. AWS認定ソリューションアーキテクト-プロフェッショナル~試験特性から導き出した演習問題と詳細解説(リックテレコム)
緑の表紙のやつですね。これは、とにかく演習問題がいいです。
「ほぼこれのおかげ」と数年前に合格した会社の先輩の社内メモがあるのですが、2021年12月時点の僕も同意です。てか、ほぼ同じ問題がいくつか出ました(笑)
模擬試験前の演習問題は解説も詳しくて、勉強になりました。
難点としては、模擬試験パートの解説がやや荒いという印象を受けたり、納得がいかないと思うものがありました。紙面の問題があって、解説をカットした部分があるのではないかと予想しています。
あと、前半のAWS各サービス説明は申し訳程度の量でほぼ役に立たないので、飛ばしました。後から一応読み返しましたが、やはり微妙だったので、この部分カットして模試の解説に回したら良いのになぁと思ったりします。
3-2. AWS認定資格試験テキスト&問題集 AWS認定ソリューションアーキテクト - プロフェッショナル(SBクリエイティブ)
これは栗色の表紙のやつですね。これはカバー範囲がいいのと、ドキュメントとしてすごくいいです。
緑の本の欠点をカバーしてくれています。サービス紹介、説明がいい感じ。コンソール画面とかアーキテクチャ図とか写真とか豊富でイメージしやすいです。
それと、実際の本試験では、緑の本ではカバーされてないサービスが出ましたが、この栗色の本で見た内容がいくつか出ました。2021年の10月発売と、新しいからでしょうか。買うのちょっと迷ったけど、本当に買ってよかった。
一方、僕は一切触ってないのですが、演習問題、模擬試験はAmazonの評価が悪いですね。それとKindle版で文字検索できたらもっといいのになと思いました。
3-3. AWS認定資格試験テキスト AWS認定ソリューションアーキテクト - アソシエイト(SBクリエイティブ)
はい、書き間違えでありません。SAA、アソシエイトの教科書です。オレンジ色の表紙の。
SAAを勉強した時のこの参考書やノートが、基礎の見直しに結構役立ちました。プロフェッショナルの演習問題を解いていて難しいな〜と思ってアソシエイトの参考書見たら、それが書いてあったりとか。
やっぱプロフェッショナルといえど、基礎は大事。
3-4. Udemy AWS 認定ソリューションアーキテクト プロフェッショナル模擬試験問題集(全5回分375問)
模擬試験が5回分もありますし、75問を180分で解くという練習にすごくいいと思います。
これはSAAの時にかなりお世話になったEdutechさんのUdemy教材ですが、今回は模擬試験5回分のうち2回分をやるにとどまりました。なんとなく他の模擬試験と比べて難しさの方向性が微妙に違ったり、解説が納得感がないことが多い気がしました。言語化できていないので気のせいかもしれません。解説の文章にAWSのドキュメントのコピペが所々差し込まれているのもその違和感の一つなのかなと思っています。Udemyのレビューで、誤字脱字が多いとあるのですが、僕はそれよりも解説の文章のまとまりがなくて読みづらいと思いました。
でもレビューではポジティブな評価もたくさんあるので、やって意味があることは間違いないと思います。SAP本試験で難しい問題に悶絶している最中、今回SAPに落ちて再挑戦するんだったら、あとはもうこの模試を徹底的にやるくらいしか手がないかなと思ってました。
ちなみに、僕は2回とも正答率48%という低スコアでした。
3-5. YouTube - AWS Black Belt Online Seminar
これはアソシエイトの時よりも今回の方が大きく役立ったと思います。どの動画も数十分の再生時間がありますが、美味しいところをかいつまんで観るので充分だと思います。どれも勉強になりますが、特にDirect Connect、シングルサインオン、Service Catalog、ELBあたりが、「なるほど、わかりやすい!」と膝を叩いた記憶があって印象に残っています。(実際にそんな時代劇みたいに膝を叩くという行為をしたわけではありません。)リンク貼っておきます。
- 【AWS Black Belt Online Seminar】AWS Direct Connect
- 【AWS Black Belt Online Seminar】AWSアカウント シングルサインオンの設計と運用
- 【AWS Black Belt Online Seminar】AWS Service Catalog
- 【AWS Black Belt Online Seminar】Elastic Load Balancing (ELB)
3-6. 他に気になったけど手をつけなかった教材
- AWS WEB問題集で学習しよう
- Udemy Stephane先生の講座(英語)
- Udemy Stephane先生の模擬試験(英語)
4. 勉強法
次に、上記の参考書など情報のインプットをどう処理したのかに関して書きます。
4-1. Notion
アソシエイトの時は、ノートは全てGoogle Slideに絵に描きながら取っていたのですが、今回はNotionに文章でまとめていました。単なる文章の方が速いですし、SAAでの基礎知識があるので描かなくともアーキテクチャのイメージは前よりしやすくなっていたというのが理由です。
Notionを選択したからといっても、お洒落なレイアウトに凝ったり、ページ分割したりすることもなく、無骨に1つのページにサービスごとに箇条書きしていきました。1つのページ内で文字列検索にかけてアクセスしたかったし、とにかく速くノートを取りたかったからです。
4-2. Google slide
今回はあまりお絵描きしなかったとは言ったものの、少しはお絵描きしました。Direct Connectなど馴染みのないサービスはなかなか情報が整理できていなくてイメージしづらかったので。
4-3. stand.fm
良い学習方法はなんといってもアウトプットですよね。学んだことを自分の言葉で説明できるかチェックするために、今回もstand.fmというアプリで喋ってみて投稿するということを繰り返しました。すごくオススメの勉強法です。
僕流のstand.fmアウトプット方法があります。
- 勉強します。
- これは覚えたい!と思った内容をNotionにメモします。
- その内容を自分のstand.fmチャンネルに質問形式にしてレターを送ります。「AWS ShieldのStandardとAdvancedの違いって何ですか?」とか。
- stand.fmには、リスナーからのレターを選択して収録するという機能があるので、自分のレターを選んで解説をします。
- するとやっぱり大体忘れているので、頑張っても思い出せなかったらNotionで検索して喋ります。
- 投稿します。
これオススメです!
参考までに弊チャンネルを。
https://stand.fm/channels/5fbb20d0c6465465909e922a
4-4. 実務でAWSでゴリゴリのサーバーレス処理を構築させてもらう
勉強??という感じですが、実務でサーバーレス処理を担当させて頂いたことが相当大きかったと思います。これで9月から12月にかけて、SAM, CloudFormation, Lambda, DynamoDB, SNS, SQS, X-Ray, CloudWatch, S3, Rekognition, AWS CLI, API Gateway, Route53, CloudFront, STSを触ることができました。
この辺りの記事がその跡ですね。
この実務経験のおかげで試験問題をだいぶイメージしやすくなりました。
4-5. 会社の先輩に質問を投げる
冒頭にも書いた通り、一人だけだったらこのタイミングでSAP合格できなかったと思います。会社の制度もAWSの資格取得へのサポートが厚いのですが、それにも増して会社の先輩方のサポートがまぁ分厚い。
FusicのSlackにはAWS勉強のためのチャンネルがあって、気軽に質問を投稿することができます。夜中に投稿しても、土日に投稿しても、百戦錬磨の先輩方の誰かしらかが答えてくれます。「これめっちゃ贅沢だなぁ...」と思いながら遠慮せず活用させて頂きました。参考書の解説では納得がいかなったけど、先輩に聞いてわかったということもしばしば。しかもご自身の過去のプロジェクトでの体験談と併せて教えてくれたりするので、自分も追体験ができてラッキーでした。
あと、精神面でもあったかいんだからぁ。
Udemyの試験で全く結果が出ず落ち込んでいた時も、みんなが寄ってたかって励ましてくれました。
この環境にいなかったら絶対に未経験入社1年以内にSAPを取得するということはできなかったと思います。
Fusicのリンク貼っておきます。
https://fusic.co.jp/
5. 最後に:AWS SAPという上弦の鬼を前に怯えているあなたへ
僕が試験勉強を始めた時、「あ、これ今の自分には無理かも、、」と怯えていました。
Fusic社内で2021年の10月頃から毎週AWS SAPランチ勉強会があって参加していたのですが、鬼殺隊の柱のような先輩方の鮮やかな解答捌きに見惚れるだけで、僕は全然ついていけませんでした。しかし、その柱たちがSAP試験本番で苦戦している様子を見て、自分がいかにレベルの違いすぎる勝負をしていることに気づき、鬼を前にすくむ我妻善逸状態になっていました。
何度か挑戦を延期しようかなと弱気になりましたが、M気質だからかとりあえず僕は勉強を継続しました。すると、なんか少しずつわかるようになってきた感覚があって、これは絶対無理でもないかも?という二重否定の控えめな、一縷の希望も抱き始めました。
そして、迎えた試験当日12/30。
初っ端から対策していない問題が数問出て出鼻を挫かれ、その後も想定していた自分のペースで進めることが全くできず、90分過ぎたあたりから「あ、これは落ちるわ...」と思えてきました。焦りました。目の前の問題に集中したいのに、「これは実力不足だわ、完敗だわ。え、でもこれ以上どんな勉強すればいいの?次いつ受けよう...1か月後?それとも来年?」そんな余計なネガティブ思考ばかりが頭をよぎっていました。
こんな僕でも合格することができました。
だから、あなたも負けないで!最後まで走り抜けて!