ゼロ行列
すべての要素がゼロの行列のこと。
O(大文字のオー)
とか0(ゼロ)
で表記されるケースが多い。
O=\begin{pmatrix}
0 & 0 & 0 \\
0 & 0 & 0
\end{pmatrix}
正方行列
行数と列数が同じ行列。
\begin{pmatrix}
1 & 2 & 3 \\
4 & 5 & 6 \\
7 & 8 & 9
\end{pmatrix}
単位行列
正方行列であり、且つ、対角成分に1、他は全て0である行列のこと。
I(大文字のアイ)
とかE
で表記されるケースが多い。
I=\begin{pmatrix}
1 & 0 & 0 \\
0 & 1 & 0 \\
0 & 0 & 1
\end{pmatrix}
対角行列
正方行列であり、且つ、その対角成分以外がゼロである行列のこと。
\begin{pmatrix}
5 & 0 & 0 \\
0 & 3 & 0 \\
0 & 0 & 8
\end{pmatrix}
逆行列
例えば、正方行列Aと正方行列Bと単位行列Iが以下の関係であるとする。
AB=BA=I
このときBはAの逆行列と呼び、$B=A^{-1}$と表現される。
転置行列
対角線で成分をひっくり返した行列のこと。
例えば以下のような行列Aがあるとき、
A=\begin{pmatrix}
1 & 2 & 3 \\
4 & 5 & 6
\end{pmatrix}
Aの転置行列は$A^{T}$と表現され、以下となる。
A^{T}=\begin{pmatrix}
1 & 4 \\
2 & 5 \\
3 & 6
\end{pmatrix}
正則行列
逆行列が存在する行列のこと。
直交行列
※間違った記載があったので、以下修正いたしました!
転置行列と逆行列が等しくなる正方行列が直交行列です。
\begin{pmatrix}
1\sqrt {3} & 1\sqrt {2} & -1\sqrt {6} \\
-1\sqrt {3} & 1\sqrt {2} & 1\sqrt {6} \\
1\sqrt {3} & 0 & 2\sqrt {6}
\end{pmatrix}
またこの行列の各列を表現する以下のようなベクトル$u_{1},u_{2},u_{3}$があるとすると、
いづれのベクトルも直交(内積がゼロ)する。
u_{1}=\begin{pmatrix}
1\sqrt {3} \\
-1\sqrt {3} \\
1\sqrt {3}
\end{pmatrix},
u_{2}=\begin{pmatrix}
1\sqrt {2} \\
1\sqrt {2} \\
0
\end{pmatrix},
u_{3}=\begin{pmatrix}
-1\sqrt {6} \\
1\sqrt {6} \\
2\sqrt {6}
\end{pmatrix}
正値対称行列(または正定値対称行列)
固有値がすべて正の対称行列のことを正値対称行列という。
また、以下の行列も同時に覚えておこう。
特徴 | 行列名 |
---|---|
固有値がすべて正の対称行列 | 正値対称行列(または正定値対称行列) |
固有値がすべてゼロ以上の対称行列 | 半正値対称行列(または半正定値対称行列) |
固有値がすべて負の対称行列 | 負値対称行列(または負定値対称行列) |
固有値がすべてゼロ以下の対称行列 | 半負値対称行列(または半負定値対称行列) |
正値対称行列または半負値対称行列 | 定値対称行列 |