🚀 Kubernetes上でVMを動かしてみた

🚀 Kubernetes上でVMを動かす？KubeVirtで“仮想マシン再発見”してみた話

🧠 はじめに

Kubernetesといえば「コンテナを動かすためのオーケストレーター」。
しかし最近は、そのKubernetes上で仮想マシンを動かすことが注目されています。

その技術的中心にあるのが KubeVirt です。

本記事では、KubeVirt を使って Kubernetes クラスタ上で VM を起動し、cloud-init を使って Ubuntu VM に nginx を自動展開するところまでをわかりやすく紹介します。

🌍 なぜ Kubernetes 上で VM？

"仮想マシンはもうコンテナで置き換えられる"と思われがちですが、実際の現場はそんなに簡単ではありません。

以下のようなケースでは VM が必須です：

🛠 レガシーな商用ソフト (systemd 依存や特定ライブラリ必須)

📆 特定OS上でしか動作しないアプリケーション

🧪 研究やテストでフルOS環境が欲しい

🔐 コンテナでは保証できないセキュリティ・カーネル管理

🥉 KubeVirtとは？

KubeVirt は Kubernetes の CRD (独自のリソース)を使って、仮想マシン (VM)を Pod のように操作できるようにする拡張機能です。

内部的には libvirt + QEMU + Kubernetes API を統合しています。

特徴

仮想マシンを YAML で管理

CNI/ストレージなど Kubernetes の基盤技術を残らず使用

Pod と同じようにスケジュールされる

🔧 KubeVirt の実装手順

1. オペレーターのインストール

kubectl create -f https://github.com/kubevirt/kubevirt/releases/latest/download/kubevirt-operator.yaml
kubectl create -f https://github.com/kubevirt/kubevirt/releases/latest/download/kubevirt-cr.yaml

2. Ubuntu VM (nginx付き) のデプロイ

vim kubevirt-vm.yaml

apiVersion: kubevirt.io/v1
kind: VirtualMachine
metadata:
  name: ubuntu-vm
  namespace: default
spec:
  runStrategy: Always
  template:
    metadata:
      labels:
        kubevirt.io/domain: ubuntu-vm
    spec:
      domain:
        devices:
          disks:
            - name: containerdisk
              disk:
                bus: virtio
            - name: cloudinitdisk
              disk:
                bus: virtio
        resources:
          requests:
            memory: 1024Mi
            cpu: "1"
      volumes:
        - name: containerdisk
          containerDisk:
            image: quay.io/containerdisks/ubuntu:22.04
        - name: cloudinitdisk
          cloudInitNoCloud:
            userData: |
              #cloud-config
              users:
                - name: ubuntu
                  plain_text_passwd: ubuntu
                  lock_passwd: false
                  sudo: ['ALL=(ALL) NOPASSWD:ALL']
                  shell: /bin/bash
              ssh_pwauth: true
              disable_root: false
              chpasswd:
                expire: false

kubectl apply -f kubevirt-vm.yaml

ポイント：cloud-init を使ってユーザー/パスワードを作らないと、コンソールからはログインできません。

3. VMの確認 & 接続

1. ステータス確認

kubectl get vm -n default
kubectl get vmi -n default

2. virtctl コマンドのインストール

VERSION=$(curl -s https://api.github.com/repos/kubevirt/kubevirt/releases/latest | grep tag_name | cut -d '"' -f 4)
curl -L -o virtctl https://github.com/kubevirt/kubevirt/releases/download/${VERSION}/virtctl-${VERSION}-linux-amd64
chmod +x virtctl
sudo mv virtctl /usr/local/bin/

3. コンソール接続

virtctl console ubuntu-vm -n default

そして、次のようにログイン:

ubuntu login: ubuntu
Password: ubuntu

成功すると Ubuntu のテキストログインに入れます。

📖 参考リンク

KubeVirt 公式ドキュメント

NGINX公式: Content Caching

✍️ おわりに

KubeVirt は Kubernetes の基盤技術の利点を保ちつつ、VMの音も好きも取り入れられる便利な技術です。

例えば CDN/エッジ計算/レガシー資産を活用したインフラなど、Pod のみでは難しかった環境構築が、KubeVirt によって Kubernetes 上で簡単に実現できるようになります。さらにknative等と組み合わせれば、kubernetesでECSのようなクラウド基盤の構築も実現が可能となります。