仕事の種類によっては、顧客が業務知識に詳しく、設計者がすべて教えてもらって設計する場合がある。
その場合でも、計算機系についての、勘違い、思い込みに従って具体的な指示がある場合には、
その勘違い、思い込みを解消するか、
不明、勘違い、思い込みの結果の具体的な指示を変更してもらうか、
あるいは、具体的な指示をせずに、業務目標の提示にとどめてもらうかなどの方策が必要なことがある。
不明
勘違い、思い込み以前の、認識対象として範囲などについての理解がまだないことを自覚している状態。
顧客の認識が不明とは、不明であることを自覚している状態である。顧客の認識が不明であることを自覚していない状態には、勘違い、思い込みが入っていることがある。
勘違い
具体的に、実物、動作を見てもらって説明をすれば、理解してもらえるような場合を勘違いとする。
勘違いは、時間と場所と機材があれば、解消することは可能な事項とする。
時間、場所、機材がない場合には、勘違いの解消をせずに先に進まざるをえないことがある。
思い込み
具体的に実物、動作を見てもらって説明しても、理解してもらえない場合を思い込みとする。
思い込んだら、論理的な整合性はどのようにでも解釈していってしまうため、容易には解消できない。
思い込みにも何種類かある。
系は万全だという思い込み
高いお金を払って作った系は万全だという思い込み。
もっとお金を払ってもらって、もっと万全にする以外に解決策を知らない。
系は不完全だという思い込み
系は不完全だから、何をやっても仕方がなく、無駄なことをするなという思い込み。
ご自身で責任をもってすべてのことに対応していただければ問題はない。
系が不完全だから、業務知識で系の不完全さが悪影響を与えないようにすればよい
系は自分の思い通りになるという思い込み
系が自分の思い通りにならないのは、人が余分なことをしたり、あるいは必要なことをしないからだという思い込み。
もともとの思い通りには、ならないことを思い込んでいる場合には、対応の仕方がない。
逆
顧客の不明、勘違い、思い込みを疑う場合には、
設計者の勘違い、思い違いも同程度に想定するとよい。
設計者の不明
設計対象について、よくわかっていないという自覚があれば、設計者の認識の不明とする。
設計者の勘違い
設計対象、設計方法、設計道具などについて勘違いがあるかもしれない。
設計対象をよく知らなければ、勘違いというよりも不明である。
設計者の思い込み
顧客の思い込みよりも、影響が悪い場合がある。
ありとあらゆる顧客の質問に、一見整合性のある回答をするが、根拠を物理的、論理的、生物的、心理的、社会的には統計・確率をもってしめしていない場合がある。
あるいは、物理的、論理的、生物的、心理的、社会的には統計・確率をもってしめしているために思い込んでいる場合がある。この状態を覆すのは時間がかかる。
文書履歴(document history)
ver. 0.01 初稿 20190404早朝
ver. 0.02 設計者の不明、勘違い、思い込み追記 20190404 朝
ver. 0.03 表題追記 20190512
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