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【独習PHP第4版】本書の環境XAMPPをDockerで実現

Last updated at Posted at 2023-02-19

『独習PHP第4版』の環境構築はXAMPPですが、既にDockerをインストールしていたため。これで一冊最後まで学習ができたので記録。

目次

1.先にまとめ
2.起動したら必ずやること
3.dockerのため本書と違うところ

1. 先にまとめ

【使用環境】
・OS : Windows10
・Docker Desktop : 4.16.2
・Docker Engine: 20.10.22
・WSL2(Ubuntu) : Ubuntu 20.04.5 LTS (Focal Fossa)
・VSCode : 1.75.0

全体図

selfphp
  |---mariadb
  |    |___data                         //空ディレクトリ
  |    |___Dockerfile
  |---php
  |    |___docker-php-ext-xdebug.ini
  |    |___Dockerfile
  |    |___myphp.ini
  |---web                               //ドキュメントルート(後述)。PHPのコードはこの下に。
  |    |___parts                        //呼び出して使う関数はここに保管
  |    |     |___DbManager.php          //PHPとデータベースを接続するためのファイル
  |    |___index.php                    //好きに作業する
  |___docker-compose.yml

MariaDB(MySQL)

Dockerfile
FROM mariadb:10.7.7-focal
EXPOSE 3306

MySQLの場合はFROM mysql:8.0-debianとした。

PHP

docker-php-ext-xdebug.ini
[xdebug]
zend_extension=xdebug
xdebug.mode=debug
xdebug.start_with_request=yes
xdebug.client_host=host.docker.internal
;デバッグを実行すると、PHPコンテナ内の/tmp/xdebug.logにログが出力される。
xdebug.log=/tmp/xdebug.log
xdebug.client_port=9003
Dockerfile
FROM php:8.2-rc-apache
# ① 「user」という名の一般ユーザーを作成。
ARG USERNAME=user
ARG GROUPNAME=user
ARG UID=1000
ARG GID=1000
RUN groupadd -g $GID $GROUPNAME && \
    useradd -m -s /bin/bash -u $UID -g $GID $USERNAME
# ②「libzip-dev」「unzip」「pdo_mysql」「zip」「xdebug」「mhsendmail」をインストール&有効化
RUN apt-get update \
  && apt-get install -y --no-install-recommends libzip-dev unzip \
  && docker-php-ext-install pdo_mysql zip \
  && pecl install xdebug \
  && docker-php-ext-enable xdebug \
  && curl -sSL https://github.com/mailhog/mhsendmail/releases/download/v0.2.0/mhsendmail_linux_amd64 -o mhsendmail \
  && chmod +x mhsendmail \
  && mv mhsendmail /usr/local/bin/mhsendmail
# ③ ComposerをPHPコンテナ内に取り入れる
COPY --from=composer/composer:latest-bin /composer /usr/bin/composer
# ④ 自作の設定ファイル「myphp.ini」「docker-php-ext-xdebug.ini」をPHPコンテナに適用させる
COPY myphp.ini /usr/local/etc/php/conf.d
COPY docker-php-ext-xdebug.ini /usr/local/etc/php/conf.d/docker-php-ext-xdebug.ini
# ⑤ PHPコンテナ内に入った時のカレントディレクトリを指定
WORKDIR /var/www/html
EXPOSE 80

【参考】
https://qiita.com/Spritaro/items/602118d946a4383bd2bb
Composer公式ドキュメント「Docker Image」の項にて。イメージはdockerが提供している「composer」でなく、Composer公式の「composer/composer」を使用。『dockerのイメージは、公式が直接公開したものではないので、最新版を受け取るのに数日遅れる。バイナリのみの同等のものがない』らしい。

myphp.ini
[Core]
sendmail_path = "/usr/local/bin/mhsendmail --smtp-addr=mailhog:1025"
[Date]
date.timezone = "Asia/Tokyo"
[mbstring]
mbstring.language = "Japanese"
[Session]
;session使用時、実データがPHPコンテナ内の/tmp下に保存される。
session.save_path = "/tmp"
;以下は、本書で紹介されている「推奨値」を設定。
session.cookie_httponly = "On"
session.cookie_samesite = "Lax"
session.sid_length = "48"
session.sid_bites_per_character = "6"
session.use_strict_mode = "On"

web

DbManager.php
<?php
$dsn = 'mysql:dbname=selfphp; host=db; charset=utf8';
$usr = 'root';
$passwd = 'myrootpassword';
try {
  $db = new PDO($dsn, $usr, $passwd);
  print '接続に成功しました。';
}catch (PDOException $e) {
  die("接続エラー:{$e->getMessage()}");
} finally {
  $db = null;
}

このコードは『独習PHP第4版』から拝借。

docker-compose.yml

docker-compose.yml
version: '3'
services:
  app:
    build:
      context: ./php
      dockerfile: Dockerfile
    volumes:
      - type: bind
        source: "./web"
        target: "/var/www/html"
    ports:
      - "80:80"
    depends_on:
      - db
  db:
    build:
      context: ./mariadb
      dockerfile: Dockerfile
    volumes:
      - type: bind
        source: "./mariadb/data"
        target: "/var/lib/mysql"
    ports:
      - "3306:3306"
    environment:
      # MySQLのイメージを使用するなら、環境変数は「MYSQL_ROOT_PASSWORD」に。
      - MARIADB_ROOT_PASSWORD=myrootpassword
  mailhog:
    image: mailhog/mailhog
    ports:
      - "8025:8025"
  • 通常の起動・停止
    docker-compose up -dで起動、 docker-compose downで停止。この起動はキャッシュを使うので、もしファイルを修正したら、起動時はdocker-compose up -d --buildでビルドから始める。
  • コンテナ名
    docker-composeコマンドで起動したら、コンテナ名は「作業中のディレクトリ名-コンテナ名-1」となる。例えばPHPコンテナ名は「selfphp-app-1」。(docker psで確認可)
  • ウェブ上で表示できるか確認する
    index.phpにアクセスするには「http://localhost:80/index.php」。
    web/var/www/htmlのマウントによって、ウェブで公開する部分(ドキュメントルート)を設定している。(PHPイメージのドキュメント「php:<version>-apache」の項にて)
    image.png
    ・ ブラウザ上でのパスを確認したいなら、print __FILE__;で出力するとよい。
  • mariadb/data/var/lib/mysqlのマウント
    データを保持するため。MariaDBイメージのドキュメントより「Where to Store Data」の項。コンテナを停止する度にコンテナは削除される。データベースやテーブルなどのデータは、MariaDBコンテナ内で作成するのでデータも都度消えてしまう。マウントすることでデータを常に保持できる。
  • コンテナ内に入る。docker exec -it コンテナ名 /bin/bash
  • PHPコンテナ内での作業
    ・ Composerを使ってパッケージをインストールする時。
    ・ sessionが正しく機能しているかチェックする時(コンテナ内の/tmplsで確認)。
    ・ デバッグのログを見たい時(コンテナ内の/tmp/xdebug.logに出力される)。
  • MariaDBコンテナ内での作業
    ・ データベースやテーブルを作成したり、SQLを実行する時。
    PHPとデータベースを接続するためにIPアドレスを確認する時。

2. 起動したら必ずやること

①launch.jsonに"pathMappings"を追記する。
(②zend_extensionの値を書き直す。)
③PHPとデータベースを接続する時、DockerではhostのIPアドレスを毎回確認する。
④Composerを利用する時は、PHPコンテナにユーザーを指定して入る。

簡単です!

①launch.jsonに"pathMappings"を追記する。

これはデバッグを実行するために必要な作業。
事前に、VSCodeの拡張機能をインストールする所から「PHP Debug」を検索し、インストールしておく。
image.png
(1)初めての方は、虫マーク→「create a launch.json file.」→「PHP」を選択。selfphp下に.vscode/launch.jsonファイルが自動作成される。
image.png
(2)launch.jsonファイルを見て、portが「9003」であることを確認。
image.png
そしてこの"port: 9003"の下に以下のコードを追記。

launch.json
      "pathMappings": {
        "/var/www/html":"${workspaceFolder}/web"
      }
  • 左側(/var/www/html)はPHPコンテナのドキュメントルートのパス。
  • 右側(${workspaceFolder}/web)は作業中のドキュメントルートのパス。
    docker-compose.ymlファイルからも分かるように、/var/www/htmlとマウントしている部分。${workspaceFolder}は今、VSCodeで開いているディレクトリ(selfphpディレクトリ)。
    ▼【完成したlaunch.json
    image.png
    (3)正しくデバッグできるか確認する。
    簡単にチェック用のindex.phpを作成する。このコードは『独習PHP第4版』から拝借。
index.php
<?php
$msg = 'こんにちは、世界!';
print $msg;

デバッグしたいファイルindex.phpを開いた状態で虫マーク→「Listen for Xdebug」であることを確認して横の三角をクリック(デバッグ開始)。
image.png
↓このマークが出る。ちなみに終了は一番右の四角をクリック。
image.png
index.phpのコード左側をクリックしてブレークポイントを設置。ブレークポイントの行は実行せず、一時停止する。
image.png
ブラウザからhttp://localhost:80/index.phpindex.phpにアクセス→VSCodeに戻る。下のようにブレークポイントで止まっていればOK。
image.png
ブレークポイントの行は実行されずに止まるので、$msgの値はまだ初期化されていないと出る。これでデバッグは問題なく使用できる。

【参考】
https://zenn.dev/ikeo/articles/244d6a8042bcd8c55fe9
https://qiita.com/gigosa/items/90431be7a6a79db78480

(②zend_extensionのパスを書き換える)

  • Xdebug公式のドキュメント「Configure PHP」の項にて、もしXdenugが表示されなかったり、ファイルが見つからないと出たらXdebugのファイルパスを明示的に設定する。
  • PHPコンテナ内に入り、cd/usr/local/lib/php/extensionsあたりまで行く。lscdで追ってパスを確認する。
docker-php-ext-xdenug.ini
[xdebug]
zend_extension=xdebug

docker-php-ext-xdenug.ini
[xdebug]
zend_extension=/usr/local/lib/php/extensions/no-debug-non-zts-20210903/xdebug.so

ファイルを変更したので、Dockerを停止→docker-compose up -d --buildで起動する。

③PHPとデータベースを接続する時、DockerではhostのIPアドレスを毎回確認する。

こんなことしなくてもよいみたいです。
hostの部分は、MariaDbコンテナの「IPアドレス」ではなく「コンテナ名」を書けばOK。コンテナ名は、docker-compose.ymlファイルのservicesにある。ここでMariaDbコンテナをdbと名付けた。正式名selfphp-db-1を使ってもどちらでもよい。
【修正前】host=172.19.0.2
【修正後】host=db

DbManager.php
<?php
$dsn = 'mysql:dbname=selfphp; host=db; charset=utf8';
$usr = 'root';
$passwd = 'myrootpassword';
try {
  $db = new PDO($dsn, $usr, $passwd);
  print '接続に成功しました。';
}catch (PDOException $e) {
  die("接続エラー:{$e->getMessage()}");
} finally {
  $db = null;
}

hostにはMariaDbコンテナのIPアドレスを書く。起動すると変わることがあるので毎回確認する。
(1)起動後、docker exec -it selfphp-db-1 /bin/bashでMariaDBコンテナに入る。
(2)cat /etc/hostsで確認。

127.0.0.1       localhost
         ~省略~
172.23.0.2      12ab34cd56ef    ←こっち。つまり172.23.0.2をhostに書く。

一番下、MariaDBのコンテナIDと共に表示されている方のIPアドレス。同じものをhostに書く。

  • mysql:dbname=selfphpの「selfphp」とは、MariaDBで作成したデータベース名。Dockerの場合、MariaDBコンテナに入る→mariadb -p(MySQLの場合はmysql -p)→パスワード入力(docker-compose.ymlMARIADB_ROOT_PASSWORDで設定済)でMariaDBを起動。CREATE DATABASE selfphp;でデータベースを作成。テーブルも作っておく。
  • $passwdは、先ほど入力したパスワード。

(3)http://localhost:80/parts/DbManager.phpでファイルにアクセスし、「接続に成功しました。」が出ればOK。

④Composerを利用する時は、PHPコンテナにユーザーを指定して入る。

Composerを利用する時は、docker exec -it -u user selfphp-app-1 /bin/bashでPHPコンテナに入ること。

  • コンテナに入る時は、-u(--user) userでユーザーを指定しないとrootユーザーで入ることになる。 そのため、コンテナ内で作業して作られたファイルなどが全てroot権限で、後で全く編集できなくなり困った。
  • そもそもComposerのドキュメントにrootで実行するなと書かれている。なので、PHPのDockerfileで「user」という名のユーザーを作成した。これがないとrootでしか入れない。
  • ちなみにroot権限で作業してしまい、ファイルが編集できなくて詰んだ時は…userに権限を変更する。以下のコマンドをそのまま実行。
    (1)chown -R user:user ./
    カレントディレクトリ下の使用者権限を全て変更。user:userの部分は、ユーザー名:グループ名。
    (2)find . -type f -print | xargs chmod 644
    カレントディレクトリ下の、ファイルの実行権限を全て644に変更。
    (3)find . -type d -print | xargs chmod 755
    カレントディレクトリ下の、ディレクトリの実行権限を全て755に変更。

【参考】https://cpoint-lab.co.jp/article/202206/22876/

3. dockerのため本書と違うところ

①mb_send_mail()を使ってメール送信

※ 本書では、XAMPPに元から入っている「sendmail」を使って実際にメールを送信しますが、僕の知識不足のため、導入が簡単な「MailHog」と「mhsendmail」を使いました。学習に支障はありませんが、本書通りにできたら追記します(検証中)。
※ もし「sendmail」を使いたい方は、PHPコンテナにインストールする必要があるので、PHPのDockerfileに「sendmail」を追記してください。

Dockerfile
~ 省略 ~
apt-get install -y --no-install-recommends libzip-dev unzip sendmail \

MailHogの使い方は簡単

  • 「MailHog」は、PHPのアプリでメール機能をつける時、mb_send_mail関数を使う時などで、実際にメールが届いた側としてメールの状況を確認できる(本文の表示崩れなど)。
  • 実際の宛先には送信せず、「MailHog」に送信する。「MailHog」にメールを送信するために「mhsendmail」が必要なので、両方インストール。「sendmail」でも可能らしいが未検証。

(1)http://localhost:8025で「MailHog」を開く。ここで受信したメール、メールヘッダーが確認できる。
(2)mb_send_mail関数で、メールを送信するファイルを作成(本書に手順があるので省略)

本書の書き方と変えた所

  • mb_send_mail関数のメールヘッダー($headers)は配列で渡した。PHP7.2以降から可能。これはメールヘッダーインジェクションの防止になる。
  • メールヘッダー($headers)の配列に'Content-Type'=>'text/plain; charset=UTF-8', 'Content-Transfer-Encoding'=>'8bit'を追記。mb_send_mail関数で送信した文字コードは日本語(ISO-2022-JP)だったが、「MailHog」では文字化けするので、UTF-8を指定した。

【参考】https://teratail.com/questions/318732

(3)そのファイルにアクセスする。または、PHPコンテナ内に入ってphp ファイル名で実行する。→(1)「MailHog」を見る。

  • Fromヘッダーの値の書き方
    ①差出人の名前で表示したい・・・差出人名<from@example.com>
    ②メールアドレスで表示する・・・from@example.com
    こんな感じで届きます↓
    image.png

②PHPDocの使い方

  • PHPDocumentor(以下PHPDoc)は、コードから自動で必要な情報を取り出し、仕様書として整形してくれる。
  • 整形したいファイルにあらかじめドキュメンテーションコメントを書く必要があるが、書き方は本書やドキュメントなどにあるので省略。

インストールの方法は3つ

  1. dockerイメージを使う。→僕はDockerなのでこの方法
  2. Phiveを使い、依存関係としてインストールする。
  3. PHARファイル(.phar)をダウンロードし、好みの場所に配置する。→本書はこの方法

※Composerを使ってもインストールできるが非推奨。PHPDoc側とこちら側の依存関係でコンフリクトが起こる可能性がある。

PHPDocのdockerイメージを使う

(1)このツールを使用すると、いくつかディレクトリが作成されるので、1つにまとまっていた方が綺麗だなー…と思い、webディレクトリにphpdocディレクトリを作った( (3)の図)。ここをカレントディレクトリとして作業する。
(2)カレントディレクトリで以下のコマンドを実行。エイリアス(別名)を作成。
alias phpdoc="docker run --rm -v $(pwd):/data phpdoc/phpdoc:3"

  • 自作したコマンド「phpdoc」だけでPHPDocコンテナの起動/マウント/削除を行う。「=」の前後にスペースを入れないこと!
  • このエイリアスはその場限りで、エディタを閉じると設定が消えるので注意。aliasと打つと、設定したエイリアス一覧を確認できる。すると、$(pwd)の部分が絶対パスに置き換わっている。

(3)カレントディレクトリに、「doc」「out」というディレクトリを作成する。
「doc」には、ドキュメンテーションコメントを書いたファイルを置こう。

selfphp
   :
   |___web
   |    |___phpdoc(カレントディレクトリ)
   |          |___doc             //ドキュメント化したいファイルはここに置く。
   |          |    |___ファイル1
   |          |    |___ファイル2
   |          |___out             //空ディレクトリ。作成されたドキュメントが自動でここに入る
   :

(4)カレントディレクトリでphpdoc -d doc -t -outを実行する。

  • -dは、ドキュメント化したいファイルが入っているディレクトリ。
  • -fでファイルを指定することもできる。
  • -tは、生成されたドキュメントを入れる場所(ディレクトリ)。Target Folderと呼ぶ。

【参考】
https://docs.phpdoc.org/3.0/guide/guides/running-phpdocumentor.html

(5)「out」下に作成された、index.htmlにアクセスする。すると自分で作ったファイルがドキュメント化されている。

以上となります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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