主な対象者
母分散が分かっている場合の正規分布による検定や区間推定の問題は何も見なくてもできる、または理解している人。
概要
検定、区間推定の細かい説明や各種定理の証明はしません。
統計量の公式(?)を忘れた時のための早見表目的のページです。
注意
筆者は一介の学部生です。不正確な部分があるかもしれません。
定理の証明は全て省略しています。また、後半の章に出てくる式は近似式も含みます。
Markdownで数式を書くことに不慣れなので誤植、見づらい等があるかもしれませんがご容赦ください。
指摘等は大歓迎です。
以下、本編です。
一つの正規母集団
正規母集団$N(μ,σ^2)$から$n$サンプル抽出。これを$X_1,...,X_n$とする。
基本的な統計量
$\bar{X}=\frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n} X_i$
${S_x}^2=\frac{1}{n-1}\sum_{i=1}^{n} {(\bar{X}-X_i)}^2 $
母平均の推定
母分散既知の時
$Z=\frac{\bar{X}-μ}{\sqrt{\frac{σ^2}{n}}}\sim N(0,1)$
母分散未知の時
$t=\frac{\bar{X}-μ}{\sqrt{\frac{{S_x}^2}{n}}}\sim t(n-1)$
母分散の推定
$χ^2=\frac{(n-1){S_x}^2}{σ^2}\sim χ^2(n-1)$
二つの正規母集団
正規母集団$N(\mu_1,{\sigma_1}^2)$から$m$サンプル、正規母集団$N(\mu_2,{\sigma_2}^2)$から$n$サンプル抽出。$X_1,...,X_m$、$Y_1,...,Y_n$とする。
基本的な統計量
${S_x}^2=\frac{1}{m-1}\sum_{i=1}^{m} {(\bar{X}-X_i)}^2 $
${S_y}^2=\frac{1}{n-1}\sum_{i=1}^{n} {(\bar{Y}-Y_i)}^2 $
$S^2=\frac{\sum_{i=1}^{m} {(\bar{X}-X_i)}^2+\sum_{i=1}^{n}{(\bar{Y}-Y_i)}^2}{(m-1)+(n-1)}$
母分散の比の推定
${F=\frac{\frac{{S_x}^2}{{σ_1}^2}}{\frac{{S_y}^2}{{σ_2}^2}}}\sim F(m-1,n-1)$
母平均の差の推定
母分散既知の時
${Z=\frac{(\bar{X}-\bar{Y})-(μ_1-μ_2)}{\sqrt{\frac{{σ_1}^2}{m}+\frac{{σ_2}^2}{n}}}}\sim N(0,1)$
母分散未知だが等しい時
$t=\frac{(\bar{X}-\bar{Y})-(μ_1-μ_2)}{\sqrt{{(\frac{1}{m}+\frac{1}{n})}{S^2}}}\sim t(m+n-2)$
k個の正規母集団
$N(\mu_1,\sigma^2)$から$n_1$サンプル、...、$N(\mu_k,\sigma^2)$から$n_k$サンプル抽出。全部で$n$サンプル。
これを$X_{1,1}$,…,$X_{1,n_1}$,…,$X_{k,1}$,…,$X_{k,n_k}$とする。
基本的な統計量
$\bar{X_i}=\frac{1}{n_i}\sum_{j=1}^{n_i} X_{i,j}$
$\bar{X}=\frac{1}{n}\sum_{i=1}^{k} \sum_{j=1}^{n_i} X_{i,j}$
$S_w=\sum_{i=1}^{k} \sum_{j=1}^{n_i} {(X_{i,j}-\bar{X_i})}^2$
$S_b=\sum_{i=1}^{k} \sum_{j=1}^{n_i} {(\bar{X_i}-\bar{X})}^2$
母分散が等しい時に母平均が等しいかどうか検定(一元配置分散分析)
$F=\frac{\frac{S_b}{(k-1)}}{\frac{S_w}{(n-k)}}\sim F(k-1,n-k)$
棄却域
$F_{α}(k-1,n-k)\leq{F}$
二項母集団(母比率の推定)
各要素が$A$に属する、または属さない。
$P(X\in{A})=p,P(X\notin{A})=1-p$
抽出した$n$サンプルのうち$r$サンプルが$A$に属する。
基本的な統計量
$\bar{p}=\frac{r}{n}$
母比率の推定
$Z=\frac{\bar{p}-p}{\sqrt{\frac{p(1-p)}{n}}}\sim N(0,1)$
注意
半整数補正が必要な場合がある。
k項母集団(適合度の検定)
各要素が$A_1$から$A_k$のいずれかに属する。
$P(X\in{A_1})=p_1,...,P(X\in{A_k})=p_k$
抽出した$n$サンプルのうち$A_i$に属するものが$X_i$個。$(1\leq{i}\leq{k})$
適合度の検定
$χ^2=\sum_{i=1}^{k} \frac{{(X_i-np_i)}^2}{np_i}\sim χ^2(k-1)$
棄却域
$χ^2_{α}(k-1)\leqχ^2$
k項×l項母集団(独立性の検定)
各要素が$A_1$から$A_k$のいずれかに、また$B_1$から$B_l$のいずれかに属する。
(例:すべての生徒はA組からD組のいずれかに、また1年から3年のいずれかに属する。)
抽出した$n$サンプルのうち$A_i$に属しかつ$B_j$に属するものが$X_{i,j}$個。$(1\leq{i}\leq{k},1\leq{j}\leq{l})$
基本的な統計量
$X_i=\sum_{j=1}^{l} X_{i,j}$
$Y_i=\sum_{i=1}^{k} X_{i,j}$
独立性の検定
$χ^2=\sum_{i=1}^{k} {\sum_{j=1}^{l} \frac{{(X_{i,j}-\frac{{X_i}{Y_j}}{n})}^2}{\frac{{X_i}{Y_j}}{n}}}\sim χ^2((k-1)(l-1))$
棄却域
$χ^2_{α}(k-1)(l-1)\leqχ^2$