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AWS DevOps系サービスを整理(SAM・CodePipeline・CodeBuildなど)

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はじめに

今回は、AWSの資格試験勉強中の方向けに、なんとなく聞いたことはあるけれど違いが分かりにくい、「AWS SAM」「CodeCommit」「CodePipeline」「CodeBuild」「CodeDeploy」といったサービスについて、なるべく分かりやすくまとめてみました。

これらのサービスは、より迅速かつ安全にソフトウェアを開発・運用していく「DevOps(デブオプス)」という考え方を実現するために利用され、資格試験でも聞かれることが多い内容です。

ぜひ一緒に理解を深めていきましょう!!

1. AWS SAM(Serverless Application Model)

サーバーレスアプリケーションの「設計定義」

AWS SAMは、AWS上でサーバーレスアプリケーションを構築・デプロイする作業を簡単にしてくれるフレームワークです。

「サーバーレス」とは

そもそも「サーバーレス」とは、アプリケーションを動かすためのサーバーの準備や運用管理を開発者が行わずに済む仕組みのことを指します。AWSがその面倒な作業を引き受けてくれることで、開発者はビジネスロジックの実装に専念できます。

その中心となるのがAWS Lambdaです。Lambdaは、イベントが発生したときにコードを実行する環境を提供してくれるサービスで、インフラの管理は一切不要です。

SAMの機能

AWS SAMは、このLambdaをはじめとするサーバーレス関連リソース(API GatewayやDynamoDBなど)を、一つのYAMLファイルでまとめて定義することができます。つまり、アプリケーション全体の「設計図」を簡潔に記述し、それを使って自動で必要な環境を構築できるのです。

SAMを利用することで、本来は複雑だったリソースの作成や設定がシンプルになり、ヒューマンエラーのリスクも減少します。さらに、ローカルでのテスト環境も用意されているため、開発と検証をよりスムーズに行えるのも魅力です。

2. AWS CodeCommit

ソースコードの「リポジトリ」

CodeCommitは、ソースコードを保存・管理するためのGit互換のリポジトリサービスです。GitHubやBitbucketに近いイメージですが、AWSの中で完結するため、他のAWSサービスとの連携がスムーズに行える点が特長です。

CodeCommitの利点

CodeCommitを使うことで、クラウド上に安全にコードを保存できるだけでなく、誰がいつ、どのような変更を加えたのかといった履歴を追跡することができます。

これはチーム開発において非常に重要で、バグの原因調査や共同作業の効率化に直結します。また、ローカルだけにコードを保存していた場合に起こりうるデータ消失のリスクを防ぐという意味でも、非常に安心です。

3. AWS CodeBuild

コードの「ビルド環境」の提供

CodeBuildは、CodeCommitなどに保存されたソースコードをビルドして、実行可能なアプリケーションに変換するサービスです。

たとえば、Javaのコードであれば「コンパイル」という作業を行わなければなりませんが、そのような作業をCodeBuildが代わりに行ってくれます。

CodeBuildの利点

CodeBuildの魅力は、必要なときにだけ一時的にビルド環境を自動で用意し、処理が終わればその環境を自動で終了してくれる点にあります。これにより、余分なサーバーコストがかからず、効率的にリソースを活用できます。

手動でビルド作業をする必要がないため、作業時間の短縮やミスの削減にもつながります。また、自動テストの機能も備えており、品質チェックを組み込むことで、開発の初期段階から不具合の早期発見が可能となります。

4. AWS CodeDeploy

アプリケーションの「デプロイ」

CodeDeployは、CodeBuildによって生成されたアプリケーションを、実際の運用環境に安全かつ自動的に配布するためのサービスです。

アプリケーションの更新や新機能の公開に伴って行われる「デプロイ作業」を、自動で、かつ最小限のリスクで実施できます。

CodeDeployの利点

CodeDeployは、Amazon EC2、Lambda、Fargateといったさまざまな環境に対応しており、デプロイ中に問題が発生した場合は自動で元の状態に戻す「ロールバック」機能も備えています。

これにより、サービスの中断を最小限に抑えつつ、新しいアプリケーションを迅速に提供できます。人手による作業では避けられなかったダウンタイムや人的ミスを防ぎ、より安定した運用が実現できます。

5. AWS CodePipeline

開発プロセスの「自動化パイプライン」

CodePipelineは、CodeCommit、CodeBuild、CodeDeployといったサービスを連携させ、一連の開発作業を自動化する「パイプライン」を構築するためのサービスです。

たとえば、CodeCommitにコードをプッシュするだけで、自動でビルド・テストが行われ、その後のデプロイまで一貫して自動で処理されるようになります。

CodePipelineの利点

CodePipelineの最大の利点は、開発から本番環境への反映までを一連の「生産ライン」として扱える点にあります。これにより、開発サイクルの短縮、作業の標準化、品質の安定化といった効果が得られます。

「継続的インテグレーション(CI)」や「継続的デリバリー(CD)」といったDevOpsの中心的な考え方を具現化するうえで、非常に重要な役割を果たします。

6. 実例:AWSサービスを連携させたCI/CDの流れ

ここまで紹介したAWSの各サービスは、組み合わせて使うことで、コードの変更から本番反映までを自動化できます。ここでは、サーバーレスアプリケーション(Lambda + API Gateway)を自動でデプロイする流れを簡単に見てみましょう。

①まず、開発者がローカルでSAMを使って作成したアプリケーションのコードを、CodeCommitのリポジトリにプッシュします。これをトリガーとして、CodePipelineが自動で処理を開始します。

②パイプラインでは、まずCodeBuildが起動し、コードのビルドやテストを実行します。buildspec.ymlに定義された手順で、Lambda用のコードをパッケージ化します。

③ビルドが成功すると、次はCodeDeployが呼び出され、Lambda関数を本番環境に自動でデプロイします。API Gatewayとの連携も含めて、自動で新しいバージョンが公開されます。

この一連の流れにより、コードを変更・保存するだけで、本番環境に自動反映される継続的デリバリー(CD)が実現できます。

AWSの資格試験では、このようなサービス連携の仕組みや役割分担が頻出しますので、全体の流れをイメージしておくことが大切です。

終わりに

今回は、「AWS SAM」「CodeCommit」「CodeBuild」「CodeDeploy」「CodePipeline」といったDevOps関連のサービスについて、なるべく分かりやすいよう整理してまとめてみました。

これらのサービスは単独でも便利ですが、連携させることで開発からデプロイまでの流れを自動化できる強力な仕組みになります。実際、資格試験でも「どのサービスがどの役割を果たしているか」や「どのように組み合わせて使うか」がよく問われます。

サービス同士の違いや関連が紛らわしく感じるかもしれませんが、流れを理解すると覚えやすくなるかなと思います。

この記事が、皆さんの学習の助けになり、資格取得や今後のクラウド開発の理解につながれば幸いです!

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