javaxとjakartaの違いは、主にJavaのエンタープライズ技術における名前空間やプロジェクトの管理に関連しています。以下で詳しく説明します。
1. javaxとは?
【歴史的背景】
javaxは、かつてのJava EE(Java Platform, Enterprise Edition)で使用されていたパッケージ名です。Java EEは、エンタープライズ向けアプリケーション(特にサーバーサイドアプリケーション)の開発に用いられる標準化されたAPIセットで、Oracleが主導していました。
【主要な技術】
Java EEには、javaxパッケージ内にサーブレット、JSP、JPA、EJBなど、エンタープライズ向けの重要な技術が含まれています。例として、javax.servletやjavax.persistenceなどがあります。
2. jakartaとは?
【歴史的背景】
2017年、OracleはJava EEの権利をEclipse Foundationに移管しました。この移管により、Java EEはJakarta EEという新しい名称で管理されるようになりました。Eclipse Foundationがプロジェクトを管理するようになったことで、いくつかの変更が行われました。その一つが、名前空間の変更です。
【名前空間の変更】
Oracleとの合意に基づき、Eclipse Foundationはjavaxパッケージを変更できないため、Jakarta EE 9以降、名前空間がjavaxからjakartaに変更されました。例えば、javax.servletはjakarta.servletに、javax.persistenceはjakarta.persistenceになりました。
【技術内容の継続】
パッケージ名が変わっただけで、技術そのものは基本的にJava EEからJakarta EEに引き継がれています。ただし、Jakarta EE 9以降は新機能や改善が追加され、よりオープンでコミュニティ主導のプロジェクトとなっています。
3. 主な違い
【パッケージ名】
・Java EE
javaxパッケージを使用(例: javax.servlet, javax.persistence)
・Jakarta EE
jakartaパッケージを使用(例: jakarta.servlet,jakarta.persistence)
【管理団体】
・Java EE
Oracleが主導
・Jakarta EE
Eclipse Foundationが主導
【リリースサイクルとコミュニティ】
Java EEはOracleによるリリースサイクルで管理されていたため、リリースが比較的遅かった。
Jakarta EEはEclipse Foundationが管理することで、よりオープンなコミュニティベースの開発が行われ、リリースサイクルも改善されました。
4. 実務への影響
【互換性】
既存のJava EE(javax)を使用したコードは引き続き動作しますが、今後新しいバージョンのJakarta EE(jakarta)を採用する場合は、コードや設定ファイルの変更が必要になることがあります。
【将来性】
今後のエンタープライズ技術の標準はJakarta EEに移行していくため、新しいプロジェクトではjakartaパッケージを採用することが推奨されます。
まとめ
javaxは旧Java EEのパッケージ名で、Oracleが管理していました。
jakartaはJava EEの後継であるJakarta EEのパッケージ名で、Eclipse Foundationが管理しています。
名前空間の変更が主な違いですが、技術の進化も今後Jakarta EEを通じて行われていきます。