VSM(バリュー・ストリーム・マッピング)とは
VSMとはプロセス改善に用いる手法で、リーン(無駄をなくす)生産方式手法のことです。
この手法により「バリューストリームマップ」という図を作成し、
対象としたプロセスの全体像をチームで共有・分析し、改善に取り組みます。
バリューストリームマップでは、こんな図を書きます
※参考にさせて頂きました、こちらのサイトより。
上記の図では「DB準備」から始まり、「デプロイ後処理」までの一連のプロセスをVSM(バリュー・ストリーム・マップ)で表現しています。
どう見たらいいのか?
VSMで知るべき関心事は、ざっくり2つあります。
プロセスの全体像を知る
1つはプロセスの全体をチームで共有することにあります。
複数人で一連のプロセスを実施している場合、担当する作業・その前後しか知らず、全体は誰も知らない、なんてこともあるかと思います。
また、プロセスの上部には、それぞれのプロセスで使用しているサービス・ツール、さらに上部ではクラウド等の環境情報も記載します。
VSMを通して、
どんなプロセスがあり、
どの環境でどんなサービス・ツールを使って、
どの順番でプロセスが進んでいくのか、
全体を図で表現し、チームで共有しましょう。
各プロセスの数字を知る
もう1つは各プロセスのリソース、各種時間を知ることです。
項目 | 説明 |
---|---|
人数 | プロセスを担当している人数 |
リードタイム(LT) | プロセス完了までの所要時間 |
プロセスタイム(PT) | プロセス中の作業時間 |
待ち時間(WT) | プロセス完了までで作業以外に消費されている時間 |
これらをもとに人数、所要時間の適正を評価します。
特に各時間の項目は、以下の関係にあります。
リードタイム(LT) = プロセスタイム(PT) + 待ち時間(WT)
つまり、待ち時間(WT)が無駄な箇所と言うことになり、
一番、待ち時間(WT)が多いところはどこか?
待ち時間(WT)をなくすためにはどうすれば良いか?
と言った議論に繋がるようになります。
VSMをどう使えば、プロセスを改善できるのか?
VSMを使ってプロセスを改善する場合、以下の段取りで進めていきます。
1. 改善したいプロセスを決める
まず、改善したいプロセスを決めます。
誰に何を届けるプロセスを改善したいのか?
そのプロセスはどこから始まるのか?
VSMに取り組むメンバー、取り組んだ結果を共有するメンバーとで、共通認識を持つためにもプロセスの範囲を決めることは重要です。
2. 現行VSMを作る
改善対象のプロセスが決まったら一連の作業をVSMと言う手法で図に示し、可視化します。
ここで作られた図を現行VSMと呼びます。
3. 現行VSMを分析し改善
現行VSMをメンバーで共有して分析、ボトルネックとなる部分を探します。
ボトルネックを見つけたら、それに対する改善案を検討します。
4. 改善を施した次期VSMを作成
改善案を検討出来たら、それらを盛り込んだ新しいVSMを作ります。
これが次期VSMとなります。
5. 次期VSMに従い、プロセスを実施
次期VSMを作成出来たら、メンバーと共有してプロセスを実施します。
6. 次期プロセスを評価する
次期プロセスを実施し始めたら、今度はそのプロセスが良かったか評価しましょう。
この場合、「2. 現行VSMを作る」に戻りましょう。
作成した次期プロセスを再度計測し、検討した通り出来ているか?
実務のプロセスとして何回も実施する上で他に問題となるポイントは出ていないか?
など確認していきます。
参考文献