この記事はクラスター Advent Calendar 2020 - Qiitaの3日目の記事です。
はじめに
こんにちは、kabanyasuです。11月よりクラスターの業務委託で会計周りの支援をやってます。
Advent Calendarに穴が空いたということで急に代打で書くことになりました。本当にありがとうございます。
さて、今回は経理業務において求められるデータベースの理解について書いていきます。
経理業務とは
また、経理業務とは以下のように定義されます
企業のすべての活動を事実をもとに一定のルールに従って記録し、利害関係者に向けて報告すること
俗にいう「簿記」とは、企業の活動を帳簿に記録を行い財務諸表を作成することで、利害関係者(ex,銀行・投資家・税務署)に対して企業の財政状態及び経営成績等を報告する業務になります。
これらの記録のためには、経済事象に関する情報を取得し、それを会計情報に加工するといったプロセスが必要になる。情報の取得には、請求書の入手・クレカ明細の取得・データベースから決済情報を収集するといったものが該当します。
今回は、その中からデータベースから会計に関する情報を入手するために必要なプロセスを解説していきます。
会計とデータベースの関係
toCのサービスやソシャゲ等のサービスでは、課金によりゲーム内で利用可能なポイントを入手し、それを用いてプレイヤーがアイテムを購入する場合がある。しかし、課金兵の皆様はわかるかもしれないが、ソシャゲの1ポイント≠1円であることも多い。そのため、アイテムの取得単価を把握する必要がある。
また、コインは購入した時点で売上にはならず、ゲーム内でアイテムを購入するタイミングで売上認識する必要がある。
つまり、会計上正しく収益の金額を算定するためには、コイン数量の増減・コイン単価を正確に把握する必要があります。
そのため、各会社は会計情報を正確に把握するため、データベースからスムーズに会計数値を作成するために必要な情報を定義する必要がある。そのため、会計人材においてもデータに関する業務フローの理解は必要不可欠です。
具体的な例
業務とお金の流れについて理解
データベースの大量の情報から会計に必要な情報を抜き出すためには、まずビジネスの流れについて理解する必があります。そのため、最初にCFOの岩崎さんの協力を得て、クラスター株式会社のビジネスの内容を理解しました。そのヒアリングの中で、現状の情報入手経路とあるべき情報入手経路を比較するプロセスが発生します。
その後サーバーエンジニアの協力を得て、データベースにどのような流れでデータが反映されるのか、出力可能な情報は何なのかを理解します。
吐き出すデータの形式の依頼
出力できる情報が整理できたら、どのような形でアウトプットしてほしいかを定義します。アウトプットに際してはSQLを自力で書く・エンジニアに書いてもらうといった方法がありますが、今回はテーブル情報の要件をお伝えしてエンジニアに依頼して、redashのダッシュボードを作成頂きました。
再現性と可監査性の確保
これらのデータは一度作ったら終わりではなく、繰り返し誰でも使えるように設定する必要があります。
今回の場合においては、データの出力及び会計への反映のために以下のマニュアルも作成しました。
- redashから出力されるデータテーブルの要件(CCの枚数)
- コイン単価算定のためのスプレッドシート(CC1枚あたりの単価は1円とは限らないため)
- redashから出力される数字と残高試算表との整合性を確認するためのチェックシート
- 損益計算書に反映される売上額との整合性確認
- 貸借対照表に反映されるCC残高との整合性確認
これにより、CFOや監査人がデータベースと帳簿の整合性を確認することが容易になりました。
さいごに
会計業務とエンジニアリングの相関関係についてはあまり認識されてませんが、このような形でデータベースから情報を取得する・残高を確認するといった業務に利用されることは多いです。
今回の事例を参考に、皆様の業務設計が効果的にできると幸いです。