私はメンター側、メンティー側の双方の立場で1on1をしている担当社員(≠管理職)エンジニアです。
弊社では定期的に上司と部下で1on1をしていますが、
「この1on1の時間の価値を上げるためにはどうしたら良いか?」
を考え続けていました。
そんななか、一緒にPodcastをやっている友人や過去の経験から一つの考えに至ったので、自分と同じような悩みを抱える人のヒントになればと思い記事を書いてみました。
前提
- 1on1は、「会社に時間枠を設定される1on1を想定しています」
-
会社の意見ではなく、一個人としての意見です
(いろんな考えがあるべきだと思ってます)
忙しい人のために
1on1で成すべきことは、
- メンティーは「自分のチャレンジを応援し、チャレンジを一緒に考えて欲しい」ということを 伝える べし
- メンターは、メンティーに自分一人で思いつかなかったチャレンジをさせるべし
- そのチャレンジに向けて、メンターとメンティー2人で走り続けるべし
1on1で本当に成すべきこととは?
世の中の標準的な考え方から、1on1で本当になすべきことは何か?を掘り下げてみます。
参考としてパーソルさんの記事を引用し、1on1の目的を確認してみます。
1on1の目的
企業が1on1を行う目的は、主に以下の2点が挙げられます。
・部下の成長促進
・企業の組織力強化
引用: 1on1とは?目的や話す内容・面談との違い【取り組み調査あり】
上記が一般的に言われる、1on1の目的だと思います。
目線が経営目線になっているので、1on1を実際にやる我々目線でもう少し噛み砕いてみると、
- メンティーの成長促進
- メンターとメンティーの関係値の向上
(→仲間が多い方が社員の帰属意識に繋がる→組織力強化)
ということなんだろうなと思います。
上記がメンターとメンティー目線での「目的」だと考えています。つまり、「1on1を幾度も繰り返すことで徐々に達成すること」です。
ここからさらに「1on1でなすべきこと」をわかりやすくするために、1回の1on1でなすべき「目標」に落とし込んでみます。
参考:
目的が「最終的に成し遂げようとする事柄や目指すべき到達点」を意味するのに対して、目標は「目的を達成するための指標」を指します。
引用: 目的と目標の意味の違いをわかりやすく解説|手段の目的化
1on1の目標
1on1の目的である、
- メンティーの成長促進
- メンターとメンティーの関係値の向上
を達成するために、1回1回の1on1では、
- メンティーのチャレンジが決まる
- メンターとメンティーがちょっとだけ仲良くなる
ことが目標になると考えています。それぞれ理由を説明します。
メンティーのチャレンジが決まる
1on1の目的の一つで、「メンティーの成長促進」というものがありました。
この「成長促進」というのが少しわかりづらく、具体的にどういうことなのか考えてみました。
成長とは?
私は成長とは、「できなかったことができるようになること」であると考えています。これは、私だけではなく多くの人が経験則的に共感してくれるのではないかと思っています。
そしてこの「できなかったことができるようになること」を達成するためには、「やったことないことをやってみる」というのが必須だと思っています。
もちろん何かを習得する上では、反復も必要ではありますが、第一歩目には「やったことないことをやる」フェーズがあります。これは一言で言うとチャレンジだと思います。
このチャレンジがあれば人間は成長するし、チャレンジがなければ成長しないと思います。
成長を「促進」するということ
チャレンジをすれば人間が成長すると思うのですが、それを「促進」するというのはどういうことでしょうか?
促進は文字通り 「促す」 ことだと思います。
そのため、メンティー個人では設定し得ないようなチャレンジを設定することができると、非常に理想的だなと思います。
メンターはそのチャレンジを応援し、どうすれば達成できるかをメンティーと一緒に考えることで成長を「促進」させることができると思います。
「成長」と「促進」ということを考えてみると、
「メンティーのチャレンジを決めて、それを応援する」
ということが、メンティーの成長促進に必要な具体的なアクションだと考えました。
メンターとメンティーがちょっとだけ仲良くなる
人間が仲良くなる方法はたくさんあると思いますが、チームビルディングでもセオリーなのが、「共通の敵を作る」ということだと考えています。
共通の敵を作ると仲良くなる例を幾つかあげてみます。
-
チームビルディングのワーク「マシュマロチャレンジ」
- チームでマシュマロ、乾麺のパスタ等を組み合わせ、最も高いタワーを作ったチームが優勝というゲーム
- 仲間同士でその場にいない人の陰口を言うとちょっとだけ仲良くなる
- 劇場版のジャイアンがいいやつに見える
- 劇場版では、のび太とジャイアンに共通の敵が現れるため、普段は敵対しているのび太とジャイアンの関係が改善し、いいやつとして描写される
上記に挙げた例だけではなく、これは誰もが体験したことがあることだと思います。
繰り返しますが、「共通の敵を倒すために協力する」ことで、人間は仲良くなるんです。
1on1でなすべきこと
ここで、「メンティーのチャレンジが決まる」「メンターとメンティーがちょっとだけ仲良くなる」の話がつながります。
「メンティーのチャレンジ」を共通の敵とすると、「メンティーのチャレンジが達成できるように一緒に考える」だけで、1on1の目標である「メンティーのチャレンジが決まる」「メンターとメンティーがちょっとだけ仲良くなる」を達成できてしまいます。
それゆえ、私は、「メンティーのチャレンジが達成できるように一緒に考える」ことが1on1でなすべきことであると考えています。
過去に良い1on1だと思ったもの
この考えに至ったのは、今年みてきた良いメンターからのアドバイスの共通点として、「メンティーのチャレンジを設定し、応援する」ことだと思ったからです。
少しだけ身の回りの例を紹介します。
Webクリエイターボックス運営のManaさんのアドバイス
私が配信しているPodcastでManaさんとコラボした回があり、そこで良いメンターの振る舞いを見ました。
Podcastを一緒にやっているじゅんぺいは将来海外でエンジニアとして仕事をする夢を持っています。そんな彼に対して、Manaさんは「いまできることをいますぐ何かやるべき」「カナダで仕事をしている人とPodcastでコラボしては?」のようなアドバイスをしていました。
結果としてじゅんぺいは、カナダで仕事をしているエンジニアのPodcast「バンクーバーのえんじに屋」さんとのコラボを実施し、それがきっかけで6月にカナダへ行き、海外での仕事に向けた情報収集やネットワークづくりを実行していました。
これらのアクションはManaさんの ふとした一言をトリガーにアクションしている のを間近で見て、これが良いメンターのアドバイスなのだと感じました。
一緒にPodcastをやっているのりさんの例
一緒にPodcastをやっているのりさんは、会社で「とにかく技術力を上げたい」という悩みを抱えていました。
自ら1on1を先輩エンジニアに申し込み、「Laravelを写経してみよう」というアドバイスを受けていました。
このアドバイスもすごいなと思っていて、
「本人だと踏み出せないけど、漠然とした悩みの解決策になりうるアクション」
を提案し、メンティーにチャレンジを促しています。
1on1で本当に成すべきこととは
今まで書いてきたことから、私は
「メンティーのチャレンジを設定し、チャレンジの達成に向けてメンターとメンティーで考え続けること」
が1on1でやるべきことであると考えています。
これは、「メンティー側」のアクションが必要だと思います。
昨今XXハラスメントに配慮しながら仕事をしていく必要があるので、上司や先輩はメンティーに対して遠慮があるはずです。
メンティーとしては、「チャレンジを一緒に考えて応援して欲しいんです」ということを伝えることで、良い1on1ができるようになると思いました。
この記事を書く前に、私も上司に「チャレンジを一緒に考えて応援して欲しいんです」と伝えてみました。
そうすると、やはり会話の内容も変わったなと感じています。
もし私と同じような悩みを抱えていて、解決策がわからない人は自身のやりたいことを言葉にして伝えてみましょう。きっと損はしないはずです。
これは、人対人なので唯一解がないのは理解しているつもりです。別の意見があっても良いと思います。
私自身の知見も深めたいので、もし別の視点や考え方があればコメントで優しくお伝えいただけるとありがたいです。
おまけ
こちらの記事の話題については、Podcastでもお話ししています。
家事等をしながら、ながら聞きでどうぞ!!