Microsoft Storeに個人で3本のアプリを公開して分かったこと【S-Calcシリーズ開発記録】
1. はじめに(目的と背景)
現在私は個人でWindows向け関数電卓ソフト「S-Calc」を開発し、HPおよびMicrosoft Storeで公開しております。
S-Calcは “学習”・“業務”・“化学用途” などに使うことができる、シンプルな高機能関数電卓ソフトを目指しました。
今回は、Microsoft Storeに3本展開した体験と、名称変更や重複ソフトの削除に関する知見を共有します。
2. 公開したソフトの紹介
私は出身高校が工業高校の化学科で出身大学が理系四大の化学科となっておりまして、SEとして就職後にPCで使いやすい関数電卓が欲しいなと思い、個人事業主として開業した今S-Calcを開発しました。
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S-Calc Full
- 概要:高機能関数電卓(カスタム関数・定数管理)
- ストア:Microsoft Storeは こちら
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S-Calc Lite
- 概要:高機能関数電卓(機能制限版)
- ストア:Microsoft Storeは こちら
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S-Calc Periodic Viewer
- 概要:周期表ビューア(S-Calc Full からの機能の抜き出し)
- ストア:Microsoft Storeは こちら
- 開発はC#.net / WPF / .net8
- 数式評価にはxFunc.Mathライブラリを活用
※logの第1パラメータは底、第2パラメータは真数
※原子量などのボタンを押下することで、電卓ソフトの式部分に対応した値が挿入される
3. 複数ソフトの管理と反映のずれについて
- Partner Center(開発者側)では製品の削除操作が完了していても
→Microsoft Store側では最大48時間ほど表示が残る
ex)S-Calc_PeriodicViewer
を削除後も、しばらく Store 上に表示が残存 - 製品名の変更も反映には時間差あり
「反映が遅れているだけなのか?」「本当に削除されたのか?」が分からずに焦ることもある
対応策として「Partner Centerの更新履歴」と「ストア上での反映」を照らし合わせることが大事
例として、Store上では命名規則に一貫性がない箇所が見受けられます(詳細は末尾のリンクをご参照ください)
4.命名ミスや重複登録に対する対処
- 初期登録時、誤って
S-Calc_PeriodicViewer
とS-Calc PeriodicViewer
の両方を作成 - Partner Center上では「New Product」単位で管理されるため、意図せずに重複しやすい
- 修正方法:
→ 間違えた方を削除申請し、残す方を正式な製品名に修正
→ ただし「削除完了=すぐにStore非表示」とは限らない
→ 現在は削除申請中ですが、すぐには反映されなかったため、2025年7月9日時点では「非表示設定」で対応しています
5.個人開発の難しさと工夫
- 公開までにかかった作業:UI設計・ローカライズ・パッケージング・説明文翻訳
- プライバシーポリシーやサポートページの整備も求められる
プライバシーポリシーURLは以下
https://itechem.jp/privacy/ - 商用公開ならではの壁:審査基準、著作権
- とはいえ、自作ソフトを世界中のユーザーに届けられるという価値は非常に大きい
→当初はHPにて販売をしておりましたが、やはりそもそもの閲覧者が少ないので販路を広げるという目的からMicrosoft Storeでの販売をしたというところになっております
6.終わりに
- Microsoft Storeでソフトを出すことで会社勤務時には体験できなかった「開発 → 公開 → 管理」という実体験を得ることができました
- 特に反映のラグや名称ミスの対応は、初めての人にとって躓きやすいポイントです
- この記事が、個人開発や企業で初めてMicrosoft Store公開を検討している方の参考になれば幸いです
付録・参考リンク
- Microsoft Storeリンク(S-Calc Full)
- Microsoft Storeリンク(S-Calc Lite)
- Microsoft Storeリンク(Periodic Viewer)
- 開発者・製品紹介HP