本稿は、『Qiita エンジニアフェスタ 2021「今まで買ってよかった技術書を紹介しよう!」』 向けの投稿です。
はじめに ~ 2冊を推薦する理由
以前、レポートや報告書の書き方の本を30~40冊ほど読んたことがありました。結果、まずはこの2冊読んでおけば充分なのでは?と理解した2冊を紹介します。
1. 『レポートの組み立て方』 木下是雄 著、1994年、ちくま学芸文庫
2. 『【新版】日本語の作文技術』 本多勝一 著、2015年、朝日文庫
これらの2冊は、事実・意見を的確に伝える文章について論じています。
どちらの書籍も、
- 文章を書く際の原理、原則
- なぜそう書くべきかの理由
が明確で、本書で記述の定石を理解できたら、いろいろな形式の文章に応用できます。
また、
- は主にレポートの作成
- は主に文章の作成
に重きを置いて記述されているため、2冊読むことで補完的に知識を習得することができます。
書籍の紹介
以下、書籍で「理解・習得できる」 & 「目からウロコが落ちる」要点を3つに絞って列挙します。興味を持たれたらぜひ実際に読んでください。
『レポートの組み立て方』
・理解・習得できるポイント
- 事実と意見を区別することの大切さ
- レポート作成の順序 ~ 主題の決定、材料の収集、構成案の作り方
- レポートの文章の書き方 ~ 叙述の順序、明確・簡潔な文章、パラグラフと中心文
『日本語の作文技術』
・理解・習得できるポイント
- 適切な修飾の順序
- 伝わる句読点のうちかた
- 助詞の使い方 ~ 三上文法をもとに「日本語は、主題はあるが主語はない」
おまけ
以前、ハードの設計部門のひとに、「ソフト設計の人は、日ごろから論理的にプログラムを書いているはずなのに、どうして日本語の文章は下手なの?」と聞かれたことがあります。
その時の私の回答は、我ながらなかなか良かったんじゃないか? と思っています。
「日本語が下手な人は、プログラムも下手です。そういう人は非論理的で、ちゃんとしたプログラムも書けません」
推薦した書籍の著者はどちらも、文書全体から単語の修飾レベルまで一貫して、日本語を構造的にとらえて議論しています。これはプログラミングの考え方に近いです。つまり、日ごろからプログラムを構造的に書くよう努力している人ならば、人に伝わる報告書もすぐに書けると思います!
参考文献
『レポートの組み立て方』 木下是雄 著、1994年、ちくま学芸文庫
『【新版】日本語の作文技術』 本多勝一 著、2015年、朝日文庫