この記事の目的
プロジェクト管理についてゆるふわな感じで学びましょう。
あるある、と思いながら少しでも興味を持ってもらえればうれしいです。
プロジェクトリーダーを任されたんだけど、プロジェクト管理って何すればいいかわからない。
調べるのも面倒くさい。という方向けのレベル。
内容
導入
私はルームシェアをしていて3人で生活しています。
みんなズボラなので料理などは全くやりません。
そんなある日、徐(おもむろ)にカレーが作りたくなって居ても立っても居られなくなりました。
統合マネジメント
思い立ったが吉日。
早速同居人に今晩のご飯にカレーを作ることを提案しました。
しかしながら、一様に面倒だと、食べに行けばいいじゃないかと却下されてしまいました。。。
そう、みんなにはカレーを作る意義がなかったのです。
そこで私は、なぜカレーを作りたいのか、作ることで得られる達成感、深まる絆、愛、など、私たちにもたらされるものを丁寧に説明し、みんなでカレー作りを始めることができることになりました。
スコープマネジメント
カレーと言ったらスパイス。
数百あるスパイスから何を選択するのかが醍醐味でしょう。
香り、辛味、色、まずは基本分野でそれぞれどのスパイスを選定するか早速作戦会議です。
・・・
なぜだか心なしかみんな怪訝な顔をしているように見えます。
それはみんなが求めるものではないと却下されてしまいました。
スパイスの調合は皆がカレー作りに求めることに対して必要ではなかったようです。また、スパイスから選定していたらそもそも夕食に間に合わないでしょう。
迸(ほとばし)る情熱の前に現実が見えていませんでした。
私の理想からは少し遠ざかってしまいますが、皆に説明したカレー作りの目的を果たせる要件、つまりみんなのニーズと実現性を勘案し、市販のルーと具材の選定を以ってカレーを完成させることで合意しました。
スケジュールマネジメント
あれこれ話していたらもうすぐ夕方です。
このまま行き当たりばったり作業していたら夕食に間に合いません。
下調べ(作り方すら知らない)、買い出し(調理道具すらない)、具材の選定、調達、準備、下ごしらえ、調理、... 必要な作業工程を洗い出し、夕食までの時間に間に合うように、それぞれの工程を行う時間を決めました。
調理道具と食材がまとめて購入できるスーパーを選定するなど、時間のロスを最小限にしてメンバー3人が無駄なく動ける導線を考えることで、なんとか夕食までの時間に完成できる目途が立ちました。
調達マネジメント
調理経験値がない我々だけでは計画の遂行が困難を極めることが予想されます。
できればカレー有識者をメンバーに誘いたいところですが、あいにくスケジュールとタイミングの都合上かないませんでした。
料理道具も借りるという選択支もあったのですが、これも間に合わず今回は新規購入することにしました。
今回購入するものは調理道具一式と食材一式になりました。
資源マネジメント
計画を遂行するための準備はまだまだ必要です。
スケジュール通りみんなが本当に動けるのかしっかり検討する必要があります。
それぞれが並列で動くので刻々と変化する状況に対して密に連絡を取りながら進める必要があります。
ちゃんと連絡が取れるようスマホを持ってもらい、買い出しで想定と違うことが起こったタイミングですぐに私に連絡をしてくれるよう伝えました。
また、料理経験値0なので、1人には野菜の切り方とか学習してもらう時間も設けることにしています。
そこの買い出しに行きたくないとごねているやつはまず精神の訓練からです。
カレー作りを成功させるためにはそれぞれの分担がカギとなること、加えてカレーのすばらしさを再び説いたらやる気が出たようです。
コミュニケーションマネジメント
連絡は問題が起きた時だけでは足りません。
買い出しが順調に推移しているのかリアルタイムでの状況把握が必要です。
状況にかかわらず定時連絡をすることに決めました。
新玉ねぎしかなかったからそれにした、みたいな些細なことが完成するカレーに大きな影響を与えます。
リスクマネジメント
このカレー作りは絶対に成功させたいです。
冷静さを取り戻した私は、不測の事態に備え様々な対応策を考えました。
もし、欲しい具材が売っていなかったら・・・
もし、調理に失敗してしまったら・・・
もし、・・・
買い出しのリストに代替食材もリストし、可能な限りリカバリ可能な選択肢を準備しました。
コストマネジメント
当初の要件の一つで、みんなで出せる金額の制限がありました。
私は最高のカレーを作るために費用は惜しまない思いだったのですが、1食の材料費に1000円以上出せないそうで諸々を加味した上限額を決めました。
そんな中困ったことが発生しました。
買い出し中に、具材が思いのほか1食分丁度で購入することができず、当初計画していた費用より多くかかってしまうことがわかりました。
しかし万全の準備をしていたので恐るるに足らずです。
調理道具買い出し係に連絡し、ダイソーの安い道具で揃えてもらうよう計画変更しました。
品質マネジメント
各工程に抜かりはありません。
ついにカレーは完成間近です。
途中経過の味見もしっかりやっていきましょう。
・・・・
「なにこれ・・・?」
メンバーから発されたのは予想だにしない言葉でした。
「辛くて食べれない・・・・・」
カレーといえば辛さ。
勿論、食材係の私が用意したのはLEE辛さ20倍のルーと鷹の爪1袋。
どうやら”おいしい”という共通認識に齟齬があったようです。
客観的に見ると品質は最悪の状態です。
ステークホルダマネジメント
残念ながら今回のカレー作りは失敗してしまいました。
よくよく、今回のメンバー内のおいしいとは何かを定義してみると、
- 辛さこそ正義。サラサラのルーにパラパラの米。ルーを邪魔しない大粒の野菜。ルーと米は別盛り
- 適度なスパイスとドロドロのルー。いろんな具材てんこ盛り。米の上全体にルーをかける
- 常識的に考えて星の王子様が一般的なカレーに決まってるだろ
という様々な観点があることがわかりました・・・
振り返ってみると、作るカレーの方向性については殆どすり合わせをすることなく進めてしまったことに気づきました。
根本的なことですが、料理しないことが総じてか、料理の味付けにそれぞれの価値観があること自体に注意が向けられませんでした。
もし次の機会があれば、食材のリストなど必要な情報を細かく提供し、合意形成を得ながら進めていきたいです。
さいごに
みんなの好みを聞く中で共通することとして、ほうれん草の夏野菜カレーみたいな野菜が多めに入っているカレーが好きだということがわかりました。
我々もこまめな報連相を大切にしていきましょう。
ステークホルダーとプロジェクトメンバーが一緒になってしまったので少々分かりづらいかも。
※この物語はフィクションです