#2009年からオープンガバメントに取り組んできたが、やっとみんなに注目されるところまでやってきた。
取り組み当初は、メディアの人に、「インターネット・オタクの取り組み」、「そんなの世論を反映していない」と言われたものだ。もちろんオープンガバメントの取り組みを応援してくれる人も多かったものの、PRが足りないと叱責を受けたものである。
それでも地道に取り組んでいたら、やっと2012年に本格的にブレイクし始めた。
#2013年のテーマは、安定したオープンガバメントの基盤作りであった。
実導入を前提とした実証等によるユースケースの創出を図るとともに、持続的にオープンデータを推進するためのエコシステムの整備を推進してきた。そのため、データカタログサイトOpenDataMETIを構築・運用し、語彙の基盤IMIを作ってきた。
データカタログサイトといっても先例のないものを作るだけに、現場の説得、メタデータ構造の作り方、データの名前の付け方等、悩みの連続であった。例えば白書を見ると、和暦/西暦、年/年度、白書の前に年があったり後ろにあったりと千差万別である。これらの公表の方法の検討、収集フロー等の整備を行ってきた。
また、語彙の基盤の構築も国内でこれほど大構想なものは先例がなく、基軸はどこに置くのか、国際協調をどう考えるのか、深さはどこまで考えるのかといった検討の毎日で、仮の案をもとに実データを当てはめ修正ということの繰り返しであった。それでも、様々な専門家の支援を受けながらなんとか道筋をつけられた。
これらの経験を活かし、国のデータカタログサイトが近日公開される等、なんとかオープンデータの基盤を作ることができたのではないか。
#あらためて、オープンガバメントの基本視点であるTransparency、Participation、Collaborationに立ち戻ってみよう。
Transparencyに関しては、データの公開という点では、まだ改善点は多いものの、かなり頑張ってきたのではないかと思う。しかし、プロセスの公開という点では十分ではない。会議等の資料や議事は公開されるものの断面の情報にすぎず、1年間のタイムラインで見ると限られた情報しか公開されていない。twitterによるこまめな情報発信は、そこを補完できたのかなと思っている。
Participationに関しては、これまでの、市民活動、業界活動、勉強会とは違った層の違った形での参加が進み、アイデアソンやハッカソンが各地で行われている。また、オープンデータ・アイディアボックスでは多くの意見を頂戴している。このように、新しい社会参加の仕組みが出来上がってきている。
Collaborationはどうであろうか。まだ改善の余地が大きいのではないか。自治体ではアイデアソンやハッカソンへ職員が参加する良い事例が増えてきている。そこでの議論や作業を、多くの参加者が有意義と評価している。一方、府省からの参加者は少なく、Collaborationというレベルに達していないのではないか。ネット上の議論であるアイディアボックスも双方向の会話レベルで活用できる府省は一握りである。
#さて、2014年に向けては、Collaborationの年にしていきたい。
データの公開等を実施してきた府省や部署も含め、「では、それをどう使うのか」、「データの可能性を引き出すのはどうしたらいいのか」を、官民の参加者全員で考え解を出せないだろうか。目的志向で多様な視点で考えると様々なヒントが出る。また、「そんなことが伝わっていなかったのか」「それなら一緒にやりませんか」という気づきが沢山ある。こんなCollaborationができましたと、いくつもの成功が出てくるように役所の中のマインドセットの変化に取り組んでいきたいものである。