概要
公開されているデータベースから分子の3Dモデルをダウンロードして、家庭用の3Dプリンタで出力可能な形式のファイルを生成する方法を簡単に紹介します。
モデルの入手
低分子やタンパク質の情報を集めたデータベースが公開されており、構造・物性・形状などの情報が登録されています。
下の例に紹介するように、ウェブでデータベースにアクセスして簡単に3Dモデルをダウンロードすることができます。
- 低分子
PubChemにアクセスし、分子名で検索。
個別ページにアクセスして、3D ConformerのところからSDFファイルをダウンロード
- タンパク質
RCSB PDB にアクセスしてタンパク質を検索。
download filesからPDB formatを選択してpdbファイルをダウンロード。
上で挙げたのは一例で、データベースはほかにもいくつも存在します。
ビューワ
PyMOL, Chimeraなどをはじめとして研究用にいくつか分子モデル処理用のツールがありますが、今回の目的にはCueMolが直接.stlファイルを出力でき、インターフェースもシンプルで便利だと思います。
モデル出力
ダウンロードしたファイルをCueMolで開くと分子モデルが表示されます。
Rendering -> Export Sceneで表示しているモデルの.stlファイルを保存できます。
下は保存した.stlモデルをCuraで開いてみた様子です。
引用・ライセンス
PubChemはパブリックドメイン、PDBは基本的にCC BY 4.0ライセンスなので常識的な使い方をしている限り問題はないはずですが、出典を乗せられるときは引用元がわかるようにしておくのがよいマナーかと思います。
参考にしたページ
- 構造生物学と3Dプリンタ http://www.protein.osaka-u.ac.jp/rcsfp/supracryst/suzuki/jpxtal/Katsutani/3dprinter_cube.php
- CueMol http://www.cuemol.org/ja/
使用したモデル
- 2'-Deoxyadenosine https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/13730