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データ抽出=作業、と扱われないためにするべき3つのこと

Last updated at Posted at 2019-11-28

この記事はAteam Brides Inc. Advent Calendar 2019 4日目の記事です。

問いかけ

マーケターやアナリスト、営業など社内の人から「このデータがほしいから出して」と依頼される皆さん。

その業務、正当に評価されていますか?
作業扱いされていたり、軽視されていませんか?

今回は、そんな現状を打破するために取るべきアクションについて考えてみました。

結論

取るべきアクションは3つです。

  1. SQLが書ける≠データ抽出ができる、を伝える → 専門性を理解してもらうため
  2. 成果を見える化する → 必要性を実感してもらうため
  3. 評価者を変える → 正当に評価してもらうため

1.SQLが書ける≠データ抽出ができる、を伝える

プログラミングと違い、SQLは「勉強したい」「自分も書けるようになりたい」という声を社内でもよく聞きます。
正直この気持ちは素晴らしいものだし応援もしたい派です。

ただ、SQLが書ける=データ抽出ができる、と思っている人がとても多い。

この方程式が生まれてしまうことで、データ抽出業務に対する専門性の理解が薄れてしまっているのではないでしょうか?

なぜ、SQLが書ける=データ抽出ができる、と思われてしまうのか?

それは、最終成果物の地味さなのかもしれません。

開発やデザインのように世に出ることはありません。
営業のように直接売上を生むこともありません。
出てくるのは、ローデータが出力されているExcelファイルのみです。

もう一度いいますが、「これなら私も頑張ればできるかも!」と思って勉強するのはとても良いことです。
ただ、そこから派生してデータ抽出業務を軽視されてしまうことが問題なのです。

では、どのようにして専門性を理解してもらうのか?

普段から自分が行っている業務に対して、どんな環境下でどんな知識を使っているのか、を伝え理解してもらうことが重要です。

SQLを学習してから実際にデータ抽出をできるようになるまでには、間にデータの理解というフェーズが入ってきます。

SQLは所詮文法なので覚えるだけ。
どちらかといえば、このデータの理解が一番大変であり、かつ専門性を必要とするフェーズなのです。

例えば…

  • データベースの中に、何十個、何百個とテーブルが存在している。
  • 1つのテーブルに複数の事実をもたせてしまっている。
  • 今も使われているかがわからず、データの鮮度が謎。

こんな状況下で、覚えたてのSQLを使って欲しいデータを抽出することができるのでしょうか?

ただし、伝える上で偉そうな態度をとったりマウントを取ったりするのはNGです。
あくまで、自分がどんな環境下でどんな知識を使っているのかを伝えるだけです。
評価者が理解できなかったとしても、それだけ専門性の高い領域なんだと感じてもらえれば上々です。

2.成果を見える化する

1でも述べましたが、データ抽出業務が直接売上を生むことはほぼありません。

では、ここでいう成果とはなにか?

それは抽出したデータを使う人の成果です。

データをもとに意思決定をし、その先で成果を上げた人が居たとします。
あなたがそのデータを渡さなかったら、本当にその意思決定を下せたのでしょうか?
仮に渡さずに意思決定を下せたとしても、下すまでに余分な時間をかけていたのではないでしょうか?

あなたがデータ抽出業務をしたおかげで、スピード感を持ってその先の成果に繋げることができたのです。

業務は点ではなく線で行われることがほとんど。
データ抽出業務は、データエンジニアが作ったデータと、それを活かす意思決定者を線で繋ぐ大切な業務なのです。

では、どうやって成果を見える化するのか?

これは自分自身かなり迷走した部分でもあるのですが、最終的に行き着いた答えとしては、仕組み化でした。

  1. データ抽出業務の依頼をもらう際に、その先でいつどんな成果が期待されるのかを一緒にヒアリングする。
  2. 後日、その成果が見込めるタイミングで再度依頼者にヒアリングし、結果がどうだったかを確認する。
  3. そこで成果が生まれていれば、それを成果としてストックし、仮に生まれていなければ、何が問題になっていて、それを検証するためにはどんな事実が必要なのかを再度ヒアリングする。

若干、データアナリストに近い動きにはなりますが、データを扱う立場として明確な棲み分けはないので、自分自身の領域を広げるという意味でも、一歩踏み込んで依頼者とコミュニケーションを取ることをオススメします。

もし依頼内容が「成果とかは特になくて、とりあえず見てみたいんだよね」的なものだとしたら、何のために必要なのかをもう少し深堀りしてみましょう。
きっと、目的の先に成果があるはずです。
逆にそれが見えてこなければ、断ることも時には必要です。
あなたの工数だって有限なんですから。

3.評価者を変える

上司がデータ抽出に対する専門性は理解したが、スキルのレベル感に乏しい場合を考えてみます。
この場合、いきなり中身の話をしても理解してもらえないのが関の山でしょう。

1つの手段としては、評価してもらいたい項目によって評価者を変えることです。
例えば、行動や成果に関しては、データ抽出に対する理解が乏しくても、定量的に評価することができるため、直属の上司に評価してもらうのが良い。
逆に、データベースやSQL、BIツールといった専門性を問われるものに関しては、データアナリストやエンジニア組織の人間に、自身の評価をつけてもらい、それを上司に伝えるのが良いでしょう。

もし他の組織にも評価基準がなかったら?

ここで一番ダメなのは諦めること。
ないなら作ればいいのです。

と言ったものの、簡単なことでもありません。

例えば、同じ業務を行っているメンバーがいるのであれば、まずはそれぞれのスキルを言語化し、項目ごとにわけた上でレベル順に並び替えてみましょう。
そして、今出ているスキルの更に上はあるのかを考え、また言語化し落とし込むのです。

もしあなた一人しかいないのであれば、他社のデータアナリストの採用要件を見るのもオススメです。
必須スキル、歓迎スキルが書かれているので、あなたにないものがあれば、それをこれから先の評価基準に盛り込むと良いでしょう。

なお、最初は曖昧な表現になってしまうとは思います。
しかし、いきなりバシッと出来上がる方が逆に抜け漏れがある可能性があるため、随時アップデートを行うことが重要です。

まとめ

データ抽出=作業と扱われないようにするために必要な、3つのアクションの話をしました。

  1. SQLが書ける≠データ抽出ができる、を伝える→専門性を理解してもらうため
  2. 成果を見える化する→必要性を実感してもらうため
  3. 評価者を変える→正当に評価してもらうため

環境や状況によっては、できるできないがあるとは思います。
ですが、あなたの工数は有限であり、それを使って行っている「業務」ということを忘れないでください。
他者の理解も大事ですが、何よりもあなた自身が「データ抽出=作業」と捉えないことが大事なのです。

この記事が、あなたにとって少しでも役に立つ内容になっていれば幸いです。
読んでくださりありがとうございました!

▼Twitter
https://twitter.com/k_data_analyst

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