概要
- iPadやiPhoneにUSB-C接続のマイク・イヤホン・スピーカー等を接続したときに、iPadやiPhone本体の音声の再生出力先が強制的に外部デバイスに切り替わり、本体から音声が出せなくなるケースと、本体と外部デバイスのどちらから音声を出力するか選べるケースがあり、何が原因となっているかを調べました。
- 再生出力先が切り替えられるケースのメリットとしては、
例えば、iPadにUSBマイクを接続したときに、マイクから音声入力しつつ、iPad本体で流している音源は本体から出力するといった動作が可能になります。- このときに、外部のマイクの音声自体を本体から出力させたい(=モニタしたい)場合は、GarageBandでモニタ:ON、バックグラウンドで実行:ON あたりを設定するのが一番手っ取り早いです。
- なお、外部デバイスとしてUSBマイクを接続しつつも、iPad本体のマイクを有効にする方法は無いと思われます。
わかったこと
-
2022年以降に発売されたiPadでのみ再生出力先を本体に切り替えられることを確認しています。
- iPadOS(iPad Pro, iPad, iPad mini)であればどの種類でも対応しているようです。
- iOSは対応していないと思われますが、iPhone Proは未検証です。
- 対応していない機種については、Audiobusのようなルーティングアプリを用いても再生出力先を切り替えることはできません。
(もし間違っている点や動作確認した情報などあればコメントいただけると幸いです)
再生出力先の切り替え方法(一般的な方法)
1.コントロールセンターの再生中ウィジェットの右上にあるAirPlayアイコンを選択する
(コントロールセンターは、画面の右上隅から下にスワイプすると表示される)
2.AirPlayアイコン押下後は、以下のように接続中のオーディオ機器が表示されるので、ここで再生出力先のデバイスを選択する
- 上記画像は、iPad Pro 11-inch(第4世代)に対して、USBでShure MV7を、BluetoothでSRS-XB12を接続した際の様子ですが、再生出力先の選択ができない機種では"iPad"の選択肢が見えなくなり、USBの接続先とBluetoothの接続先しか選べなくなります。
- USB接続の際に、オーディオ機器との直接接続でなく何らかのコネクタを用いた場合でも類似の挙動になることを確認しています。
再生出力先の切り替え方法(特殊な方法)
- 再生出力先の切り替えに対応した機種では、ショートカットアプリを使い以下のような手順で再生出力先を切り替えることもできます。
2.新規ショートカット>メディア>再生出力先を変更 を選択する
3.画面上部中央の再生ボタンを押下するか、ショートカットをホーム画面に追加してそのショートカットアイコンをタップする
(参考)動作を確認した機種一覧
機種 | 発売年 | OS | チップ | USB | 再生出力先 選択可否 |
---|---|---|---|---|---|
iPad Pro 11-inch (第4世代) |
2022 | iPadOS 18.2.1 | Apple M2 | USB 4 | ◯ |
iPad Pro 12.9-inch (第5世代) |
2021 | iPadOS 18.1.1 | Apple M1 | USB 4 | ✕ |
iPad Pro 12.9-inch (第3世代) |
2018 | iPadOS 17.6.1 | A12X Bionic | USB-C | ✕ |
iPad Pro 11-inch (第1世代) |
2018 | iPadOS 17.7.2 | A12X Bionic | USB-C | ✕ |
iPad (第10世代) | 2022 | iPadOS 未確認 | A14 Bionic | USB 2 | ◯ |
iPad mini (A17 Pro) | 2024 | iPadOS 18.1.1 | A17 Pro | USB 3 | ◯ |
iPad mini (第6世代) | 2021 | iPadOS 18.0.1 | A15 Bionic | USB 3 | ✕ |
iPhone 16 | 2024 | iOS 18.2.1 | A18 | USB 2 | ✕ |