概要
- macOS版のDiscordやOBS等の音声入出力があるアプリで、入出力デバイスに多ch入出力できるオーディオIFを指定しても、音声の取得ができない場合、あるいは、そもそも入出力デバイスの選択肢に、接続しているはずのオーディオIFが出てこない場合の解決法を記載します。
- 元々自分用のメモとしてまとめたものを記事化したため、認識が誤っている点や全く別の解決法があるかもしれないので、その際はコメントなどでご指摘いただけると幸いです。
結論
原因
- macOS版のDiscordやOBSでは、1/2chの音声だけを入出力するデバイス、あるいは1/2ch分を独立して選択できるようなデバイスでないと、音声が正しく取得できなかったり、認識できなかったりするらしいです。
大まかな解決イメージ
- 例えば、オーディオIFの3/4chにマイク音声を入力し、7/8chでMacの内部音声をイヤホンで聞いている環境があったとしたら、以下のように仮想オーディオデバイスを間に挟んだルーティングを設定すれば解決できます。
- Discordの例:
- マイク音声だけをDiscordに入力し、マイク音声とMacの内部音声をMixしたものと、Discordの音声出力をOBSに入力する例:
(後述するLoopbackを使うとこのような自由度の高いルーティングも簡単にできます。BlackHoleやSoundflowerでも仮想オーディオデバイスをもう一つ増やすことで実現できるかもしれないですが未検証です。)
仮想オーディオデバイス(+仮想ミキサー)の主な選択肢
- a. Loopback(有料)
- b. BlackHole + LadioCast(無料)
-
c. Soundflower + LadioCast(無料)
- SoundflowerはM1チップMacは非対応です。 -
d. eqMac Basic(無料)
- Discordの音声出力をオーディオIFで正常に取得するだけであれば、eqMacを起動してBypassさせるだけで解決できます(本記事末尾の画像参照)。ただし、eqMacは基本的にイコライザ用途のアプリなので、LoopbackやLadioCastのようにルーティングを設定することはできません。
おすすめはLoopback
- 有料アプリ(買い切り)ではありますが、Loopbackがあれば音声ルーティングに困ることはまず無くなるほど、自由度の高い設定ができるのでおすすめです。
- Loopbackが他の仮想オーディオデバイスよりも良い点は以下の通りです。
- ルーティング設定時に出力デバイスの指定だけでなく、そのchまで指定でき、UIも非常にわかりやすい。
- Macの内部音声を入力側に使いたい場合、起動しているアプリごとに出力音量やON/OFFを設定できる。
- 仮想オーディオデバイスの追加がUI上で簡単にでき、わざわざAudio MIDI設定アプリで"機器セットを作成"する必要がない。
具体的な設定例
- 以下のデバイスを使用しているMac環境で、LoopbackまたはeqMacを使ってDiscordの音声出力を取得する場合の各アプリの設定例を以下に記載します。
- 音声入力:USBマイク(RØDE NT-USB)
- 音声出力:オーディオIF(RME Fireface UCX II)