概要
TypeScriptに関して以下の流れでざっくりとまとめました。
TypeScriptとは?
TypeScript
とはJavaScriptを拡張したプログラミング言語で、「静的型付け
」・「クラスベースオブジェクト指向
」等の特徴を持ちます。
TypeScriptの利点
TypeScriptを使用する事には以下の様な利点があります。
- 静的型付けで明らかなエラーを防ぐことが可能で、ディバグもより簡単である。
- クラスベースオブジェクト指向のため、大規模開発においての開発効率コストが削減ができる。
インストール
npm
を使用する事で簡単にインストールできます。
$ npm install -g typescript
以下のコマンドでインストールが出来た事を確認しましょう。
$ tsc -v
$ Version 3.3.3333
コンパイル
TypeScriptのソースコード(.ts
)は、そのままでは実行できず、JavaScriptにコンパイルしてから実行します。
以下の様にtsc
を使用する事でコンパイルが可能です。
$ tsc main.ts
複数のファイルを指定したり、全てのファイルを指定する事もできます。
# 複数ファイルのコンパイル
$ tsc main.ts workder.ts
# 全ての.tsファイルをコンパイル
$ tsc *.ts
--watch
オプションを使用する事で、指定したファイルに変更がなされたら自動でコンパイルさせる事も可能です。
$ tsc main.ts --watch
静的型付け
TypeScriptの大きな特徴の1つが静的型付け
です。
簡単に言うと、__宣言する変数に格納できる型を指定できる機能__です。
下の例を見ると、変数、関数の仮引数、関数の返す値 の全てに型を定義している事がわかります。
// 変数に型を与えて宣言。
var onigiri: string = 'onigiri', // String型
calories: number = 200; // Number型
// 関数の仮引数にも受け入れる型を定義。
// {}の前にあるstringは関数の返す値の型を定義している。
function todaysMeal(food: string, energy: number): string {
return `My ${food} has ${energy} calories`
}
todaysMeal(onigiri, calories)
上記のTypeScriptファイルをコンパイルすると以下の様なJavascriptファイルになります。
Javascriptは型など知らないので、型付け部分は完全に無視されています。
var onigiri = 'onigiri', // String型
calories = 200; // Number型
function todaysMeal(food, energy) {
return "My " + food + " has " + energy + " calories";
}
todaysMeal(onigiri, calories);
もし以下の様な不正なTypeScriptファイルをコンパイルしようとすると、エラーを発生させます。
// 変数に型を与えて宣言。
var calories: number = 'Calories'; // Number型
$ tsc main.ts
main.ts:3:5 - error TS2322: Type '"Calories"' is not assignable to type 'number'..
関数に誤った型の値を渡した際にもコンパイル時にエラーを発生してくれます。
function todaysMeal(food: string, energy: number): string {
return `My ${food} has ${energy} calories`
}
// Number型のenergyに文字列を渡している。
todaysMeal('FOOD', 'A LOT OF')
$ tsc main.ts
Argument of type '"A LOT OF"' is not assignable to parameter of type 'number'.
代表的な型
静的型付け
を学んだ所で、TypeScriptで使用される代表的な型を学びましょう。
-
Number
: 全てのNumericの値。 -
String
: 文字列。 -
Boolean
: trueかfalse -
Any
: この型をもつ変数は全ての型の値を持つ事ができます。 -
Void
: 関数が何も値を返さない時にセットされる型です。
インターフェース
インターフェース
はオブジェクトがある構造に合っているかどうかの型チェックに使用されます。
インターフェース
を定義することによって、変数の特定の組み合わせに名前を付けることができ、それらが常に一緒になることを確実にします。
// Personインターフェースをとその要素を型と共に定義。
interface Person {
name: string;
age: number;
}
// 関数はPersonインターフェースの構造を満たすオブジェクトを受け取る。
function intro(person:Person): string {
return `My name is ${person.name}. I am ${person.age}!`
}
// Personインターフェースの構造に従う変数を定義します。
var ken = {
name: 'Ken',
age: 20
}
// 関数を実行します。
intro(ken) //=> My name is Ken. I am 20!
上記のTypeScriptファイルをJavascriptにコンパイルすると以下の様になります。
function intro(person) {
return "My name is " + person.name + ". I am " + person.age + "!";
}
var ken = {
name: 'Ken',
age: 20
};
intro(ken); //=> My name is Ken. I am 20!
クラスベースオブジェクト指向
JavascriptでもES6からclass
を用いた記法が出来るようになりましたが、TypeScriptのクラスベースオブジェクト指向
とはやや書き方が異なります。
class Menu {
items: Array<string>; //文字列の配列を表します。
pages: number
constructor(item_list: Array<string>, total_pages: number) {
this.items = item_list;
this.pages = total_pages;
}
// Method
list(): void {
console.log("Our menu for today:");
for(var i=0; i<this.items.length; i++) {
console.log(this.items[i]);
}
}
}
// Menuクラスのインスタンスを作成します。
var sundayMenu = new Menu(["pancakes","waffles","orange juice"], 1);
// メソッドを呼びます。
sundayMenu.list();
また、以下の様にしてクラスの継承が可能です。
// Menuクラスのインスタンスを作成します。
var sundayMenu = new Menu(["pancakes","waffles","orange juice"], 1);
// メソッドを呼びます。
sundayMenu.list();
class HappyMeal extends Menu {
// Properties は省略可能だがconstructorは定義する必要あり。
constructor(item_list: Array<string>, total_pages: number) {
super(item_list, total_pages);
}
}
// HappyMealクラスのインスタンスを作成
var menu_for_children = new HappyMeal(["candy","drink","toy"], 1);
// 継承されたメソッドを実行。
menu_for_children.list();
Generics(ジェネリックス)
Generics(ジェネリックス)に関しては別ポストにまとめました。
【TypeScript】Generics(ジェネリックス)を理解する