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RFC 7239 - Forwarded HTTP Extension を掻い摘んでみる

Last updated at Posted at 2018-09-09

何の情報?

RFC 7239でHTTPのForwardedヘッダを調べた時の記録。
日本語訳したわけではなく、情報をかいつまんで整理したもの。

Introductoin

近年、HTTPで通信する際にproxyが通信経路に含まれることが多い。
proxyが通信経路に含まれると、HTTPサーバに到達するパケットの送信元IPアドレスは、実際のリクエストを送信したクラアントではなく、proxyのものになってしまう。
そのため、以下のような機能をHTTPサーバで利用しようとした際に、期待通り動作しない可能性がある。

  • アクセス分析などを目的とした統計情報収集
  • IPアドレスによるアクセス制御
  • 不正利用の検出

Forwardedヘッダは、proxyによって隠蔽されたクライアントIPなどの情報を得るために利用される。同様の情報を提供する下記の非標準ヘッダもあるが、Forwardedヘッダはこれらのヘッダ情報が統合されたイメージ。

X-Forwarded-For
X-Forwarded-By
X-Forwarded-Proto

Forwarded HTTP Header Field

ForwardedヘッダはOPTIONALなHTTPリクエストヘッダで、forwarding proxyやreverse proxyに適用する。セキュリティを考慮して、デフォルトはOFFにすべき。
Forwardedヘッダには例えば以下の情報が含まれる。

  • リクエストの送信元IPアドレス
  • proxy上でリクエストを受け付けるIPアドレス
  • HTTP, HTTPSなどのスキーム

通信経路上にproxyが複数含まれる場合、各proxyで上記の情報を追加、削除することができる(必須ではない)。

ForwardedヘッダのABNF syntax

RFC7239から引用
Forwarded   = 1#forwarded-element

forwarded-element = [ forwarded-pair ] *( ";" [ forwarded-pair ] )

forwarded-pair = token "=" value
value          = token / quoted-string

token = <Defined in [RFC7230], Section 3.2.6>
quoted-string = <Defined in [RFC7230], Section 3.2.6>
  • 複数のforwarded-pairを含めることがでる
  • 各forwarded-pairは;区切り
  • forwarded-pairはtokenとvalueを=で連結したもの
  • パラメータ名(token)は大文字/小文字の区別なし

パラメータ名には下記4種類を指定可能。

パラメータ名 概要
by リクエストを受信したproxyのinterface
for proxyにリクエストを送信したノード
host proxyへのリクエストに含まれるHohtヘッダ値
proto リクエストのプロトコル(http, httpsなど)

Forwardedヘッダ例

RFC7239から引用
Forwarded: for="_gazonk"
Forwarded: For="[2001:db8:cafe::17]:4711"
Forwarded: for=192.0.2.60;proto=http;by=203.0.113.43
Forwarded: for=192.0.2.43, for=198.51.100.17

proxyがForwardedヘッダ値を追加する場合、下記いずれかの方法がある。

  • 新規ヘッダ:HTTPヘッダの末尾に新たなForwardedヘッダを挿入
  • 同一ヘッダ:HTTPヘッダ内の最後のForwardedヘッダに,区切りで値を挿入

前述の通り、proxyはForwardedヘッダを削除することが可能。
また、Forwardedヘッダが複数存在する場合は、更新対象のForwardedヘッダを正確に選択しなければならない。

補足

Viaヘッダとの違い

Viaヘッダも似たような用途で利用されるが、Viaヘッダはproxy自体の情報を格納するためのものであり、クライアント情報は含まれない。

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