Geth(go-ethereum)のインストールは各OSごとに
・Windowsの場合：ここから「.exeファイル」をインストール
・macの場合：「Homebrew」を利用してインストール
・Ubuntu（Debian系Linux）の場合：「apt-get」を利用してインストール
上記の方法で比較的簡単にインストールが可能ですが、CentOS（RedHat系Linux）の場合は「yum」がGethに対応しておらずソースコードからコンパイルする必要があり、また、依存関係やミドルウェアのバージョンが対応外等の問題があり、なかなか大変だったのではないのでしょうか？
そこで、新規にインストールしたCentOSにGethをインストールする際に起こりうる注意点やエラーを纏めてみました。
基本的方針は
・〇〇がインストールされてなければyumを利用（remi epel等のリポジトリを適用）してインストール、
・yumでインストールされたミドルウェアのバージョンが古い場合は、ソースからコンパイル
になります。
システム要件(20180426現在の最新版)：
・CentOS 最新版：7.4-1708
・Geth 最新版：1.8.6
・Go言語 最新版：1.10.1（Gethのインストールには1.9以上が必要）
・Git 最新版：2.17.0（Gethのインストールには2.0以上が必要）
・空き容量：約1.5GB必要
参考：epelリポジトリ及びremiリポジトリのインストール
yumをアップデート
# yum update
epelリポジトリのインストール
# yum install epel-release
remiリポジトリのインストール
# rpm -ivh http://rpms.famillecollet.com/enterprise/remi-release-7.rpm /
Gethのインストール方法
Gethをインストールする前にGo言語をインストール
# yum install golang
Gethのインストール
# git clone https://github.com/ethereum/go-ethereum
# cd go-ethereum
# make geth
# cp build/bin/geth /usr/local/bin
起こりうるエラー一覧
1. gethのインストール時
# git clone https://github.com/ethereum/go-ethereum
の実行時：
エラーメッセージ：
bash: git: command not found
エラー内容：
gitがインストールされていない
対応方法：
gitをインストール
# yum install git
エラーメッセージ：
gmp: command not found
エラー内容：
gmpがインストールされていない
対応方法：
gmpをインストール
# yum install gmp-devel
# make geth
の実行時：
エラーメッセージ：
make: command not found
エラー内容：
makeがインストールされていない
対応方法：
makeをインストール
# yum install make
エラーメッセージ：
build/env.sh go run build/ci.go install ./cmd/geth
ci.go:190: You have Go version go1.8.*
ci.go:191: go-ethereum requires at least Go version 1.9 and cannot
ci.go:192: be compiled with an earlier version. Please upgrade your Go installation.
エラー内容：
(yumでインストールされる)Goバージョンが古い
Goのソースコードをダウンロードして展開する
下記URL参照：
https://tecadmin.net/install-go-on-centos/
対応方法：
下記URLから最新版のGoソースコードを確認
（20180427時点では「go1.10.1.linux-amd64.tar.gz」が最新版）
https://golang.org/dl/
yumでインストールしたGoを一旦削除
# yum remove golang
Goのソースコードをダウンロードして展開する
# wget https://dl.google.com/go/{最新版のGoソースコード.tar.gz}
# tar -xzf {最新版のGoソースコード.tar.gz}
# mv go /usr/local
# export GOROOT=/usr/local/go
# export GOPATH=$HOME/{ホームディレクトリ配下のワークディレクトリ}
# export PATH=$GOPATH/bin:$GOROOT/bin:$PATH
エラーメッセージ：
No package golang available.
エラー内容：
(yumでGoをインストールする場合)Goがyumに対応していない
対応方法：
上記Goの「ソースコードをダウンロードしてコンパイルする」方法で対応
エラーメッセージ：
build/env.sh go run build/ci.go install ./cmd/geth
util.go:87: git tag -l --points-at HEAD: exit status 129
error: unknown option `points-at'
usage: git tag [-a|-s|-u <key-id>] [-f] [-m <msg>|-F <file>] <tagname> [<head>]
or: git tag -d <tagname>...
or: git tag -l [-n[<num>]] [<pattern>]
or: git tag -v <tagname>...
...
エラー内容：
(yumでインストールされる)Gitバージョンが古い
Gitのソースコードをダウンロードしてコンパイルする
下記URL参照：
https://qiita.com/soeda_jp/items/e9ed5f7d145a15aad496
対応方法：
下記URLから最新版のGitソースコードを確認
（20180427時点では「git-2.17.0.tar.gz」が最新版）
https://mirrors.edge.kernel.org/pub/software/scm/git/
yumでインストールしたGitを一旦削除
# yum remove git
Gitのソースコードをダウンロードしてコンパイルする
# wget https://www.kernel.org/pub/software/scm/git/{最新版のGoソースコード.tar.gz}
# tar vfxz {最新版のGoソースコード.tar.gz}
# cd {最新版のGoソースコードディレクトリ(例：git-2.17.0)}
# make configure
# ./configure --prefix=/usr
# make all
# make install
注：Gitは依存関係が多くmake及びinstall作業で複数のファイルをインストールする必要があります。
具体的な対応方法については
下記URL参照：
（下記の「3. Gitのインストール時」はこのURLからの抜粋になります）
https://qiita.com/soeda_jp/items/e9ed5f7d145a15aad496
2. Goのインストール時
# wget https://dl.google.com/go/{最新版のGoソースコード}
の実行時：
エラーメッセージ：
bash: wget: command not found
エラー内容：
wgetがインストールされていない
対応方法：
wgetをインストール
# yum install wget
3. Gitのインストール時
# wget https://dl.google.com/go/{最新版のGoソースコード}
の実行時のエラー「bash: wget: command not found」は
2. Goのインストール時と同様に「# yum install wget」で対応
# make configure
の実行時：
エラーメッセージ：
/bin/sh: autoconf: command not found
エラー内容：
wgetがインストールされていない
対応方法：
autoconfをインストール
# yum install autoconf
# ./configure --prefix=/usr
の実行時：
エラーメッセージ：
configure: Setting lib to 'lib' (the default)
configure: Will try -pthread then -lpthread to enable POSIX Threads.
configure: CHECKS for site configuration
checking for gcc... no
checking for cc... no
checking for cl.exe... no
エラー内容：
gccがインストールされていない
対応方法：
gccをインストール
# yum install gcc
# make all
の実行時：
エラーメッセージ：
* new build flags
CC credential-store.o
In file included from credential-store.c:1:0:
cache.h:40:18: fatal error: zlib.h: No such file or directory
...
エラー内容：
zlibがインストールされていない
対応方法：
zlibをインストール
# yum install zlib-devel
エラーメッセージ：
GITGUI_VERSION = 0.21.GITGUI
* new locations or Tcl/Tk interpreter
GEN git-gui
INDEX lib/
* tclsh failed; using unoptimized loading
MSGFMT po/bg.msg make[1]: *** [po/bg.msg] Error 127
make: *** [all] Error 2
エラー内容：
Tcl/Tkが最適化されていない
対応方法：
Tcl/Tkをインストール
# yum install tcl*.x86_64
エラーメッセージ：
/bin/sh: msgfmt: command not found
エラー内容：
msgfmtがインストールされていない
対応方法：
msgfmtをインストール
# yum install -y gettext-devel
エラーメッセージ：
Can't locate ExtUtils/MakeMaker.pm
エラー内容：
Makefile.PLエラー
対応方法：
perl-ExtUtils-MakeMakerをインストール
# yum install perl-ExtUtils-MakeMaker