概要
前提
本記事はMicrosoft社Azure Strategic Missions MarketingのGMであるJoe Biron氏のブログ ”How 5G and wireless edge infrastructure power digital operations with Microsoft(https://azure.microsoft.com/en-us/blog/how-5g-and-wireless-edge-infrastructure-power-digital-operations-with-microsoft/)” (2023/4/13)を日本語でまとめたものです。
概要
5G、マルチアクセスコンピューティング(MEC)の可用性が進化する昨今においてどのようなケースで5Gが利用されMicrosoftが何を提供しているかを紹介します。
5Gは何を提供するか
デバイスがサーバーの要求に応答するためにより高いスループットと100ミリ秒以下の遅延を実現できます。ただし、5Gは単なるネットワークのアップグレードに留まらず、従来実現できなかった問題を解決できる新しいネットワークインテリジェントアプリケーションの到来を告げています。
5Gを使用することでクラウドネイティブの分散アーキテクチャに基づくエッジアプリケーションを構築し、低遅延と専用のサービス品質を必要とするソリューションを実現できます。
5Gアーキテクチャはローバンド、ミッドバンド、ミリ波(mmWave)の層があり、距離や速度にそれぞれ異なった長所と短所が存在します。次の主要な5Gサービスはそれぞれの機能の提供に特化しています。
- Enhanced mobile broadband (eMBB): データ転送速度の最小レベルを定義することにより、仮想現実、コンピュータビジョン、および大規模なビデオストリーミングを処理する超高ワイヤレス帯域幅機能を提供するサービス。
- Massive machine-type communications (mMTC): 多数のデバイスを相互に接続する必要があるシナリオや環境向けのサービス。
- Ultra-reliable low-latency communications (URLLC): パブリックセーフティや緊急時の応答、遠隔医療、産業オートメーション、スマートエネルギーグリッド、自動運転など非常に低い遅延と高い高信頼性を必要とするユースケースに適したサービス。
5Gはどのように企業で使用されているか
工場
製品の梱包におけるコンピュータビジョンによる補助や、ミスに関するリアルタイムに近いデータの収集をすることで品質を改善し、処理時間を短縮します。
ヘルスケア
医療診断、ヘルスモニタリング、医療システムの予知保全と監視、遠隔医療アプリケーションにおけるAIの使用をサポートします。
小売り
低遅延の接続により、AIを活用したリアルタイムの在庫管理、店舗のビデオ監視、店舗内のリアルタイムオファーを支援します。
Microsoftは5Gソリューションをどのように強化しているか
顧客のユースケースに合わせて簡単に5Gインフラを提供できるようにするためにAzure Private muti-access edge compute (MEC)サービス(https://azure.microsoft.com/en-us/solutions/private-multi-access-edge-compute-mec/#overview) を提供しています。
所感
5Gはそれ単体では低遅延性と高信頼性を提供するネットワークソリューションだが、アプリケーションも含めて統合的に設計することが重要であり、難しいところだと感じた。5Gインフラを自前で用意することはコストや実装面ともにかなりハードルが高いはずなのでAzure Private MECのようなソリューションを活用することは理にかなっており、ポイントはその際のAzure全体の設計だろう。近しい記事を見かけ次第またまとめてみたい。