Ubuntuでは、ネットワーク設定がNetplan
というツールを使って管理されています。UbuntuのServer版では、Netplan
を用いることで、有線やWi-Fiの固定IP(静的IP)やDHCP(動的IP)の設定を簡単に行うことができます。本記事では、Netplan
でのIPアドレスの設定方法を紹介します。
目次
DHCPによるIPアドレスの設定
DHCPでは、ネットワークに接続するたびに自動的にIPアドレスが割り当てられます。
1. ネットワーク設定ファイルを編集
ネットワーク設定ファイルを編集します。ネットワーク設定は/etc/netplan/
ディレクトリ内に配置します。50-cloud-init.yaml
が元々ありますが、それは編集する事が推奨されていないので、新しく99-config.yaml
などの名前でファイルを作成します。
sudo nano /etc/netplan/99-config.yaml
2. 設定内容の確認と編集
ファイルの中身を次のように編集して、DHCPを有効にします。
network:
version: 2
renderer: networkd
ethernets:
enp0s3: # インターフェース名を確認して適宜修正
dhcp4: true
-
enp0s3
はネットワークインターフェース名です。環境によって異なる場合があるので、ip a
でインターフェース名を確認してください。 -
dhcp4: true
を指定することで、IPv4でのDHCPを有効にしています。
3. 設定を適用
設定を適用するために、次のコマンドを実行します。
sudo netplan apply
4. 設定確認
設定後、ip a
コマンドでIPアドレスが自動的に割り当てられたことを確認します。
ip a
inet
欄にDHCPで取得したIPアドレスが表示されます。
固定IPアドレスの設定
固定IPを設定することで、毎回同じIPアドレスを使用できるようになります。
1. ネットワーク設定ファイルを編集
DHCP設定と同様に、ネットワーク設定ファイルを開きます。
sudo nano /etc/netplan/99-config.yaml
2. 固定IPアドレスを設定
以下のように設定を変更して、固定IPアドレスを指定します。ここでは例として192.168.0.100
を設定します。
network:
version: 2
renderer: networkd # GUIのUbuntuの場合は「NetworkManager」を指定
ethernets:
eth0: # インターフェース名を確認して適宜修正
dhcp4: false
addresses:
- 192.168.0.100/24 # 固定IPとサブネットマスク
routes:
- to: default
via: 192.168.0.1
nameservers:
addresses:
- 8.8.8.8
- 8.8.4.4 # DNSサーバーの設定(例: Google DNS)
-
dhcp4: false
に設定してDHCPを無効化します。 -
addresses
で固定IPアドレスを指定します。/24
はサブネットマスク(255.255.255.0)を示しています。 -
routes
でデフォルトゲートウェイを指定します。 -
nameservers
でDNSサーバーを指定します。
3. 設定を適用
設定を適用するために、次のコマンドを実行します。
sudo netplan apply
4. 設定確認
固定IPが設定されたことを確認するために、ip a
コマンドを実行します。
ip a
inet
欄に設定したIPアドレスが表示されるはずです。
設定の適用
設定を適用した後にネットワークサービスを再起動する必要は通常ありません。sudo netplan apply
を実行することで即座に設定が反映されます。もし適用がうまくいかない場合は、次のコマンドでネットワークサービスを再起動できます。
sudo systemctl restart systemd-networkd
テンプレート
Netplanの設定ファイルのテンプレートを示します。Wi-FiはDHCP、有線は固定IPに設定しています。
network:
version: 2
renderer: networkd
wifis:
wlp2s0:
dhcp4: true
optional: true
access-points:
your_wifi_ssid: # Wi-FiのSSIDを記載
password: "your password" # ""の中にWi-FiのPWを記載
ethernets:
eth0:
dhcp4: false
addresses:
- 192.168.0.100/24
routes:
- to: default
via: 192.168.0.1
nameservers:
addresses:
- 8.8.8.8
- 8.8.4.4
まとめ
-
DHCPの設定は、
dhcp4: true
とすることで自動的にIPアドレスが割り当てられます。 -
固定IPの設定では、
dhcp4: false
とし、addresses
、routes
、nameservers
を手動で設定します。 - 設定を適用した後、
netplan apply
で即座に反映できます。
サーバを扱う際、Netplanは必要不可欠な知識ですので、Ubuntu Serverを用意して試してみてください。