はじめに

「アプリ開発を始めたいけれど、いきなりネイティブアプリや複雑なフレームワークはハードルが高い…」
「とにかく最初は何かを”作って公開”して、経験とモチベーションを積み上げたい」

そんな方にピッタリの手順をご紹介します。

本記事では、ローカルストレージで動く超シンプルなTodoリストWebアプリを、わずか数時間で作成し、GitHub PagesでURL公開するまでの流れを解説します。複雑な開発環境は不要、index.htmlひとつで完結します。

公開後、誰でもそのURLにアクセスしてあなたのTodoアプリを見ることが可能に！これを足がかりに、PDCAを回してスキルアップしていきましょう。

この記事のゴール

開発言語・ツール：
- HTML、CSS、JavaScriptのみ（フレームワーク不要）
- ブラウザ上で完結、特別なサーバーサイドやビルドツールは不要
機能：
- テキスト入力でTodo追加
- チェックボックスで完了状態を切り替え
- 削除ボタンで不要なTodoを消去
- LocalStorageに保存して、ページ再読み込み後も状態を保持
デプロイ（公開）：
- GitHubの無料サービス「GitHub Pages」を使い、URLでアクセス可能な形で公開

※今回は最小機能に絞り、まず「リリースする」という体験を重視しています。

目次

準備するもの
TodoリストWebアプリの仕組み
サンプルコード全体（index.htmlのみ）
ローカルで動作確認
GitHubにアップロード
- 方法A: ブラウザで直接アップロード
- 方法B: Gitコマンドでプッシュ
GitHub Pagesでの公開設定
公開URLへのアクセス
PDCAを回そう
次の一歩（発展案）
まとめ

準備するもの

GitHubアカウント（無料で作成可能）
エディタ（VSCodeなど、テキストが編集できればOK）
ブラウザ（ChromeやSafariなど）

これらがあれば特別な環境構築は不要です。

TodoリストWebアプリの仕組み

今回のTodoリストは以下のような流れで動きます。

LocalStorageからTodoを読み込む
- ブラウザに組み込まれた簡易データ保存領域を利用。
画面表示
- 読み込んだTodoをリスト表示し、チェックボックスや削除ボタンを設置。
Todo追加
- ユーザーが入力フォームで新しいTodoを追加すると、配列に挿入しLocalStorageへ再保存。
完了・削除操作
- チェックボックスや削除ボタン操作のたびに、配列・LocalStorageを更新。
永続化
- ページを閉じても、次回開いたときに最後の状態が維持される。

これだけで「動くサービス」が実現します。

サンプルコード全体（index.htmlのみ）

以下のコードをindex.htmlとしてローカルに保存します。
このファイルひとつでTodoリストが完成します。

<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
<title>Todo List</title>
<style>
  body {
    font-family: sans-serif;
    max-width: 400px;
    margin: 20px auto;
  }
  h1 {
    text-align: center;
  }
  .input-area {
    display: flex;
    gap: 10px;
    margin-bottom: 10px;
  }
  .input-area input[type="text"] {
    flex: 1;
    padding: 8px;
    font-size: 1rem;
  }
  .input-area button {
    padding: 8px;
  }
  ul {
    list-style-type: none;
    padding: 0;
  }
  li {
    display: flex;
    align-items: center;
    gap: 10px;
    border-bottom: 1px solid #ccc;
    padding: 5px 0;
  }
  .done-text {
    text-decoration: line-through;
    color: #aaa;
  }
  .delete-btn {
    margin-left: auto;
    color: #fff;
    background: #d33;
    border: none;
    padding: 5px 10px;
    cursor: pointer;
  }
  .delete-btn:hover {
    background: #a11;
  }
</style>
</head>
<body>

<h1>Todo List</h1>
<div class="input-area">
  <input type="text" id="todo-input" placeholder="やることを入力" />
  <button id="add-btn">追加</button>
</div>
<ul id="todo-list"></ul>

<script>
  function loadTodos() {
    const stored = localStorage.getItem('todos');
    return stored ? JSON.parse(stored) : [];
  }

  function saveTodos(todos) {
    localStorage.setItem('todos', JSON.stringify(todos));
  }

  const inputEl = document.getElementById('todo-input');
  const addBtn = document.getElementById('add-btn');
  const todoListEl = document.getElementById('todo-list');

  let todos = loadTodos();

  function renderTodos() {
    todoListEl.innerHTML = '';
    todos.forEach((todo, index) => {
      const li = document.createElement('li');

      const checkbox = document.createElement('input');
      checkbox.type = 'checkbox';
      checkbox.checked = todo.done;
      checkbox.addEventListener('change', () => {
        todos[index].done = checkbox.checked;
        saveTodos(todos);
        renderTodos();
      });

      const span = document.createElement('span');
      span.textContent = todo.text;
      if (todo.done) {
        span.classList.add('done-text');
      }

      const delBtn = document.createElement('button');
      delBtn.textContent = '削除';
      delBtn.classList.add('delete-btn');
      delBtn.addEventListener('click', () => {
        todos.splice(index, 1);
        saveTodos(todos);
        renderTodos();
      });

      li.appendChild(checkbox);
      li.appendChild(span);
      li.appendChild(delBtn);
      todoListEl.appendChild(li);
    });
  }

  function addTodo() {
    const text = inputEl.value.trim();
    if (text) {
      todos.push({ text: text, done: false });
      saveTodos(todos);
      renderTodos();
      inputEl.value = '';
    }
  }

  addBtn.addEventListener('click', addTodo);
  inputEl.addEventListener('keydown', (e) => {
    if (e.key === 'Enter') {
      addTodo();
    }
  });

  renderTodos();
</script>

</body>
</html>

ローカルで動作確認

index.htmlをダブルクリックしてブラウザで開く
テキストボックスにTodoを入力し、「追加」ボタンをクリック
下部にTodoが表示され、完了チェックや削除が動作するか確認

問題なければ次は公開しましょう。

GitHubにアップロード

GitHub Pagesで公開するには、GitHub上にファイルを置きます。
以下はGitHub Pagesのためにmainブランチ直下にindex.htmlを置くシンプルな手順です。

方法A: ブラウザで直接アップロード

GitHubにログインし、右上の「＋」→「New repository」で新規リポジトリ（Public）を作成
リポジトリトップで「Add file」→「Upload files」をクリック
先ほどのindex.htmlをドラッグ＆ドロップ
「Commit changes」を押してアップロード

方法B: Gitコマンドでプッシュ

# ローカル作業用ディレクトリ作成
mkdir my-todo-app
cd my-todo-app

# index.htmlをこのフォルダに配置

git init
git add index.html
git commit -m "Initial commit"

# GitHubリポジトリをremoteに追加（URLは自分のアカウントに変更）
git remote add origin https://github.com/<ユーザー名>/<リポジトリ名>.git
git push -u origin main

GitHub Pagesでの公開設定

リポジトリページで「Settings」タブを開く
左サイドバーから「Pages」を探す
「Build and deployment」セクションの「Source」でmainブランチ、(root)を選択して「Save」をクリック
数十秒～数分待つと、GitHub Pagesが有効化されます

公開URLへのアクセス

有効化後、https://<ユーザー名>.github.io/<リポジトリ名>/ のようなURLが表示されます。そのURLにアクセスすると、先ほどのTodoリストがネット上で公開されているはずです！

スマホやタブレット、別のPCからでもアクセス可能
更新したらgit pushで即反映

PDCAを回そう

ここまでで「作ったものを公開」する一連の流れを経験できました。
あとは改善、機能追加、デザイン変更、コード整理などを行い、git pushするだけで改善版が即時公開されます。

Plan（計画）：もっと良いUIにしたい
Do（実行）：CSSを改良してpush
Check（評価）：公開URLで見た目チェック
Act（改善）：さらに修正や機能拡張、PWA化など

このサイクルを繰り返すうちに、自然とスキルが身についていきます。

次の一歩（発展案）

デザイン強化：CSSフレームワーク（Bulma, Tailwindなど）を使う
PWA化：manifest.jsonやService Workerを追加してオフライン対応
ユーザー別保存：FirebaseやSupabaseでログイン機能＋クラウド保存を実現
タグ付け・検索機能：より実用的なTodo管理ツールへアップグレード

まとめ

超シンプルなTodoリストWebアプリは、HTML/CSS/JSとLocalStorageで数時間で完成
GitHub Pagesを使えば、無料で即公開可能
一度公開の流れを経験すると、機能追加や改善が圧倒的にラクになる
小さな成功体験が、次の大きなチャレンジへのモチベーションとなる

「とりあえず動くもの」を一度リリースしてみることが、学習や開発スキル向上への大きな一歩です。今後はこの土台を生かして、より高度なアプリ開発へと進んでみてください！