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yamlで保存してあるconda仮想環境をDocker上で構築(multistage-build)

Last updated at Posted at 2022-11-04

昔書いた記事: yamlで保存してあるconda仮想環境をDocker上で構築をふと見返してみると、色々と微妙というか「個人的には今ならこうは書かないな。。。」と思ったのでアップデート版を書いてみる。

概要

前提知識:

  • conda cliの基本と概念
    • 特にAnacondaやminicondaで仮想環境を作ることができ、yamlファイルの形でexport出来ること
    • 逆に、yamlファイルを取り込むことでAnacondaやminicondaなどで仮想環境を作成出来ること
  • docker周りの基本
  • linux周りの基本

やること:

前回からの主な改善点

  • multistage-buildを使う
    • ツールのビルドなど下準備用のLayerを実際に動かすイメージから分離出来るため、余計なものをインストールしなくて良くなったり、キャッシュファイルの削除を頑張らなくても良くなったりする。すなわち、イメージサイズの削減につながるし、余計なものが無い方がセキュリティ的にも良いと思われる。
  • conda環境の生成にmambaを使っている
    • condaのC++による再実装(githubのREADMEより)であり、conda互換でかつ高速(ビルド時間の削減)
  • conda環境の生成にmambaforgeイメージを利用している
    • Anacondaリポジトリの商用利用が有償化されており、minicondaを使っているとdefault channel(=Anaconda公式リポジトリ)からパッケージを取得してしまう可能性があった気がするので、商用利用にあたる場合、使うyamlファイルで全パッケージリポジトリレベルまで指定されていない場合はminicondaを使わないほうが無難と思われる
    • miniforgeはやや不正確ながらざっくりいうとdefault channelがconda-forgeになっているminicondaのようなもの。mambaforgeはそれのmambaコマンド(先述)が使えるバージョン
    • あと、前回はminicondaのインストールから始めていたので、今回は最初からmambaが使えるイメージを使うことで記述内容をかなり簡略化できた
  • (本質では無いが)docker内で使うユーザーの権限見直し
    • 以前の記事ではrootへの昇格を許していたが、通常はやらない方が良いので改めている

改善後の環境生成方法

今回は以下のyamlファイル:

conda_env.yaml
name: example_env
channels:
  - conda-forge
dependencies:
  - python==3.10.*
  - pandas
  - jupyterlab
  - pip
  - pip:
    - python-language-server[all]

を使ってconda環境を作る。
内容は割とナンセンスで本質的では無いので注意。

使うDockerfileは例えば以下のような感じにする。

Dockerfile
FROM condaforge/mambaforge:latest as builder
COPY conda_env.yaml .

RUN mkdir -p /usr/local/conda && \
    mamba env create -f ./conda_env.yaml -p /usr/local/conda

# 今回の例ではベースイメージにubuntuを使う。(mambaforgeイメージのベースも執筆時点でubuntuだったりする)
FROM ubuntu:latest as main

# NOTE: 環境によって設定すべき値は変わるので、必要があれば編集する
# または、ARGとしているのでbuild時に値を与えて変更する
ARG USERNAME=user
ARG GROUPNAME=user
ARG UIDVALUE=1000
ARG GIDVALUE=1000

# NOTE: 使いたいパッケージがあれば適宜追加する
RUN apt-get update && \
    apt-get install --no-install-recommends --yes \
    tini && \
    apt-get clean && \
    rm -rf /var/lib/apt/lists/*

# rootユーザーで動かすのは避けたいのでユーザーを作成する
# 設定するユーザー名やUIDなどは必要に応じて上記のARGの値で変更する
RUN groupadd --gid  ${GIDVALUE} ${GROUPNAME} && \
    useradd --uid ${UIDVALUE} --gid ${GROUPNAME} --shell /bin/bash --create-home ${USERNAME}

# この例では/usr/local/condaディレクトリ上にconda環境を格納する
RUN mkdir -p /usr/local/conda
# builderイメージからそっくりそのままコピーする(所有権は変えておく)
COPY --from=builder --chown=${UIDVALUE}:${UIDVALUE} /usr/local/conda/ /usr/local/conda

# 実行ユーザーをrootから先程作成したものに切り替え
USER ${UIDVALUE}

# 作成したconda環境にPATHを追加する
ENV PATH=/usr/local/conda/bin:${PATH}

# ----------------------------------------------------------------------------------------------- #

# ここから下は特にユースケース次第で完全に変わる部分なので適当に編集すること。
# 今回はそこそこ実用的な例?としてjupyterlabを起動している
# なお、例なのでjupyterの起動オプションでtoken=''(ログイン認証無し)としているが、むやみにやるのは良くない
WORKDIR /home/${USERNAME}
EXPOSE 8888
ENTRYPOINT ["tini", "--"]
CMD ["jupyter", "lab", "--ip=0.0.0.0", "--NotebookApp.token=''"]

multi-stage buildを使ったことなどにより、前回記事よりも簡潔に記述できている。(トリッキーな部分を大幅に少なくできている)

なお、作成するconda環境内のbinディレクトリだが、一部のコマンドは絶対パスの参照をもつシンボリックがある?ようで、
builderとmainとでconda環境の置き場所の絶対パスを同じにしないと動かなかったので、編集して使う際は注意。

これで、上記のDockerfileconda_env.yamlを置いてあるディレクトリで

docker build . -t <タグ名>

などとすればイメージが作れる。

なお、厳密に条件を揃えた訳では無いが、同一のconda_env.yamlを使って作成したDockerイメージのサイズを比較したところ、執筆時点(2022/11/4)では前回記事の方法で850MB、今回の方法では753MBとなった。
思ったよりもイメージサイズを削減できていることがわかった。ちゃんと調べていないが、前回記事はminicondaをインストールして動かしたりするためにapt-getなどで入れないといけないパッケージが若干あったため、主にその分で差が出ている?と思われる。(正直どちらも割と大きいが)
(↑今回の例ではなんとなくtiniを入れているが必須のものではなく、aptなどでマストで追加しないといけないパッケージは実質存在しない)

感想

  • multi-stage buildは便利
  • (正直ここ最近ほぼ全くPythonとかcondaとか触っていないので、知識のアップデート漏れがあったら申し訳ないです)
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