はじめに
Ruby on RailsでRakeタスクを実行していると、同じタスクを再実行したい場面が出てくることがあります。しかし、Rakeタスクはデフォルトで一度実行されるとキャッシュされ、同じプロセス内で再度呼び出しても実行されません。この記事では、この問題の詳細と解決策としてreenableメソッドを紹介します。
Rakeタスクの基本動作
Rakeタスクは以下のように定義されます:
namespace :example do
desc 'Sample task'
task :my_task do
puts 'Task is running'
end
end
上記のタスクをコマンドラインで実行すると、以下のようになります:
$ bin/rake example:my_task
Task is running
しかし、同じタスクを同一プロセスで再実行すると、何も出力されません。
Rake::Task['example:my_task'].invoke # ‘Task is running’ と出力
Rake::Task['example:my_task'].invoke # 何も出力されない
これはRakeタスクが一度実行された後は、その状態を記憶して再実行を防ぐ仕様があるためです。
解決方法
この問題を解決するために、Rakeタスクのreenableメソッドを使用できます。reenableを呼び出すことで、タスクの実行状態をリセットし、再実行が可能になります。
以下に具体例を示します:
namespace :example do
desc 'Sample task'
task :my_task do
puts 'Task is running'
end
end
# タスクの再実行
Rake::Task['example:my_task'].invoke
Rake::Task['example:my_task'].reenable
Rake::Task['example:my_task'].invoke
実行結果:
Task is running
Task is running
reenableメソッドを使用することで、タスクを明示的に再実行できるようになります。
実用例
以下のような場合に使用できます:
データベースの初期化後に、複数の初期データを投入するタスクを順番に実行したい。
テスト環境で同じタスクを繰り返し実行してデバッグを行いたい。