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スタンバイAdvent Calendar 2024

Day 14

ふりかえりの紹介 - 定着した振り返り文化が拓く、チームの持続的改善

Last updated at Posted at 2024-12-13

はじめに

私は株式会社スタンバイで、求人取込・配信システム領域のプロダクトオーナーを務めています。

今回は、私が所属するチームで行っている「ふりかえり」活動について、振り返ってみようと思います。

ふりかえりの種類

「ふりかえり」と一口に言っても、様々な観点や目的があります。ここでは、主に以下の3つに分類します。

  1. スクラムのイベントとして行うふりかえり
  2. 定期的なチーム活動のふりかえり
  3. テーマを限定したアドホックなふりかえり

それぞれについて順に見ていきます。

スクラムのイベントとして行うふりかえり

チームはスクラムを採用しており、1週間を1スプリントとして開発を進めています。その中で、ふりかえりを行う主なタイミングは以下の3つです。

  • スプリントレトロスペクティブ
  • デイリースクラム (Daily Scrum)
  • スプリントレビュー

ここからは、それぞれのふりかえりの変遷や工夫について振り返ります。

スプリントレトロスペクティブ

この1年間、スプリントレトロスペクティブ(以下、レトロ)の手法自体は大きく変えずに実施してきました。

スクリーンショット 2024-12-12 11.08.21.png

主な内容は次のとおりです。

  • スプリント完了作業とベロシティの記録・確認
  • スプリントゴールに対する Sailboat 形式での振り返り
  • 日常で生じた論点の確認・議論

途中からはチームを2つに分割し、一方はスプリントゴール達成、もう一方は保守・運用を中心にする構成としました。その際、後者チームには KPT 形式の振り返りを導入しています。

新たなメンバーにとっては Sailboat 形式が初めてでしたが、「ゴールにフォーカスしたプロセス検証、リスク可視化、称賛事項の共有ができる」などの肯定的なフィードバックがありました。

一方で、「ゴール非直結のトピックが扱いづらい」「中長期的な観点で振り返りにくい」という課題も出ました。これらは、月1回の定例的なふりかえりや別の KPT 枠を活用してある程度カバーできていると感じています。

特に、ゴール志向の振り返りから生まれた PrePlanning(スプリント前に行う計画見直しプロセス)など、新たな改善活動が生まれた点は大きな収穫でした。

デイリースクラム (Daily Scrum)

デイリースクラム(通称:朝会)では、毎日の開発計画を事前に可視化し、その日の進捗や課題を共有・検証する場にしています。

スクリーンショット 2024-12-12 11.08.01.png

この1年で大きく変わったのは、日々の開発計画を明示的に可視化して、毎日検証できるようにしたことです。画面中央部のチケットは「いつからいつまで作業するか」をベースに配置し、計画と実績の乖離を毎日チェックできるようにしています。

これにより、レトロでも計画精度の改善や計画未達時の軌道修正の検討が容易になり、チームの改善活動が進めやすくなりました。

スプリントレビュー

スプリントレビューはインクリメント(完成した成果物)をデモする場で、主目的は振り返りではありません。しかし、結果的に「うまくいったこと」や「つまづいたこと」を共有するコーナーを設けることで、振り返り的な機能も果たしています。

スクリーンショット 2024-12-12 11.33.13.png

ここで得たフィードバックや改善点を、バックログ反映やプロセス見直しにつなげられるため、間接的ではありますが、振り返り機会としても有用です。

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テーマを限定したアドホックなふりかえり

定期的な振り返り以外にも、必要に応じてテーマを限定したアドホックな振り返りを行っています。ここでは2つ紹介します。

  • チーム方針に関する振り返り
  • 開発ロードマップと開発手法に関する振り返り

チーム方針に関する振り返り

大規模なリアーキテクチャを進める中で、四半期や半期ごとに方針を見直す機会を設けています。当初はトップダウン気味に始めた方針も、振り返りによってチーム全員で再検討し、継続・変更の判断を行っています。

スクリーンショット 2024-12-12 11.40.05.png

課題設定が正しかったか、課題解決後に新たな課題が生じていないかなどをゼロベースで見直すことで、チーム全体で改善策をブラッシュアップできます。これにより、属人化解消の再定義や、フロー効率・リソース効率バランスの見直し、チーム体制変更など、具体的なアクションにつなげられました。

ただし、一度に多くの論点を扱うため、出たアイデアが活用しきれないケースもあり、意見の活かし方には今後の課題が残っています。

開発ロードマップと開発手法に関するふりかえり

最後に、開発ロードマップを起点としたふりかえり事例です。

スクリーンショット 2024-12-12 11.40.48.png

ロードマップ上のタスク実行順や関連タスクのまとめ方を変えれば、スピード向上が得られるのではという仮説を検証するため、一部施策を実行し、結果を振り返りました。しかし、期待した効果は得られず、リソース圧迫やリスク増加なども判明。

一方で、「なぜ続けないのか」を明確化でき、その認識をチームで共有できたことはナレッジ蓄積や情報連携という面で有益でした。ふりかえりはこうした仮説検証プロセスにも有効だと感じました。

おわりに

以上が私たちのチームで取り組んできたふりかえり活動の紹介です。この1年で、ふりかえりがさまざまな局面で活用できることを実感し、チーム活動を改善する上で欠かせない手法であると改めて感じています。

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