はじめに
各組織がレガシーシステムを抱えて困っていることは多いのではないでしょうか?
ただ、困っている事情はそれぞれ異なると思います。
そこで、いくつかの共通点を挙げつつ、どう対処していけば よいかを考えてみました。
わかる人がいなくなった
これが一番多い問題でしょう。
まず、「人が足りなくてアサインできない」というのは別問題としておきます。
ここで重要なのは、「技術スタックを持っている人がいない」もしくは「アサインできる状況にない」ということです。
これは組織として解決すべき課題です。
組織の規模や状況に応じて取りうる手段は以下の通りです。
1.研修を通じて必要な知識を学び、分析を行った上で担当として経験を積む
- コストは比較的安い。
- 本人の意欲低下を防ぐ配慮が必要。
2.関連技術の経験を持つ技術スタッフを雇う
- 雇用形態によってランニングコストが高くなる。
3.外部業者と保守契約を結ぶ
- ランニングコストが高い。
4.現在の人員で賄える技術でリプレイスする
- 初期コストが高い。
OSやOfficeのバージョンへの追従が大変である。
技術者や保守作業者の立場からすると、最新バージョンへの追従は重要です。
しかし、それが実際にコスト削減や収益増加に繋がるかを考える必要があります。
具体的には、次のような点を検討します:
- OSやOfficeバージョンへの追従コスト
- 追従しないことで発生することが見込まれるコスト(インシデントを含む)
これらの要素を明確にすることで、対策に対する納得感を得られやすくなります。
ライセンス費用が高い
サーバーやDBMSのOSS化はライセンス費用の削減に有効です。以下の点を考慮します:
- アプリケーションレベルでの書き換えは、DBアクセス層の差し替えで多くの場合対応可能。
- 初期コストは比較的低いが、機器調達には費用がかかる。
- OSS化には管理者の高度な知識が必要で、学習コストも発生する。
ただし、AccessなどのOfficeライセンス削減という趣旨の場合は、導入規模によっては大きな効果が期待できない場合があります。
終わりに
レガシーシステムが作られた経緯はさまざまで、特定の人が作った便利ツールが広まったり、 古いプロジェクトが今も使われていたりします。
やめたい、どこかに投げたいという気持ちが先行するのはわかりますが、「わからないからやらない」ではなく、「学習してわかるようになる」という方向もあるのではないかと思います。