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[C#].NET6でnullチェックからおさらば!

Last updated at Posted at 2023-02-17

null合体演算子やnull条件演算子(オプショナルチェーン)によって多くのnullチェックから解放されたのは記憶に新しい。

1件以上のデータがある時に処理
if ( result?.list?.Length > 0 ) { // result?.list?.Any() の方が見やすいが、後々の説明の為にLengthを使用
	// 処理
}

しかし、getData()のような関数から取得した結果をチェックするような場合には、以下のように一度変数に入れてからnullチェックしている人もいるのではないだろうか。

昔ながらのnullチェック
using System;

string getData() => "abc";

var data = getData();
if (data != null)
{
	Console.WriteLine(data);
}

C#9(.NET5)では以下のように書ける。nullの場合は条件式がfalseで評価され、ifブロック内は実行されない。

パターンマッチング構文を使ったnullチェック
if (getData() is string data  ){
	Console.WriteLine(data);
}

但し、残念ながらdata変数のスコープは完全にはifブロック内に閉じていない。
ifブロックの外でdataを使おうとするとエラーになるが、様々な理由から、data変数自体はif文の外で定義されている形になっているようだ。
その為、上記のようなif文を連続で書いた場合、dataという名前の変数を何度も使うことはできない。
(このあたりの経緯については「埋め込みステートメント(embedded statements)」で検索すると詳細がわかる)

C#10(.NET6)からとなるが、IsNullOrEmptyに相当するチェックを行いたい場合には、次のようにLengthプロパティにパターンマッチングさせることで可能だ。
先ほどと同様に、nullの場合はfalseで評価される。

パターンマッチング構文を使ったnull or emptyチェック
if (getData() is { Length: > 0 } data  ){
	Console.WriteLine(data);
}

ちなみに、値を変数にキャプチャする必要がないならば、単純に次のように書ける。
!string.IsNullOrEmpty(getData()) よりも読解しやすいように思う。

パターンマッチング構文を使ったnull or emptyチェック
if (getData() is not (null or "") ){
	Console.WriteLine("データがあります");
}

上記は取得されるデータが文字列の場合だったが、次のようにクラス型だった場合にももちろん使える。
nullチェックを書かなくてよいのがとても気持ち良い。

Person型を返すgetPerson()
Person getPerson() => new Person {Name = "Jun", Age = 5};

public class Person
{
	public string Name {get; set;}
	public int Age {get; set;} 
}
結果がnullでないときのみ変数pにキャプチャ

if (getPerson() is Person p ) {
	Console.WriteLine($"person is Age: {p.Age}");
}

文字列でLengthをチェックしたのと同様に、プロパティ値をチェックすることもできる。

if (getPerson() is { Age: > 3 } p ) {
	Console.WriteLine($"person is Age: {p.Age}");
}

上記ではPersonオブジェクト全体をpという変数にキャプチャしているが、Ageのみを変数ageにキャプチャすることもできる。
相変わらずnullチェックを書かずとも、nullはfalseになる。

if (getPerson() is { Age: > 3 and var age }) {
	Console.WriteLine($"person is Age: {age}");
}

ちなみにもし、Person.Ageint ではなくNull許容型の int? で、Age の nullチェックもしなければならないとしたらどうだろうか。

public class Person
{
	public string Name {get; set;}
	public int? Age {get; set;} // Null許容型
}

この場合、Ageプロパティをvar ageではなくint ageで受ければ良い。
varで受けるとnullも受けてしまうが、intで受ければnullはマッチングしなくなる。

if (getPerson() is { Age: int age } ) { // int型でキャプチャする
	Console.WriteLine($"person is Age: {age}");
}

このパターンマッチングに慣れてくると、次のようなWhereメソッドも自然と書けるようになる。

// Age > 5のものを抽出。nullはもちろん除外してくれる。
var results = list.Where( p => p is { Age: > 5 } );

クエリ式だとこうなる。

クエリ式
var result = from p in list where p is { Age: > 5 } select p;

不要な != nullからは積極的におさらばしつつ、上記のようなコードもすらすらと読めるようになっていきたい。

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