EKS ベストプラクティスの概要
はじめに
EKSは、マネージド型の Kubernetesサービスであり、セキュリティ、可用性、スケーラビリティを考慮した運用が求められます。EKSクラスタを適切に管理するためのベストプラクティスを紹介します。
主要なベストプラクティス
1. クラスタのセキュリティ
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IAM と RBAC の適切な管理
- IAM ロールと Kubernetes の RBAC (Role-Based Access Control) を適切に設定。
- 最小権限の原則を適用し、必要最小限の権限のみを付与。
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ネットワークセキュリティの強化
- Private Subnet に EKS クラスタを配置し、外部アクセスを制限。
- Security Group と Network Policy を活用して、適切な通信制御を実施。
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シークレットの保護
- AWS Secrets Manager または Parameter Store を活用して、シークレットを安全に管理。
- 環境変数として直接シークレット情報を設定しない。
2. クラスタの運用管理
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ログとモニタリングの強化
- Amazon CloudWatch Logs や AWS X-Ray を活用し、EKS クラスターの可視化を強化。
- Prometheus と Grafana を使用して、メトリクス監視を実装。
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コスト管理とリソース最適化
- Cluster Autoscaler を活用し、必要なリソースのみを動的にスケール。
- 適切なインスタンスタイプ (オンデマンド、スポットインスタンス) を選定し、コストを最適化。
3. ネットワークと可用性の最適化
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VPC 設計の最適化
- VPC CNI プラグインの適切な設定を行い、パフォーマンスを向上。
- ENI の制限を考慮し、Pod の IP 割り当て戦略を最適化。
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マルチ AZ 構成の推奨
- ワーカーノードを複数のアベイラビリティゾーン (AZ) に分散配置。
- Kubernetes の Pod Disruption Budget (PDB) を活用し、可用性を向上。
4. アプリケーションのデプロイ戦略
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CI/CD パイプラインの導入
- AWS CodePipeline、ArgoCD、Flux などのツールを活用して、自動デプロイを実現。
- GitOps を導入し、継続的なデプロイメントを実現。
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適切な Pod スケジューリング
- Taints と Tolerations を活用して、適切なノードへの Pod 配置を制御。
- Horizontal Pod Autoscaler (HPA) や Vertical Pod Autoscaler (VPA) を利用し、負荷に応じたスケーリングを実施。
まとめ
EKSの運用において、セキュリティ、可用性、スケーラビリティを考慮した設計が重要です。紹介したベストプラクティスを活用し、安全かつ効率的なEKSクラスタ運用を実現しましょう。