【Linux入門】初心者のための基本コマンドまとめ ✅
今回は、Linuxに触れたばかりの方向けに、よく使うコマンドをわかりやすくまとめました。
🔰 はじめに
Linuxでは、GUIではなくコマンド(文字)で操作する場面が多いです。
ここでは、日常的に使う基本的なコマンドを解説します。
cd
:ディレクトリを移動する
略称:change directory
cd [ディレクトリ名またはパス]
✅ よく使う例
コマンド | 説明 |
---|---|
cd A |
A ディレクトリに移動 |
cd .. |
一つ上の階層に移動 |
cd ~ または cd
|
ホームディレクトリ(例:/home/user )へ移動 |
cd / |
最上位階層(ルートディレクトリ)へ移動 |
cd
はディレクトリ専用です。ファイルには移動できません。
pwd
:現在のディレクトリを表示する
略称:print working directory
pwd
出力例:
/home/user/documents
ls
:中身を一覧表示する
略称:list
ls [オプション] [パス]
✅ よく使うオプション
-
ls -l
: 詳細表示(属性付き) -
ls -lh
: ファイルサイズを人間が読みやすい形式で表示 -
ls -a
: 隠しファイルも表示 -
ls -la
: 詳細 + 隠しファイルも表示
ls -l
出力例と項目の意味
ls -l
-rw-r--r-- 1 user group 1234 May 22 12:34 example.txt
項目 | 意味 |
---|---|
-rw-r--r-- |
アクセス権(所有者/グループ/その他) |
1 |
ハードリンク数 |
user |
所有者 |
group |
グループ |
1234 |
サイズ(バイト) |
May 22 12:34 |
最終更新日時 |
example.txt |
ファイル名 |
🎯 応用例(ワイルドカード)
ls *.html
→ .html
拡張子のファイル一覧を表示
ls /bin/z???
→ z
で始まり、4文字のファイルを表示
📁 mkdir
:新しいディレクトリを作成
略称:make directory
mkdir [オプション] ディレクトリ名
✅ 例
mkdir code
📌 よく使うオプション
-
-p
:中間ディレクトリも同時に作成
mkdir -p project/2024/logs
rmdir
:空のディレクトリを削除
略称:remove directory
cd [ディレクトリ名またはパス]
rmdir code
中にファイルがあると削除できません。
cat
:ファイルの中身を表示する
略称:concatenate
cat [オプション] ファイル名
✅ 例
cat /etc/hosts
オプション
-
-n
:行番号を表示
cat -n file.txt
less
:ページ単位で表示&スクロール
略称:「less is more(=moreよりも優れている)」
less /etc/vimrc
操作一覧
キー | 動作 |
---|---|
f or スペース
|
1画面下にスクロール |
b |
1画面上にスクロール |
j / k
|
1行下/上にスクロール |
/文字列 |
下に検索 |
?文字列 |
上に検索 |
n/N |
次/前の検索結果へ移動 |
q |
閉じる |
touch
:空のファイルを作成する
略称:なし
touch README.md
tail
:ファイルの末尾を表示する
略称:ファイルの「しっぽ(tail)」部分を表示する
tail [オプション] ファイル名
✅ 使用例
tail /var/log/syslog
→ システムログファイルの末尾10行を表示(デフォルト)
📌 よく使うオプション
オプション | 説明 |
---|---|
-n N |
最後の N 行 を表示 |
-f |
ファイルの末尾を監視(リアルタイム追跡) |
✅ 使用例
tail -n 20 /var/log/syslog # 最後の20行を表示
tail -f /var/log/syslog # ログファイルの更新を常に表示(Ctrl+Cで終了)
rm
:ファイル/ディレクトリを削除
略称:remove(取り除く)
rm ファイル名
よく使うオプション
オプション | 内容 |
---|---|
-r | ディレクトリも再帰的に削除 |
-f | 確認なしで強制削除 |
-i | 削除前に確認 |
rm -r folder/
rm -f file.txt
rm -i file.txt
mv
:ファイルの移動・名前変更
略称:move
mv [オプション] 移動元 移動先
✅ 使用例
mv old.txt new.txt # 名前変更
mv file.txt dir/ # ディレクトリへ移動
mv -i file.txt dir/ # 上書き前に確認
cp
:ファイルやディレクトリのコピー
略称:copy
cp [オプション] コピー元 コピー先
✅ 使用例
cp file.txt copy.txt # ファイルコピー
cp -r dir/ dir_backup/ # ディレクトリコピー
cp -i file.txt dir/ # 上書き確認付き
ln
:リンク(別名)を作る
略称:link
✅ ハードリンク
ln file1 file2
→ 実体共有。元ファイル削除してもアクセス可
✅ シンボリックリンク
ln -s file1 link_to_file1
→ 参照パスだけ保持。元が消えるとリンク切れに。
find
:ファイルを検索する
略称:find
find [検索開始場所] [条件] [アクション]
✅ 使用例
find . -name README.md
find . -iname "*.md"
find . -type d -name images
🎯 よく使う条件
条件 | 説明 |
---|---|
-name | ファイル名で検索(大文字小文字区別あり) |
-iname | 大文字小文字を区別しない名前検索 |
-type f | 通常ファイル |
-type d | ディレクトリ |
chmod
:アクセス権(パーミッション)を設定する
略称:change mode
機能:ファイルやディレクトリのアクセス権(パーミッション)を変更する
chmod [ugoa][+-=][rwx] ファイル名
✅ 使用例
chmod u+x script.sh
→ 所有者(user)に「実行権(+x)」を追加
📌 記号の意味
記号 | 説明 |
---|---|
u |
所有者(user) |
g |
グループ(group) |
o |
その他(others) |
a |
全員(all) |
+ |
権限を追加する |
- |
権限を削除する |
= |
権限を上書き設定する |
r |
読み取り(read) |
w |
書き込み(write) |
x |
実行(execute) |
🎯 よく使うパターン
chmod 755 script.sh # 所有者:rwx、他:rx
chmod 644 file.txt # 所有者:rw、他:r
chmod a-x file.sh # 全員の実行権を削除
🔍 補足
-
chmod
は 「モード(mode)」=アクセス権を変更するコマンドです。 - 数字(8進数)での指定も可能。例:
7=rwx
,6=rw-
,5=r-x
,4=r--
。 -
ls -l
で現在のパーミッションを確認できます。 - システム管理やスクリプト実行時によく使います。
sudo
:管理者権限で実行
略称:switch user and do
sudo <コマンド>
sudo = switch user and do
root
(管理者)として一時的に実行します。
chown
:所有者を変更する
略称:change owner
chown [オプション] 新しい所有者[:グループ] ファイル名
✅ 使用例
chown user1 file.txt
chown user1:group1 file.txt
→ 所有者だけ、または所有者とグループを変更
基本的に sudo が必要
sudo chown root:root /etc/example.conf
ps
:プロセスを表示する
略称:process status
ps [オプション]
✅ 使用例
ps aux
→ 現在動いているすべてのプロセスを詳細に表示
📌 よく使うオプション
オプション | 説明 |
---|---|
a |
他ユーザーのプロセスも含めて表示 |
u |
ユーザーとCPU/メモリ使用率を表示 |
x |
制御端末がないプロセスも含めて表示 |
例:
ps aux | grep nginx
→ nginxに関連するプロセスを検索表示
kill
:プロセスを終了させる
略称:なし
kill [オプション] プロセスID
✅ 使用例
kill 1234
→ プロセスID 1234 を終了
📌 よく使う信号(シグナル)
信号 | 意味 |
---|---|
-15 |
通常終了(デフォルト) |
-9 |
強制終了 |
例:
kill -9 1234 # 強制終了(最終手段)
ps や top でプロセスID(PID)を調べてから使う
おわりに
Linuxを学び始めたばかりの方でも、実際に手を動かして理解できるように意識してまとめました。
ターミナル操作は慣れが大切なので、ぜひこのページを見ながら何度も試してみてください!