こんにちは。かなり久々の投稿です。
「プログラミング歴10日の人がTwitterAPIに負けた話」などで卒業論文執筆の際にやったことも遥か昔のことになり、
もう大学院生活1年目が終わりまして、どうやら修士論文を書かないといけないようです。やれやれだぜ。
##今ならTwitter APIに負けない(?)かもしれない
この1年間で、私にとってはかなりうれしい変化がありました。
Twitterが無料で学術研究向けにツイートデータを提供することを発表
こちらの記事によると、
Twitterが2021年1月26日に、過去の公開ツイートの完全なアーカイブに無料でアクセスできる学術研究向けの新機能「Academic Researchプロダクトトラック」を発表しました。これにより、Twitterから認定を受けた研究者は、以前は有償で提供されていた完全なツイートデータベースに無償でアクセスできるようになります。
(中略)
TwitterからAcademic Researchプロダクトトラックへのアクセス提供を受ける条件として、同社は**「修士課程の学生、博士課程の候補者、ポスドク、教員または学術機関や大学で研究に従事している人であること」「研究目的が明確でTwitterデータの利用・分析・共有方法が具体的に計画されていること」「非営利目的で使うこと」**を挙げています。
(中略、太字は引用者による)
とのことです。
……あれ、ワイいけんじゃね? 院生になった甲斐があるってもんですね。
ということで、できるかわかりませんが、とりあえず申請してみたいと思います。
##実際に申請してみる
Twitter developerアカウントの取得などはすでに終わっているものとします。
かなり久々に開発者ページにログインしたので、いつの間にかなんか様子が変わっていました。
ちょっとおしゃれな感じですね。ただ、しばらくポチポチしてても研究者申請をどこからすればいいのかわからなかったので、結局ググりました。
開発者アカウントにログインした状態で、ググって出てきた「Take your research further with Twitter data」のページから、「Apply now」をクリックしてみます。
画面が遷移。
私は「A master's student working on a thesis」のはず……(震え声)
先に進みましょう。
基本情報を入れるページにやってきました。
usernameやメールアドレスはアカウントのものが入っています。
国とコーディングスキルレベルを選択。
No experienceじゃないからなあ……と、Some experienceを選択(Someって広すぎん?)。
「この情報は申請の許認可を決定するものではないよ」と書いてありますのでまあいいでしょう。
Academic Profileを入れていきます。院生をやっていれば、そんなに迷うことはありませんでした。
「Full name」は、「as it appears on your institution’s documentation」とあったので全角漢字で入れました(大丈夫かしら)。
「Provide at least one (or more) of the following: ……」は、研究室のウェブサイトのURLを入力し、その他、大学の所在地などを英語に気を付けながら情報を埋めていきました。
最後の「Academic role」のところ、Undergraduate studentも選べるんですね? 学部生でも通るのかしら(私は修士課程に在籍しておりますので、この点はわからないです)。
だんだん山場を迎えてきました。
研究の概要などを英語で書いていきます。英語力ェ……。
質問は大体以下のような感じでした。「」内は私訳です。
What’s your research project’s name?
「あなたの研究プロジェクトの名前は?」
→自分の研究題材を書きました。
*Does this project receive funding from outside your academic institution? *
「あなたが所属する研究機関の外部から、このプロジェクトは資金を受け取っていますか?」
→これはNo。
In English, describe your research project.
「あなたの研究プロジェクトを英語で説明してください」
→私の研究対象は日本語の接尾辞なので、接尾辞とは何かや研究対象とする意義をふんわり書きました。
In English, describe how Twitter data and/or Twitter APIs will be used in your research project.
「あなたの研究プロジェクトの中で、TwitterのデータやTwitter APIがどのように使われるかを、英語で説明してください」
→接尾辞の使用例を収集するため、と書きました。
Will your research present Twitter data indivually or in aggregate?
→これのpresentの訳が上手いことわかりません(英弱)。データは基本的に集計して扱う予定なので、aggregateを選びました。
In English, describe your methodology for analyzing Twitter data, Tweets, and/or Twitter users.
「Twitterのデータ、ツイート、Twitterのユーザーを分析するための方法論を英語で説明してください」
→PythonでAPIを使って検索して、CSVファイルにまとめて、Pythonで分析する、みたいなことを書きました。
In English, describe how you will share the outcomes of your research (include tools, data, and/or resources).
「(ツール、データ、リソースを含め)あなたの研究成果をどのように公表するかを英語で説明してください」
→修士論文になるよって書きました。私の修論は雑誌投稿とかはしない予定なので、それも書きました。
Will your analysis make Twitter content or derived information available to a government entity?
「あなたの分析によって、Twitterのコンテンツやそれに付随する情報を、政府機関が利用できるようになることはありますか?」
→これもNo。
質問は以上でした。
次に進むと、確認画面が表示され、内容を確認したのち、Twitterのポリシーに同意する画面を経て、申請完了となりました。つかれたつかれた!
##Twitter社からお返事が
さて、1日ほどでTwitter社からメールがありました。(個人宛に英語でメールが来るとビビりますね)
それによると、どうやら一発でクリアというわけではなく、もう少し情報をくれとのこと。
それによると、私は方法論の説明が不十分だったようです。逆にこれ以外はOKということなのかしら。
The information we need is listed below:
- In English, describe your methodology for analyzing Twitter data, Tweets, and/or Twitter users. Minimum 200 characters.
- In other words, what types of analyses do you intend to perform with Twitter data? This should be more descriptive of your tactics than the question above.
メールに返信する形で返答するようです。
また、この返事は21日以内にしなければ申請が却下されてしまうので気を付けてほしいとも書かれていました。
また英作文です。自分の研究において何をする予定なのかを、さらに詳しく書きました(具体的には、語幹の種類を分析するとか、語幹の頻度を分析するとかです)。
弾かれると結構進捗的にやばいので、もし情報が不十分だったり間違いがあったりしたら、さらに指示をくれとも書いておきました。
あと末尾に「Sincerely,」って書いて返信しました。笑
さあ、どうなることやら。どっきどきですね。
##無事、申請受理
レスポンスは非常にスムーズで、私から返信を送った翌日には再びTwitter社からメールが届きました。
件名は、「Academic Account Application Approved」! 一安心です。
メールには、申請が受理されたことと、Twitter developer portalからacademic projectのセットアップをなるはやで完了するようにと書かれていました。
ダッシュボードにアクセスしてみると……
「Academic Research」が反映され、「0 Tweets pulled of 10,000,000」と書かれていますね!
1000万ツイート/月のアクセス権を得た実感が湧いてきました。
一応、新しいappをプロジェクト内に作成しておきました。
これから久々にPythonでAPIをいじっていこうと思います。
##おわりです
今回は、せっかく院生になったのでTwitterのAcademic Research product trackを申請したお話でした。
結論として、
- 提出する情報は、大学院生ならあまり迷うことは少ないと思います。
- 自分のやりたいことについて、ある程度の英作文力は求められました。
- Twitter社のレスポンスは非常にスムーズで、最初の申請から3日ほどで受理に至りました。(Academic Research product trackがリリースされてから数か月経っているため、申請も空いているのかもしれません)
という感じでした。
文系学生にも手が届く申請でした!
私は非営利の学術研究目的ですが、営利目的なら企業には数十万~数百万で売っている権利でもありますので、かなり慎重に英文は推敲したつもりです。
もし何か誤りなどありましたら、ご指摘のほどよろしくお願いいたします。