はじめに
この記事は さくらインターネット Advent Calendar 2024 23日目の記事です。
Qiitaでは初めまして、さくらインターネットの火星人、ジョーです。
本記事では、さくらインターネットの運用チームにもソフトウェア開発をするエンジニアリングチームが存在することと、そのチームで活動し、感じた個人意見を述べていきます。
なにか論理的に運用チームの組織論を語るわけではないので、ご注意ください。
さくらインターネットで単に”運用チーム”と言ってもたくさん該当する部署や職種がありますが、ここでは、顧客問い合わせを受けるようなサポートチームとデータセンターのサービス運用に関わる運用チームを指します。
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課題や困難は多いけれども、少なくとも運用チームで使う社内のソフトウェアは社内のエンジニアで作成と運用ができるメリットは大きいと感じました。
運用チームのソフトウェア開発チームができる前にあった課題
さくらインターネットのデータセンター運用の歴史は長く、そして、古く、今の状況ではメンテナンスできないツール、ソフトウェアが多く存在しておりました。データセンター運用や、サービスサポートの将来を考えると今と将来に渡って出てくる「やりたいこと」を「できる」に変えられる状況ではありませんでした。
この状況が好ましくないのは把握しつつも、対策としては個人レベルでの場当たり的な対応しか取れておらず、運用の組織がソフトウェア開発による運用の現場をサポートする活動を支援する体制がありませんでした。
そのため、業務フローで重要なツールがいつまでもメンテナンスされませんでした。メンテナンスされたとしても、チームとしての対応ではなく、個人での改修となり、そのメンテナンス者が異動などでいなくなってしまうと、その重要性にも関わらず、どうして動いているか把握できる人がいなくなってしまう状況でした。
運用チームによるエンジニアリング組織の結成
前述の課題を解決するために、運用チームの中で「ソフトウェアエンジニアリングチーム」略して「SEチーム」が結成されました。ただ、組織としては大きくなく、メンバーも限られた数名だけで。メンバースキルも、サービスチームほどあるわけではありませんでした。
運用チームにもエンジニアリング組織ができたことによる効果
当然、すぐに効果があったわけではありませんが、結成したことによる効果は徐々に出つつあります。
運用の現場で使われる重要なツールを見直すことは、運用フローの見直しにも繋がり、業務効率化が進みました。また、社員個人のエンジニアリングスキルアップの場としての価値も生まれつつあります。
また、顧客向けサービス開発へノウハウを転用することもありました。あくまで社内ソフトウェアであるため、そのソフトウェア開発プロジェクト運営に関しても挑戦的に行うことができ、我々の組織だったらどういったスタイルでやっていくのが良いかの検証することができました。
ただ、良いことばかりではありません。運用チームにおけるソフトウェア開発チームの存在意義は常に危ういものです。チームを導入したからと言って革命がおこるわけでもなく、サービスの社内フローの運用の改善が行われたからと言って劇的な売り上げに繋がるわけではありません。私は組織論に関して多くの知識を持ち合わせているわけではありませんが、おそらく無駄なチームと判断する場合があるのも想像できます。
また、チームができたといっても、なかなかメンバー全員がソフトウェア開発に専念できる体制が構築できているとは言えません。どうしてもメンバー不足から構成メンバーが他業務との兼務になってしまっております。また、個人のキャリアパスであったり、チームが目指す未来像をはっきりさせておかないとすぐ存在意義を失ったり、その他出てくる課題は多いです。
まとめ
運用チームにもエンジニア組織が結成され、そのメンバーとして活動した中で見つけた課題や思ったことを述べてきました。一つはっきりと感じたことは、会社として、組織として、ソフトウェアの内製についての理解と努力が合って成り立つチームだと感じております。そして、この活動が活発になり、さくらインターネットのサービスを利用する方も、サービスを運用するメンバーも快適で自由に想像的な仕事ができるようになっていくことを願っております。