はじめに
2年ほど前からAWSの認定資格をコツコツ取得して、先日ついに現時点で最難関の「AWS認定ソリューションアーキテクトプロフェッショナル」に合格し、AWS認定6冠になりました。
各試験ボーダーに対し、高得点で合格することができたので、その勉強方法についてこの記事にまとめていきます。
これからAWS認定資格を受験されるの参考になると幸いです。
※この記事ではAWS認定資格とは・・といった情報については扱いません。
そこから知りたい方は、以下の記事にとても詳しくまとまっています。
筆者の経歴
- ITエンジニア歴: 7年(内AWS歴4年)
- バックエンドよりのアプリケーション開発/運用保守が主、がっつりインフラエンジニア経験は無し
- 現職では、事業会社で社内SEをしており、割と自由にAWSが触れる環境
受験履歴
| 試験コード | 試験名 | 取得日 | スコア |
| :---------: | :----------------------------------------------- | :--------- | :--: | :----: |
| DVA-C01 | AWS Certified Developer - Associate | 2019-08-12 | 873 |
| CLF-C01 | AWS Certified Cloud Practitioner | 2020-01-26 | 941 |
| SAA-C01 | AWS Certified Solutions Architect - Associate | 2020-01-26 | 939 |
| SOA-C01 | AWS Certified SysOps Administrator - Associate | 2020-09-04 | 918 |
| DOP-C01 | AWS Certified DevOps Engineer - Professional | 2021-03-27 | 899 |
| SAP-C01 | AWS Certified Solutions Architect - Professional | 2021-07-03 | 909 |
2019年5月に参加したAWS Summitで、AWSを勉強したい欲が高まり、次は有資格者ラウンジに入りたいという動機から、AWS認定資格の取得を進めることにしました。
サーバレスやIaC、CI/CDなどに興味があったため、まずDVAから取得し、その後SAAとCLFを同日受験で取得、その後も半年に1回のペースでいずれも1発合格でした。
勉強方法
基本的には、Udemyで配信されている英語のハンズオンコースと、問題集を中心に勉強しました。
資格によってはまだ日本語のコースがなく、全パート英語で初めは躊躇しましたが、AWSやIT技術の話をしているので、何となく内容は理解できました。
どうしてもわからないところは、BlackBeltや、日本語版のホワイトペーパーを先に読んで、事前知識をつけた上で、復習がてら聞くことで知識を定着させました。
定期的にセールを実施しているので、定価から大幅値引きで入手できます。
Udemyを薦める理由
- 試験合格に必要なリソースがまとまっている
- 2019年時点では、AWS認定資格対策といえば、AWS公式の模擬試験やFAQ、ホワイトペーパー、Blackbeltなどを読み漁る勉強方法が主流で、試験に出る箇所ピンポイントでの対策が難しい印象を受けました。
- Udemyならセクション毎に必要なリソースが纏まっており、そこに目を通すだけで必要な知識を得られました。
- AWSのアップデートがコース内容に反映されることがある
- 書籍は一度買うと、改訂されても変更内容をキャッチできませんが、Udemyは動画配信型なので、配信者によっては新情報についての修正を入れてくれます。
- スマホやタブレットがあれば隙間時間で勉強できる
- 一本のレクチャーは大体5−10分ほどなので、毎日の電車移動など、本を開きにくい場所でも気軽に勉強できました
英語のコースを選んで良かった点
-
まだ日本で出ていない資格対策のコースがある
- 今のようにアソシエイト3冠取得やSAP対策の本はなかったので、DVAやSOAの勉強をUdemyでしようとすると英語教材しかありませんでした。
- DOPについては、まだ日本語のハンズオンコースなどはなく、今後新しい認定資格が出ても、日本語での受験や、日本語対策コースが出るまでしばらくかかります。
-
英語のスキルが伸びた
- 何か調べ物をしていても1次ソースが英語であることはよくあり、エンジニアとして英語の勉強は避けられません。一石二鳥だと思い、Udemyの英語教材でAWSの勉強を始めました。
- 結果的に、AWSの勉強をしているだけで、英語のリスニング力、読解力が上がり、TOEICの点数も上がるという副次効果がありました。
-
本試験の誤訳によるミスリードに対処できた
- 翻訳ミスにより理解に苦しむ問題が混じっていることがよくあり、普段から英語版の問題に慣れていれば、表示言語を切り替えて対処することができました。
全くAWSを知らない状態から同じ方法を取るのはオススメしませんが、英語に苦手意識がない方は、是非Udemyの英語教材も視野に入れてみてください。
各試験対策・所感
AWS Certified Developer - Associate
使用した教材
- ハンズオン動画
- A Cloud GuruというAWSをはじめとした、各種IT資格のE-Learningのスタートアップ企業が配信しています。
- 各章の最後に本試験と同じ形式での小テスト、最後の章にはMegaQuizもついており、動画と問題集この一つのコースで十分でした。
- 元々Udemyで公開されていたのですが、独自プラットフォームのみでの公開になってしまったので、A Cloud Guru公式のリンク以下に貼ります。
- AWS公式
- サンプル問題
- 模擬試験
学習期間
- 2ヶ月程度の期間で、60時間程
- 初めは英語が全然聞き取れず0.75倍速で聴いて字幕を追ったり、何度も巻き戻したりとかなりの時間を使いました。。が、17.5hのコースを見終わる頃には慣れて多少早送りもできる余裕ができていました。
所感
- CloudformationやCode系サービス、Lambdaなど普段からよく触るサービスだったので、試験の内容は一番とっつき易かったです。
- 設定ファイルのコンフィグのセクション名や、SDKのAPI名まで聞かれたりするので、実際に実務経験(構築経験)が無いと、丸暗記するのは少し大変かなと感じました。
AWS Certified Cloud Practitioner
使用した教材
- 問題集
- SAAの方を一緒に勉強していたので、CLFはこの問題集を解いただけです。
- SAAレベルの問題も含まれているので、SAAを受ける上でも知識の補完に役立ちました。
学習期間
2週間で20時間程
所感
- SAAの勉強していれば特別対策せずとも受かる内容の印象でした。
- が、サポートプランによるサービスの違いなど、SAAには出ない内容もいくつかあり、対策していたお陰で高得点でパスできました。
- 同日受験したせいで、毎回合格するともらえる50%オフのバウチャー手元に1枚しかなく、面倒でも1回ずつ受けた方が得でした。。
AWS Certified Solutions Architect - Associate
使用した教材
- ハンズオン動画
- DVAと同じくA Cloud Guruの提供するSAA用コースを使用しました。
- 問題集
- A Cloud Guruでも3回分模擬試験がついていますが、追加で以下も購入して解きました。
- 日本語訳がおかしかったり、AWS側のアップデートに取り残された問題がいくつかありましたが、問題量やレベルは適切で、本番でも同じような問題が多数出ました。
学習期間
2ヶ月ほどで60時間程
所感
- 幅広い知識が求められ、アソシエイト3つの中では一番難しく感じ、合格時はかなり嬉しかったです。
- SAA取得時に、普段の業務で触らないサービスは、ハンズオン動画を見つつ実際に構築して、一通りのサービスを触りました。
- そのお陰で、高得点で合格でき、その後受けたSOA、DOP、SAPでも何となくイメージがついた状態からスタートすることができました。
AWS Certified SysOps Administrator - Associate
使用した教材
- ハンズオン動画
- DVA、SAAと同じくSOAもUdemyで公開されていた、A Cloud Guruを使用しました。
- 問題集
- こちらもハンズオンのコースに模擬試験がついていましたが、日本語の模擬試験も併用しました。
学習期間
2ヶ月で40時間程
所感
- コロナ禍に入っていたので自宅でオンライン受験を選び、試験官と英語でチェックインする方が緊張しました。
- 内容はモニタリングや監査などを中心に、各サービスで取得できるメトリクスをひたすら紹介したり、地味なものが多かった印象です。
- しかし、業務で運用も行なっているので、自動化やオブザーバビリティの向上など、実務に活きる内容でした。
- SAAと重複する領域も多く、SAAをがっつり勉強したので、SOAにかける時間は短縮できました。
AWS Certified DevOps Engineer - Professional
使用した教材
- ハンズオン動画
- DOPの対策コースは、A Cloud Guruにはなかったので、評価の良かったStephaneのコースを選びました。
- cloudguruのRyanに比べ、Stephaneはディフォルトで1.25倍速なんじゃないかと思うくらい早口で、最初はまた全然聞き取れない辛い時間を過ごしました。。が、1、2セクションくらいが終わった頃には慣れて、聞き取れるようになりました。
- 問題集
- Stephaneの方は1回分しかなかったので、日本語版の模擬試験も利用しました。
- 全5回と書いて売っているのに、中身は4回分で、5回目は近日公開としてあり、ずっと公開されないことだけが腑に落ちていませんが、内容は良かったです。
学習期間
4ヶ月で60時間ほど
所感
- 流石はプロフェッショナル試験で、180分ほぼ使い切って見直しの時間がないくらいでした。
- 要件に合わせたデプロイ方法を、各サービスでどのように実現するか。をサービスのライフサイクルフックやAPI名、プロパティ名レベルで問われたり、内容はかなりマニアックです。
- これまでIaCはCloudformationやSAM、PaaSはElasticBeanstalk、とAWS公式サービスばかり使っていたので、Chef、OpsWorkなど触ったことがなく、そういったサービスは改めて構築してみて理解する。を繰り返しました。
- ただ淡々と作ってるだけでは面白みがなかったので、CDKで構築したり、GoでLambdaを書いてCI作ってみたりと遊んでいたら、受験までかなりの時間を要してしまいました。
AWS Certified Solutions Architect - Professional
使用した教材
- 説明動画
- これまでとは違い、ハンズオンではなくスライド中心の座学です。
- というのも、一通りのサービスの概要や構築方法などはすでに知っている前提で、それに加えて各サービスの細かい特性や、それらを組み合わせたアーキテクチャパターンを叩き込む構成になっています。
- iPadでUdemyを視聴しているので、2画面で投影されているスライドを開いて書き込むスタイルで勉強を進めました。
- 問題集
- 模擬試験の問題集はかなり難しく、一度も合格ラインの75%を超えることはできませんでした。
学習期間
2ヶ月で50時間ほど
所感
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最難関だけあってこれは本当に難しかったです。
- 1問1問の問題文の量が多く、その中から「要件」と「優先事項(コスト効率、可用性、信頼性など)・制約」を読み解いていくのですが、集中していないと頭に入ってきません。
- 要件だけを満たす回答は複数あるので、優先事項をミスリードせずに、これまた長い回答と照らし合わせるという作業を、1問あたり2.4分で75問解いていく必要があります。
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最初の数問で時間を使いすぎ早々に再受験を覚悟しました。
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なんとか集中力を持ち直して、75問解き切ることができましたが、見直しの時間は2分程度しか残っていませんでした。
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学習を進める上では、ネットワーク周りに元々あまり明るく無いことと、個人で試しにくいサービスなので、アーキテクチャのパターンを抑えるのに苦労しました。
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前もって5冠になってから挑んだのでなんとか合格できましたが、いきなりSAPは範囲が広すぎてかなり難しいと思います。
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DOPとSAPのコースが、かなりわかりやすく要点も押さえていたので、アソシエイト3つのコースも同じくStephaneの以下のコースで学習するのもアリだと思います。
最後に
AWS認定資格を取得してよかったこと
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AWS認定資格をきっかけに関連技術の理解が深まった
- 模擬試験を解く中で、一般的なWebや、インフラ・ミドルの技術だが、知らなくて正しい回答が選べない。。と言うことが何度もあり、その都度調べることでAWS以外の一般的な技術知識も深まりました。
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社内外の人から、AWSに詳しい人と認められるようになった
- あの人がAWS詳しいと言う認識をしてもらうと、何かあるたびに質問が来るようになります。
- その都度調べて、さらに新しい知識が身について、と言ういいサイクルが回っています。
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英語力が高まった
- 以前は、ローカライズされていないドキュメントやGitHubのIssue、StackOverFlowなどに出会ったとき、迷わずGoogle翻訳をかけるか、日本語の情報ソースを探し直すこともありました。
- AWS資格を英語で勉強したお陰で、ある程度リスニングとリーディングができるようになり、上記に対する抵抗が減りました。
- 英語の情報ソースに抵抗がなくなり、エンジニアとしての幅が広がりました。
まとめ
- 勉強はUdemyのハンズオンと問題集がオススメ
- 日本語で対策コースがまだ無いものも、英語ならある
- AWS-SAPはやっぱり難しいが、他の試験を抑えてからならいける
長文を最後まで読んでいただきありがとうございました。
是非皆さんも、AWS認定資格に挑戦してみてください!