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AWSアカウント名義変更について

Last updated at Posted at 2017-04-09

AWSアカウント名義変更

 最近初めてAWSアカウント名義変更をやりましたので、AWSアカウント名義変更方法をここにまとめます。

背景

 とある理由で、某社(以降、譲渡元とする)のAWSアカウントを自社(以降、譲渡先とする)管理のAWS配下に入ることになり、私が対応することになりました。
 「そんなことって簡単でしょう、Rootアカウントの情報を更新すればいい」と、当初私がこう思っていました...が、思ったより簡単ではなかったです。まぁ、そんな簡単にできないでしょうね。

AWSアカウント譲渡の規定

 【AWS カスタマーアグリーメント】の【13. 雑則】に下記の内容が記載されています。

13.8 譲渡 サービス利用者は、アマゾンの事前の書面による同意なく、本契約を譲渡し、本契約に基づく権利を第三者に委任またはサブライセンスしてはならないものとする。本 13.8 項に違反する譲渡または移転は、無効とする。前記に従うことを条件として、本契約は、両当事者ならびに各々の承継人および譲受人を拘束し、それらの者の利益のために効力を有する

 正直に言って、知りませんでした!

譲渡元、譲渡先のAWSアカウント状況

 今回、譲渡元、譲渡先のAWSアカウント利用状況は下記の通りです。

AWSアカウントの種類 支払い方法
譲渡元 単独アカウント 請求書による支払い
譲渡先 一括請求連結ファミリー
●(親)Payerアカウント
●(子)Linkedアカウント
請求書による支払い
  • 譲渡元の要望: AWSアカウント名義変更月の月初からのAWS利用費を負担してほしい

AWSアカウント名義変更の手続き

 AWSアカウント名義変更を検討される際には、AWSJ営業担当に連絡してください。
 手続きは下記の通りです。
 ※ AWSJ: アマゾンウェブサービスジャパンの略です。

No 関係者 作業内容
1 譲渡先 or 譲渡元
※ 今回は譲渡元のA社
譲渡元、譲渡先の情報をAWSJに連絡
2 AWSJ AWSJアカウント譲渡同意書作成し、PDFで譲渡先に送付
3 譲渡元 AWSJアカウント譲渡同意書にサイン後、譲渡先へ送付
4 譲渡先 AWSJアカウント譲渡同意書にサイン後、譲渡元へ返送
5 譲渡元 AWSJへAWSアカウント譲渡同意書を送付
6 AWSJ サイン後、最終版を譲渡元、譲渡先へ送付
7 譲渡元、譲渡先 AWSアカウントの一連情報を更新後、AWSアカウント名義変更が終了

下記、AWSアカウント名義変更に必要な情報

No 項目
1 譲渡するアカウントID
2 譲渡実施日
3 譲渡元の情報(英語表記)
- 会社名
- 住所
- サイン担当者の役職と名前
4 譲渡先の情報(英語表記)
- 会社名
- 住所
- サイン担当者の役職と名前
5 譲渡理由(日本語)

諸注意点①②③

① 譲渡元、譲渡先(両方もしくは片方)が一括請求の場合

  1. 支払い先の変更のタイミングは一括請求から外された時点or一括請求に連結された時点になります。
  2. AWSアカウントは一括請求から外され、毎時00分を跨いでしまうと、一時的に単特アカウントと見なされ、そのAWSアカウントに対して請求が発生します。
  3. 請求月単位でAWSアカウントを切り替えたい場合
    • 毎月1日日本時間の9:00に(TAMからは8:00 - 9:00の間にと言われています)一括請求の連結作業を実施し、完了させる必要があります。
      ※ 譲渡元、譲渡先が連携する必要があり、AWS側の処理も必要があるため、9:00にちょうど処理を終わらせることが難しいです。切替の誤差により、約1時間分の利用費は切替前の譲渡元にもしくは切替後の譲渡先に請求されます。

② クレジットカードの更新

  1. 新しいカードを追加し、「現在の支払い方法」に変更してから、旧カードを削除します。

    • 新しいカードを追加しないと、AWSマネコンから「現在の支払い方法」になっているカードの削除ができません。
  2. 譲渡元が譲渡先にAWSアカウントを渡する前に、カードの情報を完全に削除したい場合は、Amazon.com(https://www.amazon.com/gp/wallet/) にログインして、削除する必要がある。

    • ログイン情報はAWSのマスターアカウントの情報と同じ

③ その他

  1. 毎月の月初(5日~6日)に請求処理は行われるらしく、請求処理が完了される前に、請求先の情報を変更してしまうと、変更月の先月分が新しい支払い先に請求されるそうです。
  2. 譲渡元は請求書でAWS利用費を支払う場合、請求書送付先の情報を変更するにはAWSサポートに依頼する必要がある

実際にやってみて、どうだったか

 3/1日本時間の8:00 - 9:00の間に、一括請求の連結作業を実施し、譲渡元の単独アカウントは一括請求連結ファミリーに入りました。
 3/6以降、請求書送付先の住所の変更等を行い、名義変更は終了しましたが、下記2点気になるところがありました。

  1. (2/28 11:00 - 12:00)一時間分の利用費が譲渡先(自社)に請求されました。数ドルなので、そのまま負担することになりました。
    • AWSアカウント名義変更時に、まず支払い方法を自社のクレジットカードに変更し、その後一括請求に連結しておけばよかったかもしれません。
      そうすれば、一括請求に連結前の利用費は自社のクレジットカードに、連結後は自動的にPayerアカウントに費用を集約されますので、わざわざ3/1 8:00 - 9:00の間に作業をしなくてもいいかもしれません。
  2. 請求書送付先の変更申請の際に、AWSは譲渡元が支払い方法変更時(クレジットカード → 請求書)の契約者情報を別途管理していたことがわかりました。
    3月上旬に、AWSマネコンからアカウントの情報を更新したにもかかわらず、譲渡元の契約者情報がマネコンには表示されないものの、AWSどっかのシステム上には残っていました。
    気持ちわるかったので、請求書送付先を変更時に、その契約者情報の更新も申請しました。

最後

 初めてのAWSアカウント名義変更でしたので、迷いつつ、進めてきました。
 ググっても、AWSアカウント名義変更の記事があまりなかったので、とりあえず自分が知っている範囲のことをこのQitta記事にまとめ、皆さんにシェアしておきます。お役に立てると幸いです。

 

 
 

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