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青コーダーが就活をした

Last updated at Posted at 2020-11-16

 どうも。jo-kwsmです。第一志望の企業から内定をいただき就活を終えたのでポエムのようなものを書こうと思い、記事にしました。特に純粋培養競プロerや同大学(某私大)に役に立てればと思い書いておりますが、自分の経歴が多少特殊(体育会出身)なところもあるので完全には参考にならないかもしれません。ポエムなので読みにくい点はご容赦ください。また、就職活動についての記事のため、書いてまずいことや間違っていることなどありましたらご指摘ください。

TL;DR

この記事でわかること

  • 競プロは就活の役に立つのか
  • 競プロをアピールする上で重要なこと
  • 成功した要因

結論

  • 競プロのレートが単に高いだけでは役に立たない(少なくとも青レベルでは)
  • 競プロと他の強みを組み合わせることが重要
  • 自分のしたいこと、強みを理解していたので成功した

自己紹介

 某私大の修士1年でコンピュータビジョンを選考している学生です。学部時代は体育会に所属し、授業をこなすのがやっとであまり自主的な取り組みはしていませんでした。競プロは部活引退後に取り組み始め、半年でAtCoder青、8ヶ月でCodeforces橙を達成しました。学部は電子系で半導体の物性から論理回路あたりまでを学んでおり、それより高レイヤーの知識は競プロと並行して自習していました。他に特筆する事項としては、コロナ等の影響で研究用のデータがもらえず、大学院での研究をほぼできていません。そのため就職活動では理系院生にもかかわらず研究以外で勝負せざるを得ませんでした。

就活の概要

2019年 9-10月

  • 部活動引退
  • 教習所に通い始め免許取得

2019年11月

  • インターンに応募するも未経験お断り
  • 何かしら能力を示さなければならないので競プロを始める

2019年12月-2020年5月

  • レートが12月茶、1月緑、3月水、5月青と推移
  • 同時に4月の基本情報処理技術者試験に向けて勉強をする(コロナで流れる)
  • 3月?ごろにあったAtCoder主催の競プロer向け就職説明会に参加
  • 学部と院で研究室を変え、テーマ変更の関係で卒論後研究が止まる

2020年6-7月

  • 周りの影響で夏インターンの申し込みを始める
  • Codeforcesで橙になる
  • データがもらえず研究が始まらない

2020年8-9月

  • 夏インターンの選考であまり役に立たなかった競プロをお休みすることに
  • 某社で夏インターンに参加
  • 研究室の先輩に誘っていただきweb開発を経験
  • データがもらえず研究が始まらない

2020年10-11月

  • 志望企業の本選考が始まる
  • 内定をいただく
  • データがもらえず研究が始まらない

夏インターンについて

遅かった動き出し

 私は周りの学生の影響でM1の6月頃から夏インターンの申し込みを始めました。ただ、これは少し遅い動きだしで、本来ならば3月ごろから動くべきだと思います。というのも外資コンサルと呼ばれる業界は選考がとてもはやく私が動き出したタイミングでは多くの企業が募集を締め切っていました。志望業界が定まっていれば別ですが、優秀な学生や、社会人として優秀な方々のお話を聞くことができるので受けてみて損はない業界だと思います。外資系企業に興味がある、少しでも気になっている場合は早く動き出さないといけません。

曖昧だった業界研究

 この時期にどの業界志望か、どの企業に行きたいのか決まっている学生は稀だと思います。例に漏れず私も何がしたいのかわかっていなかったので、大学のOBが多い外資コンサル、メーカーを中心に申し込みました。また、プログラマにも興味があったのでAtCoder主催の競プロer向け説明会に参加していた企業にも応募させていただきました。
 基本的にインターンは募集人数が本選考での採用人数より少なく難易度が高いです。また、コロナの影響か今年は例年の2倍ほどどこの企業にも応募があったといいます。準備をしっかりせずに臨んだこともありほぼ全滅でした。業界別に敗因を書きます。

メーカー

  • 大学OBが多いというだけでエントリーしたため企業に興味がないのを見透かされた
  • 見学してみるかぐらいの感覚で臨んだ
  • 本当に興味があるなら膨大な数のインターンコースを読み込み、なぜそのコースなのかを言う必要がありそう
  • 企業の人が競プロを知らない

web系

  • ITと言ってもいろいろあり、その企業がやっていることに興味を持つ必要があるが、プログラミングしたいぐらいの感覚で臨んだ
  • 行きたい企業ではなく有給のところばかり申し込んだ
  • 夏インターンは即実務なので制作物が必須だった
  • 企業の人が競プロを知っているが取り組んでおらず、レートよりも開発経験が重要

外資コンサル(ここだけ参加させていただいたので採用された理由)

  • 今なにができるかよりポテンシャルを重視していたため競プロの経験を評価していただいた
  • 部活動のOBに話を聞いていたため企業についてよく知っていた
  • 体育会も多少プラス?

ということで夏インターンは結局勝率1/10とかだったと思います。研究室の同期は有名企業のインターンにバンバン参加していて羨ましかった、、、

夏インターンについての結論

  • なるべく早く動く(3月ぐらい?)
  • 乱れ打ちではなく一つ一つの企業についてちゃんと調べる(当たり前)
  • OBや先輩に話を聞くと経験のショートカットができるので積極的に行うべき

IT業界について

 夏インターン選考を経験して業界について何も知らないことはまずいと思い、調べることにしました。また、この段階でIT系企業に就職したいなとは漠然と考えていたため、この業界について調べました。どうやらIT業界では大きく分けてweb系企業、SIer系企業にわかれるということがわかりました。

SIer系

 弊大学に人気の就職先であるN○TデータやN○I、最近ではメーカーのN○Cなんかもここに分類されます。なぜかNで始まる企業が多いですね(適当)。就職ランキング上位のIT企業はだいたいSIerです。メーカーもかなりSIer業務が中心になってきているので調べてみてください。
 これらの企業は何をやっているかといいますと、他社のシステム開発を行っております。これだけではふわふわしてわかりづらいですね。まず、何かしらのシステムが必要な非IT系企業が存在します(社内の給料計算だったり、ITに関わる新サービスだったり)。この企業が複数のSIerに見積もりをお願いし、様々な条件を考慮した結果一社に依頼します。引き受けた企業は、自社で開発をしたり他社に外注したり他社のパッケージの導入をお手伝いしたりします。
 業界の特徴として上流(案件を取ったりシステムの要件を決める)であればあるほどお給料が高くなり技術から離れます。逆に下流(設計に基づいて実際に開発を行う)であればあるほど手を動かして開発をしますが、労働時間が長くお給料が少なくなります。

web系

 メ○カリやサ○○○○○○○○ト、D○NAなどです。IT企業と言われるとこれらの企業を想像する人の方が多いかもしれません。競プロerが憧れる企業はこちらのような気がします。
 SIer系との違いは自社でサービスを作っており、そのサービスを作るためにエンジニアが必要な点です。SIer系ですと案件を獲得した時点で利益がどれくらいになるのか確定し、エンジニアが工夫しようとしまいと利益は変わりません。しかしながら、web系エンジニアは自社の利益に直結するサービスの開発をするのでSIer系よりもエンジニアの立場が確立されているように感じます(想像)。

データサイエンティスト

 また、SIer系、web系にかかわらず多くの企業でデータサイエンティスト職なるものを募集しています。どこの企業でも独自のデータを持っていることが多く、そのデータを利用して企業の方針や新たなプロダクトをつくるという職業です(間違っていたらごめんなさい)。流行りのAIを用いた業務ができること、アメリカでは平均年収1200万円とも言われており日本でも他の職業に比べ高給与であることから学生に人気の職業となっております。また、フレームワークが充実してきており、何年か前に比べて機械学習を始めるだけならば学習コストは相当下がっています。そのため、研究テーマとしている学生も多いです。これらの理由から高倍率になりがちであり、企業側も国際学会発表経験有りなどレベルの高い学生を求めており、就職難易度が高い印象です。
 私も例に漏れずデータサイエンティストには興味がありました。ただ、機械学習を扱う研究室にもかかわらず大学院に入学してから半年以上研究が止まっており、学会発表とは程遠い位置にいたため憧れと諦めが入り混じるような状態でした。

夏インターン以降の取り組み

 夏インターンで苦戦を強いられ改めて就活の方針を見直すことにしました。自分が何をしたいのか、自分の強みが何なのかについて考え、それに合わせた就活をしていきます。

自分がしたいことの検討

 まずweb系企業なのか、SIer系企業なのかでかなり悩みました。エンジニア志望であればweb系企業のほうが技術的に面白そうなことができると思っていました。しかしながら、給与面で考えるとSIer系企業は30歳前後で年収1000万円を超える企業も存在しweb系企業の業界平均より高いです。ただ、これはSIer系企業の上流の話でありプログラムを実際に組む職業の場合どの程度もらえるのかわかりません。なのでSIer系企業の場合は上流工程をやりたいのか、下流工程をやりたいのかについても考える必要がありました。
 仕事内容と給与について検討しましたが、ワークライフバランスも重要です。基本的に収入と労働時間は比例します。お金が大好きで使う暇がなくても構わないと言う人は給与に極振りすればいいと思います。逆にお金がいらずとにかく働きたくない人はニートがおすすめです。ワークライフバランスも込みで給与について考えたところ、自分がお金のかかる趣味を持っていないことに気づきました。好奇心が強いため業務外の勉強をする時間も欲しく、ワークライフバランスを重要視すべきだと気づきました。
 給与を重視する必要がなくなったため改めてしたいことについて自問したところ、web系企業で技術的に尖っていきたい、もっと言えば単にコーディングをするのではなく数学的統計的知見を生かした働き方をしたいと思いデータサイエンティストがもっともしたいことだと気づきました。

自分の強みの検討

 下記が強みになるかなと思います。

  • 競プロ(AtCoer青、Codeforces橙)
  • 体育会経験
  • 某私大?

 強みについて考えた時に気づいたのですが、競プロを推したいにもかかわらず夏インターンではコーディングテストのある企業をほとんど受けていませんでした(唯一参加した外資コンサルではコーディングテストあり)。そこでなるべくコーディングテストを課している起業を受けることにします。また、体育会経験と某私大を掛け合わせるとweb系企業よりもSIer系企業の方が相性が良くなります(面接での印象や部活の同期の就職先による偏見)。やりたいことと強みのミスマッチです。
 そこで、強みの表現方法について工夫することにしました。Twitterをやっていると自分よりはるかに強い競プロerをよく見かけます。実力が数字で出るコンテンツは一番にならない限り確実に上位互換が存在してしまうのです。なので、単に競プロのレートが青というんではなく、学部時代は体育会に全力を注ぎ、引退後競プロを始めて短期間でレートをあげたという経歴をアピールすることにしました。なので自分のいくつかある強みについて考え、それらを組み合わせることでユニークな人材になることが重要だと感じました。
 
 

本選考

 やりたいことを中心に企業を考えた結果、web系企業のデータサイエンティストという結論にいたりました(実現可能性については目をつぶる)。次に志望職種で自分の強みを活かせる企業について考えました。この時点で企業はほぼ一つに絞られていたように感じます。この企業の選考はとても早かったため、エントリーをしながら足りない能力についても保管することにしました。取り組んだのは2点です。
 まずはweb開発です。データサイエンティスト志望とは言え、web系企業を志望するにもかかわらずweb開発に触れたことがないのはまずいと思い、8月以降に研究室の先輩の開発に混ぜてもらいバックエンドとフロントエンド両方で簡単な開発を経験させていただきました。製作物を作るという経験自体が楽しかったですし、本選考でも話す機会が何度かありました。
 次にデータサイエンス系の コンペへの参加です。ちょうど私の好きな某対戦ゲームの勝敗予測コンペがあったので学友と参加し、なかなかの結果を出しました。ただ、このコンペでの私の役割はアイデア出しに終始したので選考の過程でアピールすることはありませんでした。経験としては面白く、データサイエンティストになりたいという思いが強くなりました。
 秋以降複数社を受けさせていただき、結果的に第一志望としていた企業に一番最初にデータサイエンティストとして内定をいただくことができました。夏インターンでの反省から自分のしたいこと、強みがわかっていたので受ける企業との噛み合いがよく、以前よりは善戦していたように感じます。特に評価いただいていたのは、体育会からITという全く違う領域への挑戦だったが比較的短期間で結果(AtCoder青)を出せた点、短期間で成果を上げるために部活動時代の経験を活かした点、研究が止まりながらも自分が必要だと思う勉強(OSや通信、web開発)に取り組み続けた点です。(具体的な選考についてはどこまで書いていいのか分からないので避けます。DMください。)

競プロのレートは役に立ったのか

 結論から言うととても役に立ちました。競プロをやっていなかったら今の企業からは内定をいただけなかったと思います。競プロerを積極的に採用している企業ならある程度のレートを書くだけでプラスにはなると思います。しかしながら、大半の企業はそこまで重視しておらず、存在を知らない企業がほとんどです。なので競プロとは何で、自分のレートがどれくらいの価値を持つのか、なぜ競プロにとりくみどのような工夫をしたのかを説明できるといいと思います。特に、なぜ取り組んだか、どのような工夫をしたかは、自社で競プロerが働くにあたりその活躍を再現できるのかに関わってくるので非常に重要です。純粋培養でもこの点を説明できると企業側が安心して採用できると思います。また、上述しましたがレート制である以上、上位互換が存在してしまうので競プロ以外の強みについても考える必要があります。

これから就職活動をする人に向けて

 いろいろ書きましたが、人によってやりたいことや強みは全く異なってきます。なので私の話は斜に構えて聞いて欲しいですし、他にもいろんな人の話を聞いていただきたいです。この記事に書いていないようなことでも気になることがあればぜひDMしてください。答えられる範囲で答えます。

謝辞

 最後になりますが、ここまで育ててくれた母親、めんどくさい性格の兄の相手をしてくれていた弟、たくさんの相談に乗っていただいた同期や先輩方、勉強時間を割いて話を聞いてくれた後輩、選考で関わった企業の採用担当の方々に感謝の意を表します。

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