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Day 1

Amazon Managed GrafanaからRDSの時系列データをリアルタイムに表示してみる

Last updated at Posted at 2023-11-30

はじめに

Amazon Managed Grafanaを使った時系列データのクエリの実装例が少なかったので記事を書いてみました。

構成

各サービスのデータ連携は、すべてVPC内でセキュアに通信するようにしてみます。

image.png

Services Version note
Managed Grafana 9.4 in VPC
RDS(MySQL) 8.0.33 in VPC
Lambda Python 3.10 in VPC

構築

RDS(MySQL)

  • 詳細は省きます。

  • MySQL を RDSで構築し、VPCに足を出しています。

  • また、自宅からつなげるためパブリックアクセス可能とし、サブネットのルートテーブルにもインターネットゲートウェイが設定されています。

  • データベース名は「mydb」としています。マスターユーザー名は「admin」です。
    image.png

  • SecurityGroupは、同一VPCからのインバウンドをすべて許容しています。

  • また、SQLクライアントソフトからDDL文を叩くため、自宅のグローバルIPも許可しています。
    image.png

  • 起動後、適当なテーブルを作成しておきます。

  • idのほかに、int型のカラム(author_id)と、timestamp型のカラム(time)を作っておきます。

    • ※mysqlの場合、timestamp型(「2038-01-19」まで)よりもdatetime型(「9999-12-31」まで)のほうがよいです。今回はあくまでテストなのでtimestamp型を使っています。
CREATE TABLE `posts` (
  `id` int NOT NULL,
  `author_id` int NOT NULL,
  `time` timestamp NOT NULL,
  PRIMARY KEY (`id`)
);

Lambda

まずPython3.10での関数を作成します。

IAMロールは、今回は一時的なテストなのでAdministratorAccessをつけちゃってますが、基本的にはAWSLambdaVPCAccessExecutionRole、AWSLambdaBasicExecutionRole があればよいと思います。

VPCは、先程RDSを展開したのと同じサブネットに足を出しておきます。
image.png

MySQLのコネクタをLambdaレイヤー化するのが面倒だったので、素晴らしい有志が作成した公開レイヤーを利用します。

上記サイトから「deployments」を選択し、

image.png

現在Lambdaで使える3.10系を選択し、

image.png

東京リージョンのhtmlを選択し、

image.png

mysql-connector-pythonのARN欄をコピーします。

image.png

Lambdaのレイヤーを追加し、先程のARNを入力します。

image.png

追加できました。

image.png

  • Lambdaコードはこんな感じで雑に作ります。
    • RDSのパスワード等は直書きしていますので、本格的に使う場合はLambda環境変数なり、SecretsManagerなりに保存してください。
import json
import mysql.connector as mydb
import time
import datetime
import random


def lambda_handler(event, context):

# コネクションの作成
    conn = mydb.connect(
        host='database-1.**********.ap-northeast-1.rds.amazonaws.com',
        port='3306',
        user='admin',
        password='**********',
        database='mydb'
    )
    print(conn.is_connected())

# カーソルの準備
    cur = conn.cursor()

# レコードの生成とインサート

    # idは重複しない値として、適当に現在のUNIXタイムを入れておきます。
    id = int(time.time())
    # author_idは、1~500までの疑似乱数を入れておきます。
    author_id = random.randint(1, 500)
    # timstamp型に入れる値として、現在のdatetimeを入れておきます。
    dt_now = datetime.datetime.now()

    # DBにインサートします。
    cur.execute("INSERT INTO posts VALUES (%s,%s,%s)",(id,author_id,dt_now))

# デバッグ用コード
    # Lambda上のデバッグ用に、selectの結果を標準出力しておきます。
    cur.execute("select * from posts where id = '%s'",(id, ))
    rows = cur.fetchall()
    for row in rows:
        print(row)

# コミット
    conn.commit()

# 後始末
    cur.close()
    conn.close()
    
    return {
        'statusCode': 200,
        'body': json.dumps('Hello from Lambda!')
    }

最後にEventBridgeで1分毎のトリガーを設定しておきます。

image.png

Managed Grafana

初期設定方法は私の以下の記事などを参考にしてください。
リンク先の「データソースと通知チャネル」は今回は設定不要です。
https://qiita.com/jnit/items/49f4954f8a7667e4a440#%E5%88%9D%E6%9C%9F%E8%A8%AD%E5%AE%9A

ワークスペースの設定

作成済みのワークスペースを選択し、VPCに足を出しておきます。
「ネットワークアクセスコントロール」で設定が可能です。

image.png

SecurityGroupは、適当に同一VPCからすべてのトラフィックを許可するSGを設定しました。

データソースの設定

まず、Grafanaのユーザが管理者権限であるか確認します。データソースの追加は管理者権限である必要があります。

マネジメントコンソールの Managed Grafanaから「認証」「ユーザーとユーザーグループの設定」を選択します。
image.png

自身が使うユーザが「管理者」となっているか確認します。
image.png

AWS SSOなどからManaged Grafanaにログインします。
「Home」から「Data sources」を選択します。
image.png
※なお、「Administration」メニューは、Grafana上のユーザが管理者権限を持っている場合に表示されます。

「Add new data source」を選択します。
image.png

MySQLを選択します。
image.png

RDSのドメイン名とポート名をコロンで繋げて入力し、ご自身のデータベース名やユーザ名などを入力します。

image.png

「Save & test」で接続が成功すればOKです。
image.png

ダッシュボードの作成

「Home」から「Dashboards」を選択します。
image.png

「New」を選択します。
image.png

「Add a new panel」を選択します。

image.png

最初はGrafanaのサンプルが表示されていますので、「Data source」から先程作成したMySQLデータソースを選択します。
image.png

プルダウンでスキーマやテーブル、カラムなども選べますが、やりやすいように「Code」をクリックします。
image.png

SQLクエリ入力欄に以下のように入力します。

SELECT
  time,
  author_id
FROM
  mydb.posts
order by time asc;
  • このSQL文はあくまで例です。
    • SELECTしたカラムがグラフに反映されます。
    • 時間を持つカラムは order byしておく必要があります。
    • 時系列グラフにする場合は、SELECTするカラムに以下のいずれかを含めてください。
      • datetime(or timestamp)型
      • Unix エポックを秒単位で表す数値データ型
    • 実際には、頻繁に上記のSQLクエリが発行されるので、WHERE句で直近1ヶ月分に絞ったり、適切にインデックスを設定しておくなど、DBへの負荷を減らすための考慮が必要になります。
    • その他クエリの例などは以下を参考にしてください。

クエリ入力後、「Run query」を押します。するとGrafanaが自動的に時系列グラフ「Time series」として認識し、上部にグラフが表示されます。問題なければ「Apply」を選択します。
image.png

するとダッシュボードに先程のパネルが追加されます。表示範囲については、お好みの範囲に変更してください。
また、タイムゾーンがお住まいの地域に合っているか確認してください。
image.png

Grafanaの画面の更新間隔をお好みに応じて変更してください。この例では5秒に設定しています。
image.png

最後にダッシュボードを保存します。
image.png

パネルを編集する場合は、パネルの三点リーダから「Edit」を選びます。
image.png

これで、簡易的ですがリアルタイムデータの可視化ができました。

おわりに

  • ダッシュボードの作り方について

    • Grafanaは、やはりダッシュボードを作成する際のインターフェースが少しとっつきにくく、本例のようにSQL文で直接書いたほうが(私にとっては)分かりやすいです。
  • サポートについて

    • AWSが提供する Managed Grafanaには、以下の2つのレイヤーがあります。
      • (1). Amazon Managed Grafana(AMG) サービスとしての動作や AMG 独自の仕様など、AMG としての観点
      • (2). Grafana エンジンにおける仕様や設定など、オープンソース Grafana としての観点
    • AWSサポートが担保するのは基本的に上記の(1)の範囲になり、(2)についてはベストエフォートになります。
    • (2)の技術的な点で手厚いサポートが必要な場合は、Enterprise版の契約が必要になります。

その他参考

以上です。

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