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dependent: :restrict_with_error と :restrict_with_exception の違い

Last updated at Posted at 2015-07-31

はじめに:dependent オプションとは?

dependent オプションはRailsであるモデルが子のレコードを持っている場合、親レコードを削除するときに子レコードをどうするのかを決めるオプションです。実際の挙動はいくつかの選択肢の中から選ぶことができます。

オプションの種類

  • :destroy 親と一緒に子レコードも削除する。(無理心中パターン)
  • :delete_all 親と一緒に子レコードも削除する。ただし、直接DBのレコードを削除するので、子レコードのコールバック処理は実行されない。
  • :nullify 子レコードの外部キーを NULL 更新する。(みなしごパターン)
  • :restrict_with_exception 子レコードがある場合は ActiveRecord::DeleteRestrictionError が発生する。(引き留めパターン)
  • :restrict_with_error 子レコードがある場合は削除できず、親レコードにエラー情報が付加される。(引き留めパターン)

参考:ActiveRecord::Associations::ClassMethods

設定例

class Category < ActiveRecord::Base
  has_many :items, dependent: :restrict_with_exception
end

この記事ではこの中から restrict_with_errorrestrict_with_exception をピックアップして、両者の違いを説明します。

restrict_with_exception と restrict_with_error の違いをサンプルコードで確認する

次のようなモデルを定義します。

# カテゴリ
class Category < ActiveRecord::Base
  # :restrict_with_exception を指定
  has_many :items, dependent: :restrict_with_exception
end

# 商品
class Item < ActiveRecord::Base
  belongs_to :category
  # :restrict_with_error を指定
  has_many :orders, dependent: :restrict_with_error
end

# 注文
class Order < ActiveRecord::Base
  belongs_to :item
end

モデル図で表すとこんな感じです。
diagram.jpg

挙動の違い確認するテストコード

Minitestでテストコードを書いてみました。

require 'test_helper'

class CategoryTest < ActiveSupport::TestCase
  test 'restrict options' do
    category = Category.create!(name: '本')
    item = category.items.create!(name: 'Ruby入門')
    order = item.orders.create!(customer: 'Alice')

    # 子レコードがあると削除できない
    refute item.destroy
    assert_equal ["Cannot delete record because dependent orders exist"],
                 item.errors.messages[:base]
    assert_raises(ActiveRecord::DeleteRestrictionError) do
      category.destroy
    end

    # 子レコードがなければ削除可能
    assert order.destroy
    assert_difference 'Item.count', -1 do
      item.reload.destroy
    end
    assert_difference 'Category.count', -1 do
      category.reload.destroy
    end
  end
end

注文があると商品は削除できません。
restrict_with_error を付けているので destroy を呼ぶと false が返され、商品にエラーメッセージが付加されます。

refute item.destroy
assert_equal ["Cannot delete record because dependent orders exist"],
             item.errors.messages[:base]

同様に、商品があるとカテゴリは削除できません。
ただし、こちらは restrict_with_exceptionを付けているので、 ActiveRecord::DeleteRestrictionError が発生します。

assert_raises(ActiveRecord::DeleteRestrictionError) do
  category.destroy
end

先に子レコードを削除しておくと、親レコードを削除することができます。

assert order.destroy
assert_difference 'Item.count', -1 do
  item.reload.destroy
end
assert_difference 'Category.count', -1 do
  category.reload.destroy
end

サンプルコードはこちら

このコードはGitHubに置いてあります。気になる人は実際に動かしてみてください。

そもそもなんでこの記事を書こうと思ったのか

restrict_with_errorrestrict_with_exception の意味を勘違いしていたからです。

話がちょっとそれますが、 Ruby には Exception クラスと StandardError クラスがあります。
StandardError は Exception のサブクラスです。

参考: rescue節で例外の型を指定しない場合に補足できるのはStandardErrorとそのサブクラスだけ

さらに、 ActiveRecord::DeleteRestrictionError は StandardError のサブクラスになっています。

僕は restrict_with_errorrestrict_with_exception の違いを StandardError と Exception の違いだと思っていました。

なので、こうなると思っていたのです。(error と Error が同じという理由で)

class Item < ActiveRecord::Base
  belongs_to :category
  has_many :orders, dependent: :restrict_with_error
end

# 実際はActiveRecord::DeleteRestrictionErrorは発生しない
assert_raises(ActiveRecord::DeleteRestrictionError) do
  item.destroy
end

が、実際は restrict_with_error の error は ActiveRecord の error (つまりバリデーションエラー)のことを意味しているようでした。

restrict_with_exception を付けると DeleteRestrictionError が発生し、 restrict_with_error を付けるとActiveRecordに error が付加されるって、なんかややこしくないですか?
そうでもないですか、そうですか。。。

まとめ

というわけで、 restrict_with_errorrestrict_with_exception 、 StandardError と Exception の違いを正しく理解し、バグのないRubyプログラムを書きましょう!!

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